大ヒットした「殿!利息でござる」「超高速!参勤交代」に連なる金勘定時代劇。それも誰もが知るあの忠臣蔵ですからね!討ち入りするか、しないのか…って、したよね!と分かっているからこそ残高が心配になる仕組みですw
出演はお馴染みの、また濱田岳、また阿部サダヲ、また西村まさ彦……なのは、西村さんお目当てなので勘弁してもらうとして。安定感ある面子に、岡村隆史など吉本芸人が華を添えています。
冒頭から、お役目の火消し鍛錬に励む浅野内匠頭(阿部サダヲ)……は例の『松の廊下の刃傷沙汰』で早々に退場。切腹、お家お取り潰しです。
腕に覚えのある侍は、籠城だ仇討ちだと吠えますが、そんなことをしたら罪人です。一方で同じ武士でも事務方たちは、忙しく家財や武具を売り払う算段。きちんと城を開け渡せば、割賦金が支払われるのですよ。それも1人頭200万円(お馴染み.かけ蕎麦一杯16文が480円換算!)と心動く額!
そんなわけで家老大石内蔵助(堤真一)は、籠城を却下! 自身は裕福で割賦金を辞退して京都近くに越したそうですが、お家再興を目指し仇討ちにも未練ある武芸派と、岡村隆史や濱田岳ら事務方との間に立たされて困惑は続きます。
なにしろもう給金はなし。
浅野内匠頭未亡人(石原さとみ)の個人財産である持参金の流用と、事務方が苦心して取っておいた『いざというとき』金しか無いのに。みんなすぐ、江戸まで行って帰るし(路銀✖️人数)江戸滞在組は家賃も食費も高いし(✖️人数)え、集まれる大きな家を買った? その上に内匠頭の葬式と墓の支払いもあってケチる訳にもいかず…と、大金だった資金もあっという間に半分以下に!
なんだかんだ、ついに討ち入りが決断されても、じゃあ全員で装束を揃えましょう!と言われたら!赤字! 鉢巻?松明?それ全員分必要ですか?? 笑
この頃には予算を気にするようになった内蔵助の、必死の説得で衣装は手持ちのアレに!! 夜中に目立つ白でも、火消しの赤でもなく、見慣れたあの黒で揃えたのには、そんな理由があったんですねえええ。この先一生、忠臣蔵を見かけるたびに、この妻夫木聡の持ち物会議と予算の件は思い出すのだと思いますw 必見w
そして大笑いしつつも、この後は確か全員…と不安になる頃には、ぽーんと場所も時間も飛んで、煙にまかれたまま楽しい気分で終わってしまいます。その辺、湿っぽい場面を極小にした脚本の勝利ですよね。
後始末に奔走することになった上、金は使い込まれて戻らない浅野未亡人がプンスカ。貴女はもっと怒っていいでしょうw
西村さんの役所は、仇討ち派。子沢山大石家にまた子供ができて、ただの里帰り出産なのに
『大石様は、覚悟の離縁をなさった!』
と勘違い。仇討ち必至と吹聴して困らせます💦
でも結果本当に討ち入って、あの奥様(竹内結子)や息子(鈴木福)とはもう会えなかったのかしら。
そしてもう竹内結子はいないのね、と違うところでもおセンチになりました。嗚呼。