そうだ! 元引きこもりを先生にしたらちょうど良いよね? 美談になるし!
……という、無責任校長榊(高橋克典)の思いつきで白羽の矢が立ったのが卒業生で近所に住む上嶋陽平(佐藤二朗) 引きこもりの会で過去を立派にスピーチしていたと校長は言いますが、いやいや大して立ち直ったようには見えない語り口調(^^;;;;)焼き鳥屋の店長をしてはいますが、壁にはお品書きならぬ注意書きがいっぱい。注文は客が紙に書き、出来た品を自分でとる。客と店長は会話しない、サービスもしない、それで社会復帰できたと言えるのか(しかも不味いらしいw)
当然、オファーされた陽平だって断りますがw
実はたまたま、不登校生徒奈々(鈴木梨央)の自殺を止めたことがある陽平。その後もネグレクトで家にに居場所がない奈々と夜に出くわしたり、奈々が焼き鳥屋に現れたり(地名と「焼き鳥 不味い」で検索w) と顔見知りになっていきます。スクールソーシャルワーカーの磯崎(鈴木保奈美)に、中途半端に関わるなと釘を刺されて距離を置こうとする陽平でしたが……。
11年引きこもり続けて死にたかった、死のうとした、でも今生きている陽平にとって、同様の痛みに苦しんでいる少女を無視して口をきかないでいるなんてできないでしょう!
最期の挨拶をしにきた奈々を追い「生きよう!」とだけ説得する陽平。
……案外、不登校クラスの教師、向いているのかな??
覇気も笑いもない珍しい佐藤二朗が見られます。
知人に騙され借金を負ったことからの人間不信、自己嫌悪。更に妻や娘にあたり散らし別れる羽目になった絶望。小さかった娘さんが、今はもう大人なんでしょうけれどずっと会っていません(涙)
娘さんのものだった煤けたぬいぐるみが店に置いてあって、無言で客に抱かせてくるの和みます。それが奈々の大事な品と同じキャラだったり。好きな曲も同じだったり。そんなことから距離が縮まり、奈々がやっと笑顔になるのはいい場面でした。ただ、非常勤講師といえど「先生」になっても同じ関係でいられるのかな。いやその前に、きちんと通えるんでしょうか、先生もw
「無理しないで、辛かったら帰ってきていいから」
と、もう中年の息子陽平を送り出す老母(白石加代子)の気持ちを考えるとまた辛いです。陽平が娘さんと会える日は来るのかな。
不登校クラスSTEP所属の生徒は菜々だけじゃなくて。がんばれ、とも言いづらい彼らの明日はどっちだ。STEPルーム担当教員深野(佐久間由衣)の一番の仕事は、誰も死なせないこと、ですよ……。
ちょうど田村正和追悼で「総理と呼ばないで」を見返していたところにきた鈴木保奈美!教育委員会の嫌な感じの視察員に室井滋。