ドラマでポン

2004年4月に始めたブログ、いつの間にやら15年を超えびっくりです
相も変わらずドラマとインパルス板倉&西村まさ彦推しのじゃすみんをよろしく!

ドラマの☆は最高が5つ。
好き勝手な覚え書きですがお楽しみいただけたら幸いです(^^)

地域発ドラマ

「島根マルチバース伝」☆☆☆☆

 島根発地域ドラマ。 

「私がクズなのは島根にいるせい!」
え、自覚あり?なのに何その変な自信は笑 でもハマったことには一直線なヒロインが推せる笑

 高校演劇では神童と呼ばれたひかり(桜庭ななみ)も、28歳の今はスーパーでちんたらバイトし
「あの時東京に行ってたら〜」
とifに縋るクズ。妹(綿谷優和)や昔の仲間(いちえ)はまた演劇を勧めてくるが、島根でしても意味がないと言うばかり。

 そこで入った「みせや」のマスター(佐野史郎)にいつものくだを巻けば、じゃあ別の人生を覗けますよと勧められたのが不思議なマシン!これでキラキラ東京暮らしでアカデミー賞取ってる姿が……見られない!
最初のデキ婚人生が悔しくて、一回一万円に貯金を注ぎ込むも、どれも地味!地元!なんなら人間じゃ無い笑 シフト増やして通い詰め、やっと都会暮らしと思いきや首都だけど島根で!それでもバイト生活で……。
しかも上京を勝手に諦めたのは自分で、親は反対してなかったと思い出させられひかるのライフはゼロです!

 そこからずっと避けてた劇団に連れて行かれ、短いセリフすらまともに読めなくて。でもそれぞれに悩みを抱えた、年もバラバラなメンバーはまた来てと言ってくれて。
 この起承転結の「転」こそがそりゃ物語の肝で、突飛なマルチバースの「承」無くたっていいのかもしれませんが、でも他のどんなシチェーションなら「島根のせい!」にしていたひかりの鼻っ柱をこんなに折れたのか、想像もつきませんわ〜

そして勿論、演劇にハマり直したひかりは「みせや」のマスターにも公演のチラシを渡しに行くんですよ。でもマシンには乗らない。もう他の人生には興味なし! ←あの店が見つからなかった、とならないところが斬新では?

大好評の公演後、
「東京の評論家に見せたい!」
と褒めたつもりの業界人に
「あんたが島根にくるだわ!って言っちょいて下さい」
と笑うひかり、頑張れ!

「ギャートルズ」のエンディング♪なんにもないなんにもない♪や隕石のの使われ方も印象的。
法事パン、ひも落とし(=七五三?)やデートスポットらしき場所などなどケンミンショーで取り上げそうな島根ワードを調べるのも楽しかったです!

「金色の海」☆

 秋田発地域ドラマ。うーん無難。
大潟村の魅力は稲穂と家族と、小さなバンドだけ? 観光地じゃなくても土地の味や地域の子どもたちが愛する生き物とか、もっとあるのでは(ex「いとの森の家」のニッキ、オケラw) あまりに淡白な紹介で勿体無く感じました。

 仕事に疲れた妻早苗(岸井ゆきの)を連れて、大潟村で米農家をしている実家に戻る真治(上川周作)
祖母も両親も優しく、不慣れな農作業にも楽しさを見出していく早苗だが、肝心の真治は都会での仕事に未練があり東京に戻ってしまう。
 秋田にいる意味を見失う早苗。
そこで村のバンド「ハチロウボーイズ」に誘われ、八郎潟の干拓入植の歴史や減反政策への賛否で、平和に見える村にもかつて対立があったことなどを知る。それでも『やりたいことをやればいい』と気負わないバンド仲間八木(川口覚)に励まされた早苗は……真治とは別居のまま、来年は田植えからここで米作りに関わると宣言する。

 とりあえず離婚は回避w
離婚して、でも婚家で米作りだったらびっくりですが。別居でも嫁のままならまあ分かるかな。しかし田舎らしく噂が姦しいと描写しながら、バンドに誘うのが若い男なのはどうなのか。嫁友達じゃダメですか。そしてバンドで鈴係…。「君の足音に恋をした」で加藤清史郎くんが音響係をしていたのと被ります。楽器が出来なくても仲間になれるよーと、誰にでも共感できる形にしたいのでしょうが、逆に無理ある感。
料理が好きだから、運動が好きだから、絵を描くのが好きだから、と興味あることのサークルに誘われる方が興味持てるでしょう?  高校生で親に連れられて引っ越してきた「君の足音…」と違ってもっと選択肢はある大人なのだから。せめて音楽が好きぐらいの描写はあって欲しいですよ。それとも、それだけ人付き合いに飢えていた? 
 八郎潟干拓、教科書にも載ってることで旦那実家に関係するのに、早苗が初耳風だったのも、知らない視聴者に説明する為かとはいえ気になりました。

