ドラマでポン

2004年4月に始めたブログ、いつの間にやら15年を超えびっくりです
相も変わらずドラマとインパルス板倉&西村まさ彦推しのじゃすみんをよろしく!

ドラマの☆は最高が5つ。
好き勝手な覚え書きですがお楽しみいただけたら幸いです(^^)

清原果耶

「霊媒探偵・城塚翡翠」〜最終回☆☆☆

 そう来たか!笑

 ミステリの最終回といえば、犯人当て。
しかもどんでん返しが大宣伝されてしまうってことは、犯人らしく描かれた人はそうじゃない訳じゃん!となるジレンマよ。
 ところがこの最終回の肝はそこじゃなかった〜!

「私の予言は、絶対です」
と何度も、自らの死を予告してきた翡翠(清原果耶)   そしてついに! その予言の死を実現すべく牙をむいた犯人『透明な悪魔』に対峙した翡翠ときたら…大爆笑?
霊媒なんて嘘っぱち〜だそうですよ?はあ?
初回から丁寧に、霊はいる、翡翠には分かる、霊が翡翠に教えてくれる…と繰り返して来たのに? 段々とそれを信じた犯人と一緒に、そりゃ視聴者だって騙されて信じますよ!てか視聴者はそこは疑わないよドラマなんだもん、タイトルだって霊媒探偵なんだもんorz

 てなわけで、戸惑う真犯人に霊能力抜きの「推理」を畳み掛ける翡翠さん。初回の割れたガラスも、作家殺人の血痕の理由も、女子高生連続殺人の犯人も、どれもこれも秒で全て見抜いたと胸を張ります!でもそれってラノベにはよくいるパーフェクトヒューマンで、このタイミングで後出しジャンケンな謎解きをされてもなあ。初回からこんな
「ぼっち?この美しい私がw」
と嘲笑う翡翠さんだったら2話以降見てないはずなので複雑〜、でも初回の遺体発見時に、誰も慌てず騒がずねと書いた自分の感想がある意味正解だったことはちと嬉しかったですかね。

あと、真犯人にとっては死後の世界や降霊が現実であってほしかった、という悲しい過去は成程ではありましたが…やっぱり後出し強めでは。

 まだ連ドラとしては期間半分。第6週からは、小芝風花秘書の存在強め霊は営業道具な「霊媒探偵」として続編というかB面が続くそうですよ。そこも新機軸! 楽しみです。

 

 

「霊媒探偵・城塚翡翠」1☆☆

 全編ローテンション↓↓↓

 推理小説家の香月(瀬戸康史)は、後輩結花(田辺桃子)の霊を降ろした霊媒師翡翠(清原果耶)の断片的な言葉から殺人犯を導き出す。

 かがみ込んで何か探していた、犯人は女…… 

 ハッタリ無し、淡々と分かることだけを告げる霊媒師ってドラマでは結構レアでしょうが、あのキラキラ笑顔を封印し真顔でボソボソつぶやき続ける瀬戸康史もなかなか珍しいのでは。訪ねた相手が死んでいても、かなり冷静です。

 いろいろ『見えて』いる翡翠。絡んでくる輩には「水子がいる」「女性に暴力を?最低…」と忌憚なく言っちゃいますが、普段は変な人だと思われない様に抑え気味。そのせいで、凶兆を分かっていたのに救えなかったと、結花の死に責任を感じて香月の調査に協力します。
死者が、死の直前に見た光景や考えていたこと。翡翠に見えるそれらが断片的なだけでなく、穏やかな死でない場合同調した翡翠も取り乱すので、1人ではどうにもなりません。でも、普段から警察に捜査協力までする香月なら読み解いてくれる。今回ならば、犯人が探していたのは眼鏡のかけら。拾いきれずに逃げた犯人は、香月も知る結花の友人だった……。

 そんなふうに毎回の事件の謎を解きながら、最後には連続猟奇殺人事件を解決するのでしょう。
 髪の長い若い女の子ばかりを狙う事件……なんと翡翠は、自分が狙われ殺される未来を予見している⁉︎
その事件捜査に香月を伴い、推理を頼っているのは捜査一課の鐘場警部(及川光博)   部下の雨野刑事(田中道子)がはっきりそれを嫌がっているのも珍しいかも。

