「私を離さないで……!」
タイトルは美和の、「提供」に連れて行かれる「天使」の絶叫だったのですね。
伸ばされた手を握りしめ「あなたは尊いことをしている」と呼びかける恭子。そして知るのです。ふるさと陽光は正しいことをしていたのだと。
うわー。
美和が別でお世話をしていたメガネの青年は、また提供から戻ってきていました。なんだあれが最後じゃなかったんだ。「いい話が聞けて良かった」なんて言って出て行くから、なんと迷いもなく死にに行くのだと驚いていたのに。嫌だと暴れて、怖いと泣いていく美和に安堵しつつ、それを平気で切り刻んで利用する社会に改めて戦慄します。
トモと美和と恭子、3人の陽光里帰りは警備に見つかって終わりました。捕まったから逆に中に入れたわけですが、妙に無表情な子供達。懐かしの音楽室でも、TVゲームを囲む子供達は楽しそうでもなく。噂に聞く陽光以外の施設の、授業もなく放置された姿がこれなのでしょう。
極め付けは、バンに乗り込み「外」に連れ出される子供達。あの年齢でもう提供に……?しかも、中のひとりは幼い頃の恭子に瓜二つ。ほらいた、同じ遺伝型のクローンが(いちおう、同年代に何人もいないようにずらして生産するんでしょうか)駆け寄って声をかけるも、返事どころか無反応に連れ去られ……陽光での何も知らない子供時代が、なんと無邪気に豊かだったかと改めて思い知らされるのでした。
宝箱を持たせる、そんな指導もその一つですよね(中でカエル飼ってた子もいるのかーw)
陽光には何かある、と龍子先生も以前もらしていた秘密。来週はそこに迫れるのでしょうか。絵を描いて送るとどうなるというのでしょうか。
介護者時代、陽光理事長の居場所を探したのだと住所のメモを差し出す美和。
トモと恭子にはそこに行き、自分が奪った『二人の時間』を取り戻して欲しいのだと。お前がどのツラ下げて言うか?って憤りも感じますが、そこはほら、もう死が目前だから以前に美和だから……(^^;;;)
(理事長にあったら、このわけのわからない、クローンを利用して平然としている社会の成り立ちがわかるのでしょうか。そこばっかり気になってしまいます)
盗んでたCDの曲「Don’t let me go(私を離さないで)」を恭子のいる前で口ずさむ強心臓もすごいよね。「謝ったでしょ~」じゃないよw でも文句を言えるようになったし、最後の時は温和に穏やかに過ぎていき、悲しいほどに幸せで。
『提供終了』後、ゴミからみつかる美和の造形作品(分別ができてないと戻され「美和…」と呆れられる、その人がもういない虚しさよ!)恋人握りにされた手と手は、あの外出から戻る時のトモと恭子の手……。「みちゃった」と口にされるよりも雄弁に、芸術は真実を告げるのでした。
そしてそれは、絵を描くようになったトモも同じで。一つ布団でささやきあう少女たちの姿は、ひとりが失われても美しい記憶に永遠に……。
え、待って。視聴者は何度も見た場面だけど、女子部屋だからトモは見てなくない?