「ペペロンチーノ」☆☆☆☆

 宮城発地域ドラマ。

「俺は被災者じゃない。料理人だ!」
 震災後10年の節目に被災地局で作られたこのドラマで描かれるのは、震災を忘れないことじゃなく解き放たれて前を向いて生きること。でも、亡くした人を忘れなくてもいいんだよと包み込む優しさ。泣けました。

 主人公は、あの震災で海辺のイタリアンレストランを失った小野寺潔(草彅剛)
震災から10年目の記念日。潔とその妻(吉田羊)は、またも海辺に再建した店を貸切にして世話になった人たちを招待します。潔がバイク事故で入院した時の主治医(國村隼) 店の紹介記事を書いてくれたライター(齊藤夢愛) 地元漁師の夫婦(富田望生、一色洋平) 元同級生(矢田亜希子)親子。

 互いには知らない同志な招待客が紹介されあうことで、客側それぞれの事情や知り合った当時の潔の苦しみや喜びが伺えるというなんとも憎い構成でした。
 飲酒運転で事故って入院した潔は、当時酒浸りのアルコール依存症。見た目もボロボロ、消毒用脱脂綿を隠し持って吸う極限状態を『俺もそうだった』と看破した元アル中医師は、骨折治療だけでない潔の更生に親身に寄り添ってくれるのです。
 仮設住宅の隣人は、震災で母子家庭になった元同級生とまだ小さな娘さん。食生活も荒れた母子に即席で振る舞ったのが、タイトルにもなったペペロンチーノ。買い出しにも行かずパッと作れた一皿が、人を笑顔にする喜びを潔に思い出させます。そして母子もまた、美味しい料理は勿論のこと、弱音を吐き頼ることを思い出して救われます。
 漁師夫婦との出会いは、びっくり海辺のプロポーズw からのお断られw
でもうっかり覗いてしまった潔のお邪魔が逆に転んで、結婚へ! 急に新車を買いピアノを買い交際0日でプロポーズ、もう後悔したくない、という被災地での決断は切なくて、潔の店再建への想いを後押ししたことでしょう。夫婦の養殖業を手伝い、時に食卓を共にすることで地元食材ホヤやメカブ等も新店のメニューに加わることになります。
 そして満を持しての開店!
店長は被災者、復興のシンボル、と褒めたたえる取材を受け続ける中。初めて一言もそこに触れずにただ美味しいと書いてくれた記事を見て、思わず礼を言いに駆けつける潔。そこで冒頭の言葉になるわけですが…、読み飛ばされるネット記事に疲弊していたライターにとってもそれは、心の支えになる体験だったのでした。

 しかしライターさんは店長さんに一目惚れしていて!! 告白しかけたところに医者到着でうやむやになったまま、潔の奥さんへの思いが語られて玉砕で可哀想でした…。
そして改めて席がひとつ作られ、奥さんはここにきっといる、と慰める面々。
「年を取らない人には勝てない!」
とやけ酒のライターさん。
……そう、どの場面にもずっと静かに寄り添って微笑んでいた奥さんは、津波にさらわれて以来行方不明のままなのでした。えーあの時の料理も1人で食べて?冒頭の寝起きでイチャイチャも1人で?もうそんなの泣くでしょう……。
 10年頑張った自分達を褒めて、今日はもう騒ごう。献杯、じゃなく乾杯って言おう! とどんな気持ちで言ったんだろう。それもまだ酒じゃなく水のグラスを持ちながら。客も応えて乾杯という人あり献杯という人もあり。

 そして今日も、海辺の店で開店の準備をする優しい奥さんと店長。海は静かに寄せては引くのでした。
必見。

「君の足音に恋をした」☆☆

 大分発地域ドラマ!
日田杉を運ぶ荷台三連のトラック!!すごいところに来ちゃった感からの〜下駄履きで踊るダサ集団に出迎えられちゃって喜ぶ両親、呆れる1人息子。田舎に移住の、家族間の温度差ひしひしな導入部でした。ただし、そのダンスセンターは美少女だったのです!ありがちw

 両親の移住で大樹(加藤清史郎)は、大分県日田市に転校することに。東京もんと距離を置かれた転校初日は、美人上級生美咲(茅島みずき)の教室訪問&待ち合わせ宣言で一気に「やるな!」と親しげに。
 名産の日田杉下駄で踊る『下っ駄〜ズ』に、移住絡みで誘われただけ、だったんですけどね。

 待ち合わせの日田駅前には H TA  ( I部分に立つ撮影スポットw) があり、ダンス練習後には日田焼きそば!甘酒!町中の下駄タイルに日田下駄工房、製作過程も。下っ駄〜ずが活動で訪ねる天ヶ瀬温泉、三隈川かっぱまつりw  名所名物紹介も抜かりありません。
へえ〜日田焼きそばはラードで焼くのね!杉の下駄も焼くんだw

 大樹トレードマークのヘッドフォン、実は音楽は聞いてない。共働きだった両親の喧嘩を聞きたくなくてつけ始めたものでした…。
 でも移住で無職になった代わりに家族の時間と笑顔が戻り、下っ駄〜ズの活動にも暖かく迎えてもらえて。新生活いいスタートじゃん? と思いきや。
 実は日田水害で被災していた美咲の事情に触れ「あんたの家は気楽」と図星つかれるわ、美咲の地元彼氏??に落ち込むわ、いやあ互いへの謝罪も含めアオハルですよ甘酸っぱい!!

