ドラマでポン

2004年4月に始めたブログ、いつの間にやら15年を超えびっくりです
相も変わらずドラマとインパルス板倉&西村まさ彦推しのじゃすみんをよろしく!

ドラマの☆は最高が5つ。
好き勝手な覚え書きですがお楽しみいただけたら幸いです(^^)

透明なゆりかご

「透明なゆりかご」~最終回 ☆☆☆☆

長く生きられる見通しのない子を、それでも産んで夫婦(鈴木杏、金井勇太)で見送る。もう涙、涙しかありませんでしょう……orz

胎内にいる間は問題ないのにね。心臓の異常で、手術する体力も見込めない我が子。ずっと生まれないでいてくれたらいいのに……って、ああ、駄目、書いていてまた涙が。
その夫婦に、いい病院だよと紹介したのが産後すぐに妻を亡くして暴れた、あの旦那さんだったことにも胸をうたれました。美月ちゃんもう一歳になるのねえ。そして、亡くなると分かっている子の誕生を祝って会いに来てくれる友人親子が、何一つ欠けず幸せいっぱい家族では辛すぎますから……。奥さんを亡くしているこの人だったことは救いだったのかも。

その前の回は、小学生への常習性的虐待。
母の再婚を壊すまいと言えなかった。辛い許せない胸糞悪い話ですが実際にあるわけで。産婦人科ってそんな役割もあるのだと改めて思いました。

他の妊産婦や家族と接触しないように、と気をつかっての診察。特に普段から不用意なアオイは関わるなと念をおされますが、実は元から仲良しだったアオイとの接触が、被害者の言葉が戻るきっかけになる展開も無理なく見ていられました。

14歳で妊娠した、明らかに男に騙されてる呑気な子が診察室で親子ゲンカを繰り広げたり。10年後挨拶に来るのはいいけど、息子(とアオイ)は由比先生を父親だと思ってたりw 看護婦だって妊娠したり(その旦那がおバカさんだったりw) 深刻なのに笑えることも。 自分で堕胎を決めたのに、産める女が憎くて突き飛ばす事件や、育てにくいアオイに悩んできた母とのすれ違いなど、理屈じゃない難しさも。どの話も見応えがありました。
特に旦那は、毎回手放しで絶賛。命と性を考える教材に全ての子に見せるべきだと息巻いております。私も概ね賛成(全ての子に加えて成人男性にも見てほしいですよ)w

ヒロインの発達障害も、応対に難があったりしつつ職業適性にはプラスな感じでしたよねw 
他人の気持ちが分からない、という自覚からむしろ奢ることなく『知りたい』『教えてほしい』と語りかけることが打開策になるの素晴らしかったです。それに、堕胎するべきか悩む妊婦と鉢合わせた時、手元の容器を(相手はそれが何か分からないのに)とっさに隠す、その気遣いにもアオイの成長が描かれていたと思います。

ところで、美しい由比先生の元妻(原田夏希)も美しかったですね。 このドラマの唯一の問題が、由比先生が映るたびに美しすぎてこの先生に内診はされたくないなとか、行くなと妬く夫が出るんじゃないかと、要らないことを考えてしまうところでした(^^;;;;) 正直産婦人科の先生は、男性なら顔なんて思い出せないぐらいの主張のないおじさんにしておいてほしいものですw


「透明なゆりかご」3、4 ☆☆☆☆

我が子を抱けぬまま逝った夫と、出産直後の急変から戻らなかった妻。避けられなかった悲しい死と、遺された配偶者と嬰児と。

3話では、不機嫌な妊婦安部(田畑智子)がアオイの何気ない励ましの言葉や、ささいなミスを責めて立てます。萎縮して益々ミスを連発するアオイ(検尿のコップ落とすとか嫌だー)
看護学校の研修で産院を離れ、老人病棟では誰も怒鳴らないとホッとしているとそこに、安部さんの姿が。旦那さんは、盲腸手術後から意識が戻らないまま入院中だったのです。

以来、邪険にされても食らいついていく様になるアオイ(^^;;;)

危篤のご主人に子供を合わせたい、と早すぎる分娩を望む安部さんを説得する由比先生。正常出産までなんとか永らえた旦那さんと赤ちゃんが対面を果たす時、瀕死のはずの旦那さんの目から一筋の涙が溢れるのでした。