 ちなみに、霊媒師として仕事中の翡翠はアシスタント嬢(小芝風花)の勧めでそれらしく振る舞い、オフの時とは違うそうですが…。ごめん、あんまり差が分からなかったわw  ああ、ここの笑ってない小芝風花も珍しかったです。
 

「俺の話は長い」~最終回 ☆☆☆

 緻密な脚本、手練れの演技合戦。
見れば絶対面白いんです。分かってるんです。なのに溜めてしまうのは…毎回絶対ある口喧嘩が辛いのか。我が家にも26才無職がいたからなのか(^^;;;;;;) ちなみにうちの無職も昨日から2年ぶりに仕事に行きだして、晴れ晴れと録画を消化しましたw

 灰色スエットは無職の制服か??
光司(安田顕)さんも会社を辞めてしまい、いい大人が2人、昼間っからゴロゴロ居間に転がってる図は確かにきついw でもそこに、満くんと一緒に食べる昼食も最後…のセリフがついたら途端に感傷的にさせられるんだから、もうずるいですよね。本人は寝っ転がってみかん食べてるくせにw

 もうずーっとずーっと、何の仕事なら出来るの?嫌じゃないことって何?と周囲に気を揉ませていた満(生田斗真)でしたが、コーヒー屋再建でもなく実家のポラリス継ぐでなく、もちろん会社員でもなく。議員秘書かーw 光司さんがお断りされたお仕事を、屁理屈でクソ生意気な満なら向いているとされる皮肉がたまりませんでしたよ。なのに、その千載一遇のチャンスすら
「向こうから来い」
と、出前をしないラーメン屋に例える満orz  でもね、時代は突然変わる。突然昨日から出前始めていたり、するんですよ!さあ満も行け!

 新調したスーツで、面接へと向かう道を遮るマラソン大会。
参加者が皆スエット等で、雪の日のハーフマラソンですらそんな厚着のランナー見たことないけどまあエキストラさん寒いと可哀想だからね、という御託はともかく。この邪魔で満が面接に行かず帰ってしまうのかとハラハラしましたよw  そこは逆に、高台の橋を渡ることで沿道で応援していた姉一家やご近所さんに見つかりw ランナーを応援するふりで、実は満に熱い応援が降り注がれるという名場面が出来上がりました!光司さんは応援演奏!元カノも丁度通ったよ!そういえば彼女ランナーだったのもこの為なのね。いちいち脚本が上手いんだ。
 ラストは面接に応じる満でしたが、あの尊大さで受かるんでしょうか(^^;;;;)  
それでも、とにかく「やれ」w
出来ない言い訳をまくしたてるより「やれ」、納得のメッセージでした。

 春海ちゃん(清原果耶)も「ラジオパーソナリティになりたい」から高校行かないと言いだして周囲を焦らせますが(揚げたてのトンカツは、食べてからで良かったんじゃない??)とりあえずは普通に高校に行って社会経験を積むことに。これも実際、議員秘書と一緒で何がどうやったら採用か雲をつかむようでピンと来ない部分があるのですが、来たお手紙読むことだけ考えても、一般教養なかったら話にならないですもんね(お前が中卒じゃ、ゲストのヤンチャ話が霞む!という満の助言好きw)
そして光司さんが、将来タクシー運転手になりたいなと言うのも仕事しながら春海の声を聞くためって、くぅぅいい話。

 改築のために居候して三ヶ月。姉(小池栄子)一家のすれ違いや綻びは、すべて修復されてめでたしめでたし!

すき焼きに始まりすき焼きで終わらせる。送別会がバーベキューで、行かなかった満以外はもう肉は結構状態なのに、それでも絶対すき焼きで締めるべき!この屁理屈にかける情熱には脱帽でしたw そして案外、食べれば入るらしいですよ。

 そして騒動が去ったポラリスに残った、母(原田美枝子)と牧本さん(西村まさ彦) 満がいないと唯一困る墓参り、ついに牧本さんの車で行ってくれるらしいですよ!古本屋が若葉マークだなんて、これまで仕入れや引き取りはどうしていたのとツッコミつつ。大団円なのでした。
 続編めっちゃ希望です…!

