甘えられない姉(栗山千秋)と、愛嬌で何もかも許される妹(馬場ふみか) おもちゃも母の膝も何もかも(男も!)ずっと妹に盗られてきたと姉は憤っているのに、妹からしたら姉こそが独り占めな奴だった…
てな行き違いは正直よくあるモチーフなわけですが。今作では姉妹に絡む男(柳俊太郎)が輪をかけて歪で
「望んだものは手に入らない」
と全てを諦め言い訳ひとつせず、姉の恋人から妹の旦那へとシフトチェンジして事態をややこしくしています。マジか。
してない浮気をあったかのように嘘つかれたなら、普通は必死に否定するかせめて妹からも距離をとるでしょうに……。なんでそこで諾々と結婚するのかって、男母のお気に入りが妹の方だったからかーうわー。息子が自分の意見を持つ度に自殺未遂で叩き潰してきたのか、毒母…!
もう姉、妹、男、どこをとってもドン引き案件。姉妹の母の葬式から速攻姉妹喧嘩に雪崩れ込む物語は不愉快そのものなのに、排水溝の汚れを薄目で見てしまうかの様につい…見てしまいます。世間的には可愛い嫁で友達も多い妹が、実はダントツに病んでいて痺れる…。だって、姉と夫の不倫を嗅ぎつけるや否や、姉の職場の心療内科に乗り込んで
「妹の夫と関係を持ってしまいました…」
と、姉になりきって語るんですよ⁉︎
姉だけが、実は一緒に暮らしていた父の子では無かった……という母(雛形あきこ)の涙の告白も、姉の慟哭も、立ち聞きからサクッと自分の不幸に変えて男の気を引くエピソードトークにしてしまう恐ろしさ。
さて、ついつい妹旦那と関係を持ってしまった当初は勿論、不倫は隠すつもりだった姉ですが。もう気付かれていた&その昔の浮気が妹の嘘だったと今にして知り(むしろ何故、信じた?) 見せつけてやるモードに?
突入するのか修羅場に〜?