光安どの(西村まさ彦)の死後ぱったり感想を書けずにいましたが、コロナ休止後もずっと見ていましたよ。亀岡の大河ドラマ館を訪問。昨今のCG技術、月代や坊主の肌表現には驚嘆!作品を倍楽しめました。
さて物語は、西に東に使いっ走り放題だった十兵衛(長谷川博己)が、出家から武士に戻された将軍足利義昭(滝藤賢一)を支えて大出世、京に上ります。
しかし慈悲の人だった義昭はいつか変わり果て、駒ちゃん(門脇麦)の救護所積立が戦の金にされる始末。袂を分つた十兵衛はご存知信長(染谷将太)に士官しますが。元々地蔵を石垣の素材にして平気な罰当たり信長、『大きな国を作ろう』とはしゃいだ志はそのままでも、すぐ女子供皆殺しに一族根絶やし!
初陣では叔父上光安を殺す白昼夢を見た繊細な十兵衛、今度は愛娘殺害にうなされます。女子供でなくバリバリ戦国武将がこんなにも戦いを嫌い続ける様子は新鮮でした…。
そんな光秀が、また夜毎見るようになった夢は…月に向かって大樹を登る信長。その木を切る自分。
え、それ信長を殺す夢と思えば穏やかじゃありませんが、今までに照らせばその人が、家族の域で大事な存在ということになるのでは…w
一方の信長は、光秀の忠義を試すかのようにもしくは光秀だけは大丈夫と甘えるかのようにやりたい放題。衆目の面前で叱責、大恥をかかせておいて
「気にするな!」
実は家康(風間俊介)の反応を見たかっただけ、って君。普通それだけ充分嫌われますけど。妻の帰蝶(川口春奈)にすら、「父道三なら毒を盛る」って言われちゃってますけど!
忍耐強すぎる光秀への最後のダメ押しが、将軍義昭殺害指令でした。またも試すように、1番それを嫌がる光秀に命じるんだから…。
石橋を叩きすぎて壊すタイプ信長。でも本能寺を、囲んだのが光秀と知ってむしろ嬉しそうで、徹頭徹尾人間関係の築き方が壊れていて哀れでした。
その直後、駆けつけた太夫(尾野真千子)相手に朗らかに、麒麟を呼んでみせる!と誓った十兵衛…。でもそんな日は来なかったのですよね。まず麒麟より先に必要だった、味方をしてくれるはずの武将が来なかったとは。嗚呼。
そして秀吉(佐々木蔵之介)の大返しも、ちらっとでた官兵衛(濱田岳!)の出番ももう無く時は飛び。
明智光秀は生きている。
そんな噂も囁かれる中、市場の人混みにまさかの面影を見るお駒。え、確かに十兵衛、変な変装でうろつくの得意でしたけど…ってそんな姿でも無くまさにいつもの十兵衛の後ろ姿で…(涙)
1話で麒麟を語ったのはそういえば駒でしたものね。戦災孤児で、医師の手伝いだった女の子が後の武将に麒麟の逸話を説き、義昭と近しくまでなって。夢のような出世物語だったのかも。
駒は、家康が江戸幕府を開き息子に継がせた時代にも生きて、ああ麒麟は来た、と思ったかもしれませんねえ