4話では、サータアンダギー差入れ妊婦の真知子(マイコ)が出産。ずーっとラブラブしていた旦那(葉山奨之)も立ち会いで無事な出産を喜んで、いたって普通の分娩だったのに。出血は止まらず、意識は低下。いち早く搬送を手配し大学病院に送られ手術になるも……帰らぬ人に。出産ってそういうことがままあるんでしょうね。
夫の大暴れと母体死亡の影響で閑古鳥がなく由比クリニック。訴えると言われても、誰も悪くない。母体死亡は医師だって看護師だって悔しくて、二度と起こさない様にカンファレンスが行われ、由比クリニックでも対応マニュアルが作られるわけですが……だからって奥さんの死は諦めきれるものじゃありませんよね。
外で旦那さんに遭遇するアオイ。美月と命名された赤ちゃんを、一人で育て疲れ果てている旦那さんは、もう訴訟する気力もないそうです。帰宅後、美月ちゃんの泣く声に自殺を思いとどまる……のではなく。ミルクあげてから死のう、となる思考は傍目からは愉快でしたがw ミルクを作ろうとすれば湯沸かしに『冷水で冷ましてね』 布団に一緒に転がれば『添い寝は危険!』 その他家中に『無理しないでね』『泣いていいんだよ』と、亡き妻が残した大量のメッセージが、あまりにタイムリーに目に入る様子はもう半分旦那さんの夢なんじゃないかと思ったり。それとも奥さんは、実家にも頼れずに子育てするだろう未来の自分のためにあらかじめメモを張り巡らせていたんでしょうか。役にたちましたよ、それ。二人で育てているんですね……(涙)

どちらも涙なしには見られないエピソードでした。

そしてアオイの行動が、いいさじ加減に妙。不機嫌な安部さんがいくら怖くたって、萎縮もしすぎなら隠れ方もやりすぎでしょ。なぜ怒るのか、知りたいとは周囲に漏らしますが、いざ旦那さんの事情を知ったら知ったで、距離近すぎですよ(^^;;;;) そして、脳死の夫にも赤ん坊の声は聞こえるのかと問われると、戸惑いながらも

『聞こえません』

と教科書通りのお返事。そ、そこは『きっと聞こえますよ』と言ってあげるところでしょーと視聴者動揺しますが。あまりの嘘のなさに安部さんは苦笑して許してくれるのでした。

真知子さんの夫にも、悪気なくとんでもないものを手渡します。
出産直前、はしゃぎながら産院の壁を塗った日の旦那さんの注意書き&真知子さんのメモ。捨てずにとっておいた気持ちは素敵ですが、乳飲み子を抱えて、妻の死から立ち直ってない人に今見せるもんじゃないと、居合わせたアオイ母(酒井若菜)が顔をしかめますが、アオイは平然とメモを褒めるばかり。そこで泣いて同情するより、結果として旦那さんを救ったかもしれませんが……。

世間的には、大出血にショックを受けて辞めると言い出す看護婦さんや、『自分の子を産むのが怖い』とごちる沙也子先輩(水川あさみ)の方が共感力が高いと評されるのでは。器用に生きられず、世界は謎に満ちているアオイは今日も、瓶に入ったご遺体や、生まれてくる赤ん坊を前に
『命ってなんだろう』
と問いかけ続けるのでした。


「透明なゆりかご」2 ☆☆☆

自宅出産直後に自転車!前かごに嬰児!!
イタタタ…そりゃ予後が良くないわけです。産声をあげなかった赤ちゃん、もしかしてこの振動で息を吹き返したのでは……(^^;;;)

産院前に紙袋で置き去りにされていたのは、生まれたての赤ちゃん!とりあえず『しずか』ちゃんとアオイ(清原果耶)が命名し、世話する間に情が湧いてきてお母さん気取り。2週間後に、家族に連れられやってきた本当の母親(蒔田彩珠)が同じ女子高生と知り、しかも愛情も興味もない振る舞いに憤るのですが……。
思わず飛び出し、『しずか』ちゃんが妹として特別養子に引き取られた、その女子高生の家に向かいながら。案外遠いこと、途中で捨てられる場所なんかいくらでもあったことが流石のアオイにすら分かっていく場面ホッとしました。生きていて欲しかったから、遠い産院まで来たんだよね。
『望んでなくても、あの子は8ヶ月近くお腹の中でこの子を育ててきた。あなたはせいぜい2週間でしょ?』
と言い聞かせる先輩ナース(水川あさみ)も良かったです。
(しかし、大きな戸建の家。上品な両親。風呂場で産み落としてる、まさにその時にも母親在宅で声かけてるのに娘の出産に、てか臨月にも気づかず、相談もできなかったってそんな)