 そして今度は美咲が、両親の就職で移住することに。見送りに駆けつけた大樹は、踊るよね勿論!今まで音楽担当で見るだけだったダンスを、新品の下駄履いて!
下っ駄〜ずは俺に任せろ!美咲さんが日田に帰る日まで!
いやぁ甘酸っぱさ満載でした。

 美咲を演じる茅島みずきのロングヘアが美しく&脚が長い!! 並んで歩く清史郎君より背が高いだけでなく脚の比率ヤバいほど長かったですねー。 で、カレシ疑惑幼馴染は、大樹と真逆の逞しい系だった方が良かったのにと思いました。負けた感するじゃん?

 下っ駄〜ず、焼そば姉御に財前直見。下駄職人に徳井優、市役所移住担当に高橋愛。

 



「この花咲くや」☆☆☆☆

 鹿児島発地域ドラマ

 へえ、街中からこんなに桜島がどーんと見えるんだ?もうそれだけでグッとドラマに心惹かれるちょろい視聴者です(笑)…でもその後もずっと面白くて1時間があっという間。
 結婚を前に立ちすくむヒロインが、他人を応援することで自分も決断する。地域発ドラマの王道ともいえる筋立を、鹿児島の伝説や風物詩や名産のみならず東北大震災に交通事故まで絡め、どの地域の人にも興味深い作品になったのでは。脚本の歌森ろば氏、覚えておきたいです。

 不動産屋で働くヒロイン知花(小芝風花)は、客を思いやりすぎて売上を逃しがちw 
今日も、わざわざ鹿児島に引越しながら
「桜島が見えない部屋がいい」
と言う初老の男性津村(吉岡秀隆)の事情が気になりすぎ、津村が拾った猫を飼える様、無駄に奔走することに。
 そのうち、津村の元妻(永作博美)と桜島で出会い……

 恋人洋平(犬飼貴史)のプロポーズをはぐらかす自分と、元妻に会いに行かない津村を重ね、津村の桜島行きを強く誘う知花なのでした。 


 まずもう、街を紹介するのに不動産屋勤め&転入者って大正解でしょう!
路面電車に、西郷どんの像w  市内の銭湯は全部温泉なんですってよ!うわー行ってみたーい。毎朝TVで噴火予報。降灰でけぶる街。ゴミ捨て場には、灰を集めて捨てる専用の袋。知らなかったですねえ。
 ヒロインの恋人は、地域ドラマお馴染み市役所勤め。年に一度の桜島避難訓練が目前です(噴火被害の報道映像も有り)
 全島訓練、恒例なんだ。ヘルメットのバーコードで全島民の避難状況を把握するシステムにも感服!!

 そんな備えの大事さを踏まえ
「君を守る」
とプロポーズする洋平。甘い言葉のはずなのに…本当に自分を守って父親に死なれている知花は喜べない。洋平に死んでほしくない、と泣いちゃう、ねえそれ大好きってことなのに。

 一方の津村の事情。
以前の住所が東北な事を知花は業務上知り得る。でも上司(吹越満)は客との関わりに当然ながら釘を刺すし。
元妻さんと出会った時も知花は、まずは津村の事には触れません。お節介が過ぎない節度、大事ですよね。
 その後、被災したことは津村からも知花に語られますが、猫の意味は視聴者は元妻と洋平のやり取りで知るんです。上手いわー。あ、津村家の娘さんが生きてるところも抑えめで好感持てます。猫抱いていた幼女の写真、遺影にして泣かせにきても不思議じゃないので。

 そして『フェリーならたった15分』の距離の桜島を、1人では行かれなかった同士で訪ねる知花と津村(ドラマ的に大事なこの距離、観光アピール的にも思わず行きたくなりますね!)
 急速に絆を取り戻す元夫婦を前に、最後の一歩を自分から踏み出す大切さを知る知花。サクヤコノハナヒメの様に、自分も花を咲かせて幸せになる!やっと、洋平の想いに応えられる日が来た様です…。
 うん、良かった!

 元気で健気な小芝風花、熊本弁は最小限ながら実にいいです。ベルベットボイス吉岡秀隆も、納得の配役でした。威圧感なく、助けたくなる感じ。
「私といるなら人生灰だらけってことよ」
と笑う永作博美もガッツ溢れててナイス。お似合いの2人です。

 そして桜島小みかん。本物も食べたいし、留め具に小みかんを模した印鑑入れ可愛い!