 春海の合格祝い食事会や、来年久しぶりにお年玉くれる満おじさんって感じの15分でいいので! 

「俺の話は長い」~5 ☆☆☆

 いや本当に長いよ、満(生田斗真)の御託w
同居を始めて喧嘩が絶えない姉綾子(小池栄子)や、仲裁する母房枝(原田美枝子)が顎が痛むのは、喋る時間が激増したから疑惑、さもありなんです。

 父の月命日の外食でもやっぱり口喧嘩。墓参り経費のちょろまかし非難に始まって、じゃあ墓参りに来い、見舞いに来なかったくせにともう延々と喧嘩なんですよ。せっかくのお父さんが好きだった料理が不味くなるじゃんかーと、げんなり(言い争い場面苦手です)見ていたらまさかの姉が泣き始め、流れるように喧嘩からしみじみ思い出話に転がり込んでいくのです。脚本もすごければ、その期待にがっつり応えている役者さんたちもすごいです。

 険悪ムードが突然終わるのは、美人オーナーとの会話もそうですね。
犬の散歩バイトを頼んでいたオーナーさん(倉科カナ)、帰国して冷蔵庫が空っぽだと満に頼んだ買い物が大量だわ場所も離れてるわ、お駄賃程度でさせる範疇を超えすぎw 後から「一緒に食べるつもりで」と言われたって知りませんがな。まして、満の言葉尻を捉えて「じゃあバイト代要らないの?」ってバカにしてんのかと。もう満は不機嫌丸出し、それでも議論大好きで黙りこまないから会話続いてるだけなので、ホント無理もう帰るってところで
「誕生日なの!」
と言われちゃったら、そ、それは無敵でずるい…。一方の家族は届かない牡蠣と満を待ちぼうけ、牡蠣鍋が冷凍鶏肉鍋になっちゃて食べ物の恨みは怖いのでしたw

 リクルートに来た、元バックパッカー現在社員で結婚も控えてます!な青年(間宮祥太朗)の説伏も見事でしたー! 彼の幸せアピールを、中退が無駄、具体性がない、周囲と比べて不安になっただけ、と論破してしまう満w  そのくせ涙目の彼が
「僕、会社を辞めます!」
と言い出すと冗談だよーと誤魔化すんですよw  満の反論って、議論のための議論。ムカッとしたらやり返すだけで、自分の現在が正しくて皆にもそうしろと布教するつもりなんてないんですから。

 無職にも才能がいる。都内に実家がある才能、寂しい母の相手という大義名分もあり働かなくても暮らせる才能w 物は言い様ですよねえ。
 そんな合間にも、姪っ子(清原果耶)は志望校と恋に悩み。相談されない母綾子も悩み。仕事に疲れた夫(安田顕)も悩み。それでも義理の父娘はやっと並んで買い物に行けるようになり。姉と弟は並んで爪を切り/銀杏の殻を割って、思い出話に花を咲かせるのです。
 「フォレスト・ガンプ」は中学生のデートには向かないよねw 長いしベッドシーンあるし~(逆にまだ分からないのかなw)
志望校を誰かのために決めてはダメって、母綾子が説く人生の可能性云々の正論よりも、満の実話「相手が落ちた」が一番効きますねw
 そんなこんな、小ネタてんこ盛りでキリがないです。

 お目当の牧本さん(西村まさ彦)は、房枝の脚立を抑える仲(「阿修羅のごとく」を思い出してしまいました…。脚立のふくらはぎに欲情して押し倒すアレw)
房枝と同じスポーツ吹き矢に入門し、お仲間(長谷川初範)が店に来れば常連です特別ですと真っ向から喧嘩を売り、肝心の房枝には笑顔でいなされてしまうという不憫~。結構本気そうなのに、満くん、再婚を家庭内の冗談にはしないであげて~。

「俺の話は長い」1 ☆☆☆☆

 家を建て替える間の3ヶ月間、姉一家が同居。
こんな分かりやすい連ドラタイマーは久しぶりですw  そもそも主人公岸辺満(生田斗真)からして起業に失敗して6年ニート。問題しかない家族が、どう変わっていくのかいかないのか?
 生田斗真と小池栄子の毒舌合戦に、原田美枝子の柔、安田顕の陰なツッコミが素晴らしく、そこに混じって一歩も引かない清原果耶もまた、淡々と素晴らしかったです。恐ろしい子…!


