王道な物語は飽きずに見られますが(97分だし)ひたすら古臭い。たった1年前に公開された映画とはとても思えません。
過去一世を風靡したデザイナー、ユージフジムラ(高嶋政伸)が古巣のアパレルHIRAKATAに帰ってきた!猫と新人パタンナーを連れて!
予算も就業時間も度外視、しかもド新人世加田(堀田茜)を重用するユージに社員たちは反発するが、結局はユージの熱意に打たれチームは一丸となってHIRA KATAショー開催を目指すのでした。
はい、西村まさ彦氏目当てに頑張って見ましたよ💦
コストコストとうるさい平方社長(西村まさ彦)でしたが、それもHIRAKATA存続のため。
途中、ショーの服を引き裂いてまで藤村チーム解散を叫び、映ってないところで副社長(前川泰之)と殴り合いすらやらかしたくせに、いざショーが盛況に終われば満面の笑み。やだー、やっぱり服が好きなんじゃないですか!
と、社長には贔屓目もあり、定型の邪魔キャラ納得なのですが。受けて立つ藤村がねえ、優しげでいて中身は昭和の鬼上司ですからねえ。
社長にアパレル愛を教わった、と並べる思い出はどれも勤務時間外💦 部下への要求も残業当然、24時間仕事しろ!猫で誤魔化してもふんわりしないブラックぶりです。
その上、目下の女性はお前&呼び捨て。部下社員ならまだしも(ダメだけど)、靴の発注相手にまで呼び捨てって!お前呼びって!その無礼、親しさ表現だと思ってるの??
そもそも、藤村デザインの良さが分かりません。作中、誰もがデザイン画を一目みては
「カッコいい!」「素敵!」
と絶賛する、それだけです。ショーで分かるかとずーっと待っていたのに…、いわゆるパリコレ的ファッションショーでなく既製服のお披露目だからか、地味色の普通の服ばっかりでさorz
もっと、色使いがこう違う、さすが!とか。ウエスト位置でシルエットが変わっていい!とか「アマデウス」式に、具体的に褒めちぎって欲しかったです。
ましてデザイン画はただのイメージで、具体的に型紙に起こすのがパタンナー。なのでパタンナー次第で全く違う服になる、という前提も語られず、世加田の良さはパソコン任せにせず手作業を入れるからだとばかり、ほら精神論。実家は呉服屋でした!ってパターン引く力に関係ないし!
ついでに、藤村がデザインを志した美談。貧しくて服は母の工夫した手作りだったから…、いやこれ、服は買う方が安い世代に分かります? 逆に50代に子供服の手作りは当たり前w でも生地もミシンもお高いですのよ。本当に貧しかったら服はご近所のお下がり…。母上はプロの縫い子だったか、腕前はリメイクで発揮した方が説得力ありましたね!
高級服も売れ残ればタグを切られて二束三文、ゴミになると、廃棄問題を入れたことだけは今時でしたか。あと、藤村と世加田や靴の岸本さん(西村美柚)、イケメン吉野(飯島寛騎)とラブが始まったりしなかったのは良かったです。
途中、若者を差し置いて何故かショーの服を試着する高島礼子が流石のプロポーションでしたw