 ちなみに洋平は活火山をか「つ」かざんと言います。きちんとすぎる発音、かっかざんじゃない?と思いながら見ていましたが、NHKアナウンサーは「つ」で指導されるそうで納得、さすがNHK地域発ドラマですw

 冒頭のサクヤコノハナヒメのイラストも素敵なのに公式ブログスタッフに作者名なし。美術さん作なのか…。こうの史代っぽいかなあ

「シューカツ屋」☆☆☆

 福井発地域ドラマ。

 教員の旦那は毎年ギリギリ最後まで頭を痛めるこの時期に、まあタイムリーな(^^;;;;)  なので珍しく旦那から見たがったドラマだというのに、舞台の福井国立大学の就職率がここ数年国公立ナンバーワンを誇り、それというのもこういうああいう親身なサービスをしているからですよ~、の展開には「私学なら普通ダァ!」とツッコミが五月蝿いw 
一方、地域発ドラマファンのじゃすみんとしてはそこよりも、就活を絡めることによって眼鏡やカーテン、製糸、3Dプリンタを擁する新産業といった地元企業も名産トマトも、物語の中で自然にアピールできてしまうぞと感心しました。勿論モデルになった福井大学そのものの知名度もアップ! 上手いw
そして今時の就活を描きつつ、いつの時代も同じように若者が悩み、親子の葛藤もあり、乗り越えて未来を掴んでいくんですよ。就活SPドラマといえば民放でも昨年「恋と就活のダンパ」(弊レビューこちら)があり近々再放送されるよう。恋愛と就活を重ねるところも同じですが、支援室から描くこちらの方が好きかな。

 ヒロインは福井国立大学経理部勤務の、流川美野里(水川あさみ)
婚活パーティ参加後、男性の名刺を並べて悩む美野里に馴れ馴れしく声をかけてくるおじさん!仕方なく受け取った名刺はなんと、同じ福井国際大学の…就活支援室エース叶野仁志(橋本じゅん)!
同じ建物で叶野は企業説明会に参加。美野里を採用企業側と勘違いしたとはいえ、お断りの言葉をむしろ見込んで、強引に就活支援室に引き抜きます。最初は嫌々だった美野里ですが、段々と就活支援のやりがいに目覚めることに!

そういえば就活と婚活、出会いやプレゼンの考え方も似ているしw 婚活が不首尾な彼女なら、就活がうまくいかない学生にも親身になると考えた叶野は正しかったのかも、酷いけどw

 まず3人の担当を任された美野里。
 1人は、安全な子供服を作りたいと繊維業界を目指した繊維科の女生徒(白石聖) 友人は内定が出たのに自分は保留、と泣いて帰った日もありましたが、最終的には子供服メーカーに。大学で学んだことと違ってもいいじゃないですか。 もう1人は陽キャなのに、なぜか決まらない男子学生(篠田諒) 屁理屈ばかりの奴ですが、バイト先&部活リサーチをした美野里は『面倒見がいい』との美点を発掘。過去に、そんな子達が就職していった企業をリストアップして渡し(びっくり親身!)平均年収が低いとごねられても、=平均年齢が若い、若くして活躍できるってこと!とデータの別の側面も教えて送り出します。 結局リスト企業には縁がなくても、自覚がなかった『面倒見』の良さは、彼の就活の柱になりました。
 最後の1人が難物で、留年している植田(上川周作)は自宅でサブワーク。育てた観葉植物を売って、既に生活費と学費を自ら稼いでいるのに就活なんて必要ないのかも。支援の働きかけも
「どうせ就職率を上げたいだけでしょ」
と斜に構えてお断りです。
でもそんな学生にだって、おせっかいを辞めない支援室。補助金をもらいながら農業を学ぶ道を紹介し、彼も興味を持ったようでしたが…、彼の父親(津田寛治)がこれまた難物。なんと先の女生徒も面接した企業の社長さん。息子は俺の会社を継ぐ、この大学だってそのために入れたのにと、息子の希望に聞く耳を持ちません。諦めてしまいそうな息子を励まし親子ゲンカをけしかけた美野里は、例によって酒場リサーチで知った社長の親心をぶちまけつつも、息子の甘えた了見は一刀両断。どっちの味方でもないんです、きちんとぶつかり合った結果の選択なら、後悔しないから!

 そんな就活騒ぎの傍らで美野里の恋遍歴もサクッと描かれ、お団子ヘアで学生時代を表現している水川あさみが見れますよーw  夢を語る彼(片山亨)を、最後まで信じることが出来なかった。それを学生の就活と重ねられると戸惑いますけどもw  ざっくり人生の岐路という意味では、まあ、うんw  それに支援室の仕事を通じて、彼とも再会した模様。
「いつか時計職人になったら直す」
と預けてあった時計を受け取って、2人の時もまた動き出すんでしょうか。
(と、いい感じに〆ましたが。別れた時に返せ!とツッコミましたw  途中で学生に褒められてた時計がそれだと思ってましたよw)