 というわけで、激烈言い争いドラマw 面白いのですが、疲れますねえ。30分×2話、1話で同居相談して2話で引越しとサクサク進んで、決して家族仲は悪くないのですがその分、後腐れのない姉弟喧嘩がループw  すき焼きでも引越し祝いの寿司でも、一家団欒では大体喧嘩してますもん(^^;;)
その喧嘩の元がいちいち、しょーもないんです。

 肉の食べ方として、すき焼きは妥当か。

 いや、美味しいじゃん!

高級肉買って訪ねてきた姉綾子(小池栄子)もすき焼き好きなら、難しいお年頃の姪春海(清原果耶)だってチャリで小一時間かけてすき焼き食べに来るぐらい、すき焼き大好き!義兄(安田顕)も母房枝(原田美枝子)ももちろん賛成。そんな中、ただ1人満だけが、焼くだけで美味い肉を手間かけてマズくしている、卵も要らんと難癖つけまくり。しかも、それを姉も母もよく知っているはずだから嫌がらせだー!ってorz
子供か!
同居のお願いのためのご馳走なら、俺の好物を準備すべき。と上から目線の満なのですが…、いや、生活費も入れない小遣い暮らしの無職野郎w キミが家を出る選択肢だってあるんだよ?

 家に大量に残る専門器具。毎朝母に淹れる一杯の珈琲。
満が自分好みの珈琲店を開いて、客が入らずに潰した模様です。当時の事情やら気持ちやら、これからのことやら、段々に語られていくのでしょうか。

きっつい姉は、旦那光司をすっかり尻に敷いているのみならず。元ミュージシャンだった彼の楽器を全部売り飛ばさせたとか。マウントですねえ。今月ずっと不登校という春海も、父親との思い出の品を捨てられたと物言い。姉にとっては別れた夫でも娘にしたら一生父親なのにモラハラだわ……。特にまだ再婚相手光司に馴染めずにいますしね。この辺の事情を、姉の経歴としてでなく、姪の不登校がらみで
『苗字が二度も変わったからじゃない?』
と、満が語るくだり大好きです。小学校に上がる時に片岡→岸辺、再婚で中学から岸辺→秋葉 。しかもそれで「秋」葉「春」海だよ?とw 会話として自然な上に、間隔まで分かりやすくて感激しましたよw つまり、もう受験生になるという春海と光司の不仲な家族生活は、満2年てことね? 

満と春海での近所へのおつかいも、光司が加わるなら春海は抜ける始末w いろいろ難しいお年頃ですよね。

 でもそんな春海ちゃんも、働かない満との売り言葉買い言葉で「明日から学校に行く」そうですよ。いつか原因には対処はしなくちゃとして、同居がとりあえず良い方向に行ったようです(^^)

 その家の横で、母房枝は喫茶店ポラリスを営んでおります。
満は絶対継がないと馬鹿にしている普通の喫茶店。でも美人ママが目当ての常連さんは結構いまして。古本屋主人牧村(西村まさ彦)もその1人。特に彼は、満がまた働き始めて自立さえすれば、未亡人房枝が自分と再婚を望むはずと夢を見ているようですよ~。その辺のドタバタもずっと続くんでしょうねえ。

 15年ぶりに食べたすき焼き、あれ程クサしてたのに…びっくり美味かった! と春海にだけは臆面もなく語る満。ってことは、ダサいポラリスだってやってみたら案外楽しいかもね? 



