実在の女剣士、中澤琴を黒木メイサが演じる一代記。
ゴロツキ退治に街中で、刀を抜いて大立ち回り。それを沖田総司が見守り、龍馬(加藤雅也)と知り合うという豪華な導入でした。龍馬曰く、真の剣士は命を惜しみ敵に逃げ道を作り、引き際を知っているのだと。負けたくなかったら弱くなれ、と助言をされるのですが、それが出来ない気性の琴は動乱に真正面から挑んでいってしまうのです。
メイサのキリッとした顔立ちはなるほど男装の剣士にぴったり。大男の背に駆け上り首をしめるなど体術も含め殺陣も頑張っていて、一番の見所は芸者姿でお座敷での立ち回り、美しかったです(^^) 刃に陽光を反射させ敵の目をくらませるという法神流奥義も面白いじゃないですか。なのにワイヤーアクションは宙づり丸出しでねえ……。仇役相馬要蔵(袴田吉彦)の片目が青かったりする様に、時代劇っぽくなくしたかったんでしょうか。
琴を江戸まで追い新徴組に入隊までした婚約者源五郎(吉沢悠)が、農民らしく腰低く聞き回ることで情報を集めるに長け、案外重宝されていて可愛らしかったです。でも戦いに向かない彼は戦場に散ってしまいました(ちょっとオスカルとアンドレを彷彿w)
西村雅彦の役どころは、攘夷の志士清河八郎……だったのは「竜馬におまかせ!」w
今回は養父として琴に法神流剣法を教えた中澤孫右衛門です。子供時代の琴は父に褒められたい一心で稽古に励んだそうで、兄を負かした琴と孫右衛門がニヤッと笑みを交わしあう場面は、子役がメイサ似のキリッと美人なこともありなかなか印象的でありました。また法神流の極意を「人を知り、世間を知り、命を知ること」と語る力強さも必見です(^^)
琴が「剣とは生きること」と悟り兄(筒井道隆)と帰郷して以降は、昭和まで里に生きたそうで冒頭と巻末で黒木メイサが足跡を訪ね墓参りをしていました。スペシャルでささっと流すには惜しい人物でしたね。