 美野里の親友高橋愛と、津田寛治、片山亨が福井出身です。
その他の福井発地域ドラマに「恐竜せんせい」(弊レビューこちら) 


「宮崎のふたり」☆☆☆

 宮崎発地域ドラマ。

 その昔は新婚旅行の聖地だった宮崎。自分も嫁と来たもんだ、といいながら現在の寂れ方をディスりまくるご老人(柄本明) 耐えかねたタクシー運転手詠介(森山未來)がキレ、途中で降ろされてしまいますが、流石に年寄りを放り出すわけにもいかず戻ってきたのが運の尽き。クソジジイ呼ばわりをしながらも、思い出の地巡りにつきあうことになるのでした。

 まだ爺さんがバリバリ働いていた頃、妙に奥さんが旅行に行きたがったのにドタキャンしたのだとか。実はすでに痴呆治療を始めていた奥さん、一人内緒で宮崎を訪れ、この旅行で夫に話すつもりだったのにと、旅館の女将さんには打ち明けていたそうですよ。 今は無き思い出の旅館、詠介の恋人咲耶(池脇千鶴)の実家だった縁で、古い古い新婚旅行の宿泊客を収めたアルバムなど繰りながらの思い出語りを聞いていた詠介。夫婦ってそんなものかと。ただでさえ結婚に踏み切れない現状で、冷めた想いを抱いてしまいます。
 しかも、わがままジジイが行きたい場所はつぶれたり閉鎖された場所ばかり。やっと突き止めた場所でも
「嬉しくなんかない」
とうそぶくジジイに閉口するのですが。手にしていた絵は、もう話せない奥さんが施設で描いて送ってくるもの。それを、きっと思い出の宮崎だと信じて探しにきたジジイが
「なんでお前がいないんだ」
と吠え、ついに吐露する妻への想いに心動かされ……結婚を決意する詠介なのでした。分かり易すぎて咲耶さんも笑ってますよw

 ところで冒頭でディスられていたパームツリー。南国風に、と植えられたけれど寿命を迎え(大阪市立大学キャンパスでも名物でしたが、今年ついに伐採)植え替え費も莫大で、バカじゃないかとジジイがさんざん叩くのですが……。全国に植樹を呼びかけ、結婚記念に夫婦の木として植えてもらうプロジェクトがあったんですね!
 植樹の様子を見守る詠介と咲耶。咲耶はかねてから計画の料理修行に、東京に旅立ち遠距離恋愛に……でもこのふたりなら、きっと大丈夫(^^) そんな温かい気持になるドラマでした。

 私も新婚旅行じゃ無いけど、30余年前に宮崎行ったな〜。あちこち懐かしかったです。


「ひなたの佐和ちゃん、波に乗る!」☆☆☆

 宮崎発地域ドラマ!

 ヒロイン佐和ちゃん(池間夏海)、高3なれど進路決まらず。
父(玉山鉄二)のサーフィン狂が原因で両親が離婚、沿岸育ちなのに家でサーフィンの話題は厳禁……の筈が、ボードを抱える弟と遭遇してビックリ。勉強しろ!と叱るも、弟の反論にぐうの音も出ません。苦労して2児を育てる母(田中麗奈)の手前「やりたいこと」を諦めていた自分に気づいた佐和は、まず父とサーフィンに挑戦。知らずにいた魅力と難しさを知ります。プロサーファーを目指す同級生武瑠(立石ケン)の夢と不安にも触発されて、ついに母に宣言するのです。
「私、歌いたい!」

 爽やかでいいドラマでした、佐和ちゃん可愛い。この撮影で本当にサーフィンにはまったというのも可愛いわ(^^) そして玉鉄のダメ父もキュートですw
歌手になりたい、プロサーファーになりたい。町を出たい。そう言うと大人はすぐに「無理」「甘い」「ちゃんとしろ」と返すけど、それがサラリーマンになりたいだったら、甘くないの?「挑戦ぐらいしたっていいだろ!」という佐和ちゃんの啖呵には納得です。それも、まずは武瑠の夢を嗤った武瑠父に向けて怒り出すところがいい。自分より、友達のための方がパワーでるよね!

 酔うと、何かと地元小の校歌を歌う大人たち。未だプロサーファーを目指してるお父さんの様に、町の大人たちにだって夢があったはず。見ている私たちにだってね。そんなことを思って甘酸っぱい気持ちになりました☆

 そして海辺のラストコンサート、やっと見に来てくれたお母さんの前で歌うのは! かっこよくアレンジした校歌だよーん。 武瑠父も、佐和ちゃんに叱られてから武瑠の試合を見にきてくれたそうで大団円なのでした。

「戦艦大和のカレイライス」☆☆

 広島発地域ドラマ。
舞鶴、横須賀、呉、佐世保。旧軍港4市海軍グルメファイトって、ちょっとオモシロ美味しそうw

 ヒロイン沙織(秋元才加)は『平和』の溢れる広島市出身。東京でモデル業もしたけれど……今は呉市のミニコミ紙「KURE:YON」のモデル兼ヘボライター。呉の誇り戦艦大和をヤマト表記にして怒られても口答え(^^;;;;) それでもグルメをまかされて出会ったのは……。
寡黙な料理人長二(三浦貴大)と、彼が作る 戦艦大和のカレイライス!