「ポイズンドーター・ホーリーマザー」2、3 ☆☆

 ほーら既婚者だった~。

 しかし、何故それを当事者の娘に隠すのか。
「年齢より幼いの」
などと評価して恋愛沙汰に口をだすけれど、もう27歳だよ? その囲い込みが幼くさせているんじゃん。そして娘が真っ向から反抗をすると(10年遅い)
『分かった、もう絶縁、あなたも二度とこの家に来ないで』
的に逆ギレorz いやいや、お互い対等に相手の意思を尊重するという選択肢を勝手にバッサリ切り捨てるのは、これまた支配じゃん。

 もうずっと『犬でも飼えばいいのに……』と思いながら見ていましたが、なんと途中で犬の代わりを発見w ネグレクト気味の女子中学生と顔見知りになり、弓香の思い出を焼くなと泣く彼女に……庇護欲を感じたのかしらん。親の彼氏に殴られたその子を発見し、通報。もちろん良かれと思って、JCが黙って受け入れればその先も世話を焼き続けたでしょうに、自分と母を引き裂いたと暴れる彼女に拒否されて、やっと、自分が常に正しいわけでも、善意なら常に感謝されるべきでもないことを学ぶのでした。これも遅いけどw 犬を飼ったのでは気づけないことでしたよね。
 このまま亡くならなければ、関係は修復できたのでしょうか。弓香も弓香で、うまくいかないことはなんでも母親のせい!と逃げて生きてきたようで(一度も母に褒められたことない!とは言いがかりでしたw そういえば、彼氏にだって自分から会いに行けばいいのにね)、どっちもどっちだったと、気づく瞬間が訪れなかったのがこの親子の悲劇だったのでは。

なので、
「娘は、あなたみたいな毒娘にしない!」
と言い捨てて去っていく弓香友には、もやもや。確かに弓香もずるずる甘えたけど、母も母だったよ? 弓香母を聖母の様と高評価するような、何かすごいことありました? あの男、既婚でしかも奥さん妊娠中だよって、言ってやらないのと同様に謎です。 しかし、女キャラで一番のクズだったのはこの親友の母(宮崎美子)、来てもいない苦情に備え『あなたが心配』と弓香母を配置換えし、陰口を叩き、なのに葬式では『あなたが殺した』と弓香に詰め寄る、どこに出しても恥ずかしい風見鶏でしたからね。これに比べて、聖母に見えたのかな? 


 続く3話「罪深き女」は、てっきりまた4話で裏から描かれるかと思っていたので1時間の間に真相が解明されてホッとするやらゾッとするやら。こちらはまさしく、あの親にしてあの子あり……。
 上の階に越してきたシングルマザー(水崎綾女)が色キチと思い込む母(坂井真紀)も母なら、その息子は虐待されていて可哀想で自分を慕っていると思い込んでいる娘も娘。 母がシングルマザーに切りつければ、娘幸奈(清原果耶)もその子供正幸を……でなく、束縛する実母の方を殺そうと火をつけてしまうとはorz しかも彼女の中では、その提案をしたのは自分を慕う正幸少年ってことになってるーorz そして互いに不幸にも母を亡くし、図らずも引き裂かれ、奇跡の再会を果たしたその日に、正幸くん(高橋優斗)が殺人を犯しただなんて
『悪いのは、全部私なんです……!』
と警察に駆け込んで、少女時代から綿々と続く妄想を語りに語るわけですが、なんと彼は幸奈を覚えておらず、もちろん当時も慕ってなんかおらず、虐待どころか可愛がられて本当に幸せに暮らしていたのにそれを階下のババアが怒鳴り込んできてはめちゃめちゃにしやがったわけで。ああ。

 あの、異音というかうっふん音を発する洗濯機……Twitterで回ってTVでも紹介されてたアレを、湊かなえもどこかで見たに違いありませんよ。私たちはただ笑ったけれど、湊かなえにかかったらこんな悲劇になってしまうんですねえ。