そして平岩紙は、芸名の由来にもなった色白を生かした持病持ち妊婦で蒼白。いろいろ悪化の可能性も指摘されつつ、妊娠を継続し……失明してしまった様ですが。透析はどうなったんでしょう。支える夫や義母に何かあったり、最悪生まれて来られない子だったらとか、授かった子に会いたい気持ちは分かりつつも、これ美談にしていいのかちょっと不安(^^;;;) 同じ状況で、産みたくない人が責められません様に。 

もう一人ザ・幸せな妊婦真知子(マイコ)が、誕生を楽しみにする夫と共にいつも幸せそうで、事情のある人たちの背景として描かれると対比で余計に可哀想に(^^;;;;) それともこの先、サータアンダギー妊婦に何か降りかかるんでしょうか。いやーん。
そして車の前に飛び出すアオイちゃん。妊婦の乗る車に急ブレーキ掛けさせちゃダメ!
命名に気を取られて、他の指示が聞こえない。作業中に肩を叩かれ、驚きすぎて周囲を驚かせる。そんな発達障害描写の一環の描写でしょうが、アレはお腹大丈夫だったか心配になりました(^^;;;;)
そしてJKの住所を知っていたのは、作中に描写なかったけどカルテ見たんでしょうねえ。それもダメ(^^;;;) 


「透明なゆりかご」1 ☆☆☆

原作既読。
看護科高校生アオイが、産婦人科でバイトし様々な人生の岐路に立ち会うのみならず、堕胎後の元胎児の処理までしちゃうという大変なお話で、ソース作者の実体験だとか(^^;;;)

原作のあのざっつい絵柄は、逆に作品をファンタジーにしていて細かいことは気にならないんですよね。実写ドラマになったらいろいろ印象違いましたw イケメン院長(瀬戸康史)が、妊婦の股間に頭突っ込んで処置って、産婦人科で何もおかしいことじゃないんですが。スタッフ大勢の大病院と違って、個人病院は生活感があるせいなのかも。
そして本職ナースでも神経やられる堕胎の補佐を、初日から引き受けちゃうアオイ。元胎児を凝視はするものの、泣きも失神もせず、専用ケースに液体と充填した後は『案外きれい』と陽にすかして鑑賞する肝の据わりっぷり。これが、初日から遅刻した理由『つい蝉を見てた』と相まって、原作者自身が公言している発達障害を裏付けるのかもしれませんが……。職場としては当たり引いたのではw
それ以外では、妊婦の体調も気遣えるし、「男の子が欲しかった」と言っていたから、と元胎児のラベルに「男」と書いてみたり。優しい子です。

未受診妊婦(安藤玉恵)が、不倫の子を出産。
直後に逃げたかと思ったら、不倫相手を連れてきて大騒ぎ。結局男には逃げられて、知らない、興味ないと世話も授乳もせずに赤ん坊はほったらかしに。ミルク係だったアオイは「(どうでも)いい」という母親の返事を誤解し、赤ん坊を連れてくるのですが……。不細工、と顔でもつつこうとした指をきゅうっと握られて、母性が芽生えていく。本当はそれ、ただの反射で誰でもなんでも掴むってだけ、とアオイも知っていたのに
『こんな私でも必要なの』
と喜んでるお母さんを前に、反射ですとか言わずに黙っていられたじゃないですか。満点です。

昨日は二人、今日は三人と堕胎後の元胎児を連日引き受けていく業者。日本人の死因のトップは、堕胎だよと嘯くイケメン医師。そ、そうなんですか?
そして笑顔で退院したものの、一ヶ月検診に来なかった母子。
授乳中の事故で死亡……という報道が本当なのか、故意にどうにかしちゃったのか。それは病院では知る由もないことですよね。それでも毎日生まれてくる、命ってなんだろうと海を見つめるアオイに届く答えはあるのか。

普通と少し違う娘に、苦労していそうなアオイ母(酒井若菜)の様子も気がかりです。

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