 リンゴの角切り入り、肉は牛。長二が作るカレイが旧海軍の、それも『戦艦大和のカレイ』に似ていると好事家が集まっています。
グルメファイトにぴったり!とはしゃぐ沙織には断るばかりの二郎ですが、戦艦大和の生き残りという友人祖父のためにはカレイを作ってきてくれました。しかし、ご老人の長い昔話の締めくくり
「人生に無駄なことなど、ない」
という言葉に、死んだ兵士もかと噛み付く長二。更には「思い出のままにしておきたい」とその日の試食を断られ、鍋の中身を庭にぶちまけて出て行く非礼……。追いかけた沙織と言い合いになりますが、「俺たちは」と、まるで戦時中にそこにいたかのようです。

 あの男に似た人が、大和の厨房手(料理人)に居たと言い出すご老人。
 金の種類や電話のことなど、現代の常識を事細かに(縦書きで!)書き留めた長二のノート。
「私ノ人生ハ無駄ダッタノカ」
そこに挟まる写真の女性を突き止める沙織でしたが、別の写真に並んで映る婚約者「司」はどう見ても長二です。「大和ミュージアム」戦没者名簿には、司長次郎、の名。

 まさかの、SFなんて縁がなさそうな沙織側からタイムスリップを確信。しかも、長二郎を追って超常現象に巻き込まれ……大和から海に放り出された長二郎を呼んだ「死なないで!」の声と手が、沙織のものだったとは。
改めて過去と決別し、なにか吹っ切れたような長二郎です。

 そしてグルメファイト当日。
会場に食べにきたご老人は、あの時のままの味だと。そして思い出と同じ言葉をかける長二郎に、車椅子から立ち上がって敬礼までしてくれるのです。もっとも、今までに美味いものを食べ過ぎて、あのカレーが人生で一番美味いと、当時の様にはもう思えないのだそうですが。今日の長二郎はそれでいいのだと、穏やかに笑います。
「人生に、無駄なことなどない」
やっと、そういえる様になったんですね。


 いやあ秋元才加のスカートが短い! もとい三浦貴大の生真面目な風貌が昭和で良いですね。
正直、海から上がって時代が違うと気づいた時や、その後アパートを借り屋台のバイトを始めるまでの、長次郎の人生が気になります。戸籍もあるのか心配ですが、それはまた違う話(^^;;;;)
坂の多い呉の街、見下ろす坂の奥にけぶる港がいい背景でした。作中で語られる広島と呉の違いも興味深いですw
 しかしこの役、広島出身の娘じゃなくなぜ秋元才加? 滑舌も発声も申し分ないのですがその分、興奮しての長台詞がキャンキャンと煩くて参りました。しかも内容が、モデルを諦めた自分と大和を降りなかった長二郎が同じだとかなんとか……おい。長二郎も「違う」とはっきり遮りますが、そのもっと前に本当にもう黙れと思ってしまいましたよ。
あとカレイライスに添えられてるのフォークでしたw 大和ではそうだったのかなw 

「かんざらしに恋して」☆☆☆

長崎発地域ドラマ。
ヒロインが探し求めた幻のレシピを、作中で公開してくれていますよ。太っ腹~。白玉が浮くかんざらし、食べてみたいです(^^)

舞台は長崎県島原市。
地域おこし協力隊として、島原に越してきたヒロイン瑞樹(貫地谷しほり)は、島原の家庭の甘味「かんざらし」復興の担当に。
食べたこともないかんざらしの、それも幻の名店「銀流」の味を再現して◯日後に開店ね!と無茶なことを言う、市役所の八田さん(遠藤憲一)は
「意外といけっとさ!」
が口癖で、試食を頼んでも内装工事が遅れても適当なことばかり。挙句、当時の「銀流」を知るご近所からは、瑞樹のかんざらしはニセモノ呼ばわりをされてしまいます。

そもそも「銀流」を再現するなら、地元の人が作ればいいのに。

と思ったら、他所から協力隊に人がこないと助成金が出ないんですね(^^;;;;) 島原市に呼ばれて来たのに『よそ者は帰れ』と言われてしまう矛盾を、正面から描いています。
売り上げが懐に入るわけじゃないのに、土地の名産で金儲けと責められる。お役所仕事で、断水でも営業日は変えられない、味を研究する休日もなし。ラジオ出演で炎上、東京に残った夫(黄川田将也)との仲もこじれてしまった様で、つらいことばかりの瑞樹ですが、くじけません。この20年失われた「銀流」かんざらしの味を求めて、聞き込みに励み試作を続けます。
蜜がゴクゴク飲める
白玉が浮いていた
手がかりはたったこれだけ。そして押入れの大量の空き瓶……。