 エンディングの唄がキモイです。

「透明なゆりかご」~最終回 ☆☆☆☆

長く生きられる見通しのない子を、それでも産んで夫婦(鈴木杏、金井勇太)で見送る。もう涙、涙しかありませんでしょう……orz

胎内にいる間は問題ないのにね。心臓の異常で、手術する体力も見込めない我が子。ずっと生まれないでいてくれたらいいのに……って、ああ、駄目、書いていてまた涙が。
その夫婦に、いい病院だよと紹介したのが産後すぐに妻を亡くして暴れた、あの旦那さんだったことにも胸をうたれました。美月ちゃんもう一歳になるのねえ。そして、亡くなると分かっている子の誕生を祝って会いに来てくれる友人親子が、何一つ欠けず幸せいっぱい家族では辛すぎますから……。奥さんを亡くしているこの人だったことは救いだったのかも。

その前の回は、小学生への常習性的虐待。
母の再婚を壊すまいと言えなかった。辛い許せない胸糞悪い話ですが実際にあるわけで。産婦人科ってそんな役割もあるのだと改めて思いました。

他の妊産婦や家族と接触しないように、と気をつかっての診察。特に普段から不用意なアオイは関わるなと念をおされますが、実は元から仲良しだったアオイとの接触が、被害者の言葉が戻るきっかけになる展開も無理なく見ていられました。

14歳で妊娠した、明らかに男に騙されてる呑気な子が診察室で親子ゲンカを繰り広げたり。10年後挨拶に来るのはいいけど、息子(とアオイ)は由比先生を父親だと思ってたりw 看護婦だって妊娠したり(その旦那がおバカさんだったりw) 深刻なのに笑えることも。 自分で堕胎を決めたのに、産める女が憎くて突き飛ばす事件や、育てにくいアオイに悩んできた母とのすれ違いなど、理屈じゃない難しさも。どの話も見応えがありました。
特に旦那は、毎回手放しで絶賛。命と性を考える教材に全ての子に見せるべきだと息巻いております。私も概ね賛成(全ての子に加えて成人男性にも見てほしいですよ)w

ヒロインの発達障害も、応対に難があったりしつつ職業適性にはプラスな感じでしたよねw 
他人の気持ちが分からない、という自覚からむしろ奢ることなく『知りたい』『教えてほしい』と語りかけることが打開策になるの素晴らしかったです。それに、堕胎するべきか悩む妊婦と鉢合わせた時、手元の容器を(相手はそれが何か分からないのに)とっさに隠す、その気遣いにもアオイの成長が描かれていたと思います。

ところで、美しい由比先生の元妻(原田夏希)も美しかったですね。 このドラマの唯一の問題が、由比先生が映るたびに美しすぎてこの先生に内診はされたくないなとか、行くなと妬く夫が出るんじゃないかと、要らないことを考えてしまうところでした(^^;;;;) 正直産婦人科の先生は、男性なら顔なんて思い出せないぐらいの主張のないおじさんにしておいてほしいものですw


「透明なゆりかご」3、4 ☆☆☆☆

我が子を抱けぬまま逝った夫と、出産直後の急変から戻らなかった妻。避けられなかった悲しい死と、遺された配偶者と嬰児と。

3話では、不機嫌な妊婦安部(田畑智子)がアオイの何気ない励ましの言葉や、ささいなミスを責めて立てます。萎縮して益々ミスを連発するアオイ(検尿のコップ落とすとか嫌だー)
看護学校の研修で産院を離れ、老人病棟では誰も怒鳴らないとホッとしているとそこに、安部さんの姿が。旦那さんは、盲腸手術後から意識が戻らないまま入院中だったのです。

以来、邪険にされても食らいついていく様になるアオイ(^^;;;)

危篤のご主人に子供を合わせたい、と早すぎる分娩を望む安部さんを説得する由比先生。正常出産までなんとか永らえた旦那さんと赤ちゃんが対面を果たす時、瀕死のはずの旦那さんの目から一筋の涙が溢れるのでした。

4話では、サータアンダギー差入れ妊婦の真知子(マイコ)が出産。ずーっとラブラブしていた旦那(葉山奨之)も立ち会いで無事な出産を喜んで、いたって普通の分娩だったのに。出血は止まらず、意識は低下。いち早く搬送を手配し大学病院に送られ手術になるも……帰らぬ人に。出産ってそういうことがままあるんでしょうね。
夫の大暴れと母体死亡の影響で閑古鳥がなく由比クリニック。訴えると言われても、誰も悪くない。母体死亡は医師だって看護師だって悔しくて、二度と起こさない様にカンファレンスが行われ、由比クリニックでも対応マニュアルが作られるわけですが……だからって奥さんの死は諦めきれるものじゃありませんよね。
外で旦那さんに遭遇するアオイ。美月と命名された赤ちゃんを、一人で育て疲れ果てている旦那さんは、もう訴訟する気力もないそうです。帰宅後、美月ちゃんの泣く声に自殺を思いとどまる……のではなく。ミルクあげてから死のう、となる思考は傍目からは愉快でしたがw ミルクを作ろうとすれば湯沸かしに『冷水で冷ましてね』 布団に一緒に転がれば『添い寝は危険!』 その他家中に『無理しないでね』『泣いていいんだよ』と、亡き妻が残した大量のメッセージが、あまりにタイムリーに目に入る様子はもう半分旦那さんの夢なんじゃないかと思ったり。それとも奥さんは、実家にも頼れずに子育てするだろう未来の自分のためにあらかじめメモを張り巡らせていたんでしょうか。役にたちましたよ、それ。二人で育てているんですね……(涙)

どちらも涙なしには見られないエピソードでした。

そしてアオイの行動が、いいさじ加減に妙。不機嫌な安部さんがいくら怖くたって、萎縮もしすぎなら隠れ方もやりすぎでしょ。なぜ怒るのか、知りたいとは周囲に漏らしますが、いざ旦那さんの事情を知ったら知ったで、距離近すぎですよ(^^;;;;) そして、脳死の夫にも赤ん坊の声は聞こえるのかと問われると、戸惑いながらも

『聞こえません』

と教科書通りのお返事。そ、そこは『きっと聞こえますよ』と言ってあげるところでしょーと視聴者動揺しますが。あまりの嘘のなさに安部さんは苦笑して許してくれるのでした。

真知子さんの夫にも、悪気なくとんでもないものを手渡します。
出産直前、はしゃぎながら産院の壁を塗った日の旦那さんの注意書き&真知子さんのメモ。捨てずにとっておいた気持ちは素敵ですが、乳飲み子を抱えて、妻の死から立ち直ってない人に今見せるもんじゃないと、居合わせたアオイ母(酒井若菜)が顔をしかめますが、アオイは平然とメモを褒めるばかり。そこで泣いて同情するより、結果として旦那さんを救ったかもしれませんが……。

世間的には、大出血にショックを受けて辞めると言い出す看護婦さんや、『自分の子を産むのが怖い』とごちる沙也子先輩(水川あさみ)の方が共感力が高いと評されるのでは。器用に生きられず、世界は謎に満ちているアオイは今日も、瓶に入ったご遺体や、生まれてくる赤ん坊を前に
『命ってなんだろう』
と問いかけ続けるのでした。


「透明なゆりかご」2 ☆☆☆

自宅出産直後に自転車!前かごに嬰児!!
イタタタ…そりゃ予後が良くないわけです。産声をあげなかった赤ちゃん、もしかしてこの振動で息を吹き返したのでは……(^^;;;)

産院前に紙袋で置き去りにされていたのは、生まれたての赤ちゃん!とりあえず『しずか』ちゃんとアオイ(清原果耶)が命名し、世話する間に情が湧いてきてお母さん気取り。2週間後に、家族に連れられやってきた本当の母親(蒔田彩珠)が同じ女子高生と知り、しかも愛情も興味もない振る舞いに憤るのですが……。
思わず飛び出し、『しずか』ちゃんが妹として特別養子に引き取られた、その女子高生の家に向かいながら。案外遠いこと、途中で捨てられる場所なんかいくらでもあったことが流石のアオイにすら分かっていく場面ホッとしました。生きていて欲しかったから、遠い産院まで来たんだよね。
『望んでなくても、あの子は8ヶ月近くお腹の中でこの子を育ててきた。あなたはせいぜい2週間でしょ?』
と言い聞かせる先輩ナース(水川あさみ)も良かったです。
(しかし、大きな戸建の家。上品な両親。風呂場で産み落としてる、まさにその時にも母親在宅で声かけてるのに娘の出産に、てか臨月にも気づかず、相談もできなかったってそんな)