途中、店に顔を出さなくなった八田と溝ができ、粉をぶっかけあっての大げんかまでしてしまいますが(^^;;;;) その八田の人脈で「銀流」関係者にたどり着き、レシピを教わりながら、いつもヘラヘラ笑っている彼が普賢岳の噴火で友を亡くしていると知ります。あの「意外といけっとさ」は、地域活性化を語り明かした親友の口癖、八田にも島原への熱い想いがあったと知る瑞樹は、ついに再現できた「銀流」の味を、いの一番に八田へと届けるのでした。

白玉に少し砂糖を入れて捏ね、茹であがったら、30分も水につけるんだそうですよ。それで比重が変わるんですかね。空き瓶は名産ハゼの蜂蜜でした。そしてキザラも。熱心な研究と観察眼であと一歩まで迫っていた瑞樹でしたが、セオリー通り白玉はすぐ水から上げるものと思っていたら、永遠に正解には辿りつけませんって。そんな風に、自分一人ではわからないことがある。話あわなければ見えてこないことがある。そんなことも描かれていましたね。最後、ご近所の偏屈オヤジもやっと「また来る」と味を認めてくれて。旦那さんとの話し合いは、さて白玉のように丸く柔らかくまとまるのでしょうか(^^)

メインが貫地谷しほりと遠藤憲一、よく見る役者さんで見やすくもあり、地方らしさ薄くもあり。難しいところですね。それでも水路に人が集い野菜を洗う水の町島原や、そびえる雲仙が美しく郷愁をそそります。そうそう、白玉を茹でるのも晒すのも、シロップも、すべて湧水で作ってこそのかんざらしなんだとか。どんなに美味しい水なんでしょうね。

市長に前野朋哉。市役所職員の宮崎花蓮が、島原出身。


「進め!青函連絡船」☆☆☆

青森発地域ドラマ。

停泊する元青函連絡船、八甲田丸。カッコイイ~!でも今はプロペラを外し、もちろん燃料も入ってなくて動かせないんですね。乗客用の座席も外され、展示博物館の状態なんだとか。

主人公の徹(吉田栄作)は、かつてその連絡船名物だった「海峡ラーメン」を今も食べさせる店の店主。名物を途絶えさせまい、と店じまいする店主に頼み込んで後を継いだものの、今はやる気をなくしてオーナーのテル(木野花)に怒られっぱなし。ど田舎八甲田山の麓の店は閑古鳥が鳴いています。

でもその八甲田丸を、1日だけ運行当時に復元しようというイベントが!
最初は「なんで?」と言ってたお役所の人たちも、次第にスポンサー探しを手伝う人手が増え……という場面は胸熱なのですが。実はそのイベント、詐欺w どーしてw 連絡船復元の夢を掲げる市役所職員(水崎綾女)が主人公でも、全然イケたでしょうに! NHKらしからぬフザケタ感じ、地元の人気劇団の方が脚本なんだそうです(^^;;;;)

さておき仕切っているのはトレジャーハンター明(大西信満)、幼馴染のゆみ(田畑智子)から、施設の老人源太郎(平泉成)が伝説の「津軽海峡の宝」のありかを知っていると聞いて手に入れようとするのですが、急激にボケてしまい(^^;;;) ゆみの色仕掛けも効かず。
記憶を戻すため、在りし日のままに連絡船を復元し、人も集めて賑わせ、徹の「海峡ラーメン」も食べさせて記憶が戻ったところで、お宝のありかを聞きだせたらトンズラ、という手の込んだ算段なのですw

当日は見事な賑わいで、小学生団体やら、制服の元JR職員さんやら地元のじいちゃんばあちゃんやらがわいわい。なんたって「津軽海峡冬景色」を石川さゆりが歌う、とポスター貼られているからなのですが、来るわけない!

そこで明とゆみが見守る中、徹の「海峡ラーメン」を食べた源太郎さん……。
偽物だ!と叫ぶなりしゃっきり立ち上がり、徹のラーメンの味を直したのでした! そう、彼こそは伝説のラーメン職人!眺めていた紙は宝の地図じゃなくレシピ。うわごとで語った「黄金」は、黄金に輝くラーメンスープのことだったんですってよ〜(^^;;;;) えーっと。

源太郎に教えを請い、正しいレシピと新たな気持ちで「本物」の海峡ラーメンを作りだした徹の前に、昔の想い人、いえいえ当時の彼女にそっくりな女性が現れます。隣のお母さんがきっと当時の彼女。
「一緒にラーメン屋やろう!」
と言っていたのに徹が東京に就職して、別れてしまった人ですね。
『津軽海峡の海の幸、ワカメとかホタテとか……イカとか』
『イルカ?』
『イルカじゃなくて、イカ』
そんな何十年も前の、思い出の会話を再現して微笑みあうふたり。いつか店にも食べに来て、ときちんと言えた喜びを噛みしめる徹なのでした(大昔、徹が告白しそびれた現場録画を、今も再生しては騒いでるテルさん。彼女が来店したらきっと大喜びで撮影してくれますよ~)