そして平岩紙は、芸名の由来にもなった色白を生かした持病持ち妊婦で蒼白。いろいろ悪化の可能性も指摘されつつ、妊娠を継続し……失明してしまった様ですが。透析はどうなったんでしょう。支える夫や義母に何かあったり、最悪生まれて来られない子だったらとか、授かった子に会いたい気持ちは分かりつつも、これ美談にしていいのかちょっと不安(^^;;;) 同じ状況で、産みたくない人が責められません様に。 

もう一人ザ・幸せな妊婦真知子(マイコ)が、誕生を楽しみにする夫と共にいつも幸せそうで、事情のある人たちの背景として描かれると対比で余計に可哀想に(^^;;;;) それともこの先、サータアンダギー妊婦に何か降りかかるんでしょうか。いやーん。
そして車の前に飛び出すアオイちゃん。妊婦の乗る車に急ブレーキ掛けさせちゃダメ!
命名に気を取られて、他の指示が聞こえない。作業中に肩を叩かれ、驚きすぎて周囲を驚かせる。そんな発達障害描写の一環の描写でしょうが、アレはお腹大丈夫だったか心配になりました(^^;;;;)
そしてJKの住所を知っていたのは、作中に描写なかったけどカルテ見たんでしょうねえ。それもダメ(^^;;;) 


「透明なゆりかご」1 ☆☆☆

原作既読。
看護科高校生アオイが、産婦人科でバイトし様々な人生の岐路に立ち会うのみならず、堕胎後の元胎児の処理までしちゃうという大変なお話で、ソース作者の実体験だとか(^^;;;)

原作のあのざっつい絵柄は、逆に作品をファンタジーにしていて細かいことは気にならないんですよね。実写ドラマになったらいろいろ印象違いましたw イケメン院長(瀬戸康史)が、妊婦の股間に頭突っ込んで処置って、産婦人科で何もおかしいことじゃないんですが。スタッフ大勢の大病院と違って、個人病院は生活感があるせいなのかも。
そして本職ナースでも神経やられる堕胎の補佐を、初日から引き受けちゃうアオイ。元胎児を凝視はするものの、泣きも失神もせず、専用ケースに液体と充填した後は『案外きれい』と陽にすかして鑑賞する肝の据わりっぷり。これが、初日から遅刻した理由『つい蝉を見てた』と相まって、原作者自身が公言している発達障害を裏付けるのかもしれませんが……。職場としては当たり引いたのではw
それ以外では、妊婦の体調も気遣えるし、「男の子が欲しかった」と言っていたから、と元胎児のラベルに「男」と書いてみたり。優しい子です。

未受診妊婦(安藤玉恵)が、不倫の子を出産。
直後に逃げたかと思ったら、不倫相手を連れてきて大騒ぎ。結局男には逃げられて、知らない、興味ないと世話も授乳もせずに赤ん坊はほったらかしに。ミルク係だったアオイは「(どうでも)いい」という母親の返事を誤解し、赤ん坊を連れてくるのですが……。不細工、と顔でもつつこうとした指をきゅうっと握られて、母性が芽生えていく。本当はそれ、ただの反射で誰でもなんでも掴むってだけ、とアオイも知っていたのに
『こんな私でも必要なの』
と喜んでるお母さんを前に、反射ですとか言わずに黙っていられたじゃないですか。満点です。

昨日は二人、今日は三人と堕胎後の元胎児を連日引き受けていく業者。日本人の死因のトップは、堕胎だよと嘯くイケメン医師。そ、そうなんですか?
そして笑顔で退院したものの、一ヶ月検診に来なかった母子。
授乳中の事故で死亡……という報道が本当なのか、故意にどうにかしちゃったのか。それは病院では知る由もないことですよね。それでも毎日生まれてくる、命ってなんだろうと海を見つめるアオイに届く答えはあるのか。

普通と少し違う娘に、苦労していそうなアオイ母(酒井若菜)の様子も気がかりです。

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