そして石川さゆりはw 覚悟を決めて歌い出す偽物のゆみに、罵声が飛ぶかと思いきや、優しいお客さんは大合唱! 明も詐欺で追われるでもなく、イベントは普通に喜ばれて大盛況で終わる様です。もうトレジャーハンターやめて、この成功を売りにイベンターで生きていけるのではw
甲板で潮風に吹かれてふたりで食べる冷凍みかんは修学旅行の味。大団円の青森なのでした。

「いとの森の家」☆☆☆

福岡発地域ドラマ、樹木希林追悼で再放送。前後編。

ヒロイン加奈子(永作博美)は、小4の頃一時暮らした糸島を、同級生咲子(渡辺真起子)に呼ばれて再訪します。
転校生だからといじめられた訳じゃなかったけれど、土掘ってオケラ捕まえて戦わせるとかw もう都会っ子からは想像もつかない遊びばかりで、そりゃ馴染めませんよねえ(^^;;;;) それでも段々と輪に溶け込んでいった加奈子は、皆が出入りする森の可愛い家で、家主の おハルさん(樹木希林)と仲良くなります。
ニッキ(シナモン)の木の皮はいい香りがすること。でも悪戯に全部剥いではダメなこと、等々。自然や周囲の人との付き合いかたを、優しく教えてくれたハルさん。でもそのハルさんを大人は良く思っていなかったのでした。
死刑囚を慰問に行き、身寄りがなければ遺骨を引き取るんだと噂を聞いて子供心に怖くなり、酷い別れ方をしてしまったことを思い出した加奈子は、新聞社を訪ね当時のハルさんの想いや今の居場所を探してみるのですが。

糸島の自然が美しいですね!
ちょうど、風景に惹かれて糸島のシェアハウスSNSをフォローしたところだったりして。え、あの糸島?やっぱり素敵なところねえとドラマの背景に見入ったりしていました。そして樹木希林さんの存在感。森の魔女じゃないですかw 猫と子供は出入り自由って、それは猫と子供が怖いもの知らずだからじゃないのかとw
そして、実はアメリカに移民していたハルさんが「away,away」と痛みも不幸も飛んでいくおまじないをするところも、日系人収容所で見て見ぬ振りで罪に加担してしまったと海を見ながら後悔を語ったという場面も、どこか遠い国の物語の様。でも本当にあったこと。

実は病を得て、カフェを閉める前にと同級生を集めていた咲子。旦那と不仲になっていた加奈子。でもハルさんの願いを思い出すうち、生きている幸せと残された時間の大切さを改めて感じたふたりは、それぞれの幸せな暮らしへとまた戻っていくのでした。
(あ、小学校時代の習字の先生に中村蒼!)

「プラスチック・スマイル」☆☆☆

静岡発地域ドラマ。
え、静岡がコスプレの聖地?撮影スタジオばっちりな上に、コスプレのまま歩き回れる商店街がある?知りませんでしたわ。ガンプラ工場があるからって、いつの間にかそんなことに。

舞台は静岡、島田模型社。
二代目社長(武田真治w)は働き方改革だとノー残業を打ち出すが、クリエイタ系社員はありがたくない。特にモデルカー企画のトップ望月(青柳翔)は、気が向いたら徹夜したいし有給消化もまっぴらごめん。ついには、総務課でノー残業を推し進めるミスパーフェクト林田紬(百田夏菜子)と組まされて、興味のない『美少女フィギュア』の企画を定時でこなせと指導されるのですが……。

実は、彼女の裏の顔はコスプレーヤー!
仕事は定時帰りでも趣味は妥協なし!全て手作り、何度でもやり直し。愛する『リエゾン・ディアーヴォロ』の世界観に合わないと笑顔なし取材も拒否。それはもう友達を無くす完璧主義で「人はそれぞれ」とうそぶく紬を、望月は
『逃げているだけ』
と非難するのです。しかも、コスプレ撮影見学でひらめいた新企画『コスプレイヤーのフィギュア化』にあたり『リエゾン・ディアーヴォロ』原作者を取材することになったら、紬にとっては『神』な原作者先生、案外こだわりがありませんでした。ファンが流石、高尚、と褒め称えている設定も「間違えちゃったらさ、ファンが上手くフォロー思いついてくれて☆」と行き当たりばったり(^^;;;;) え、神の発信は全て金科玉条に受け取ってきたのに?? 

何やら肩の力が抜けた紬。新企画発売日には商店街で、仲間と並んで笑顔でコスプレを披露するのでした(^^)


ドラマ内のコスプレデザイン協力に桂正和、着用するのは顔良しスタイル良しの可愛子ちゃん!クオリティ高いコスプレみるだけでも楽しめました。
コスプレを打ち明け、長い長い家族とのわだかまりが解けた紬。望月も、出て行った奥さんと和解した……様な(^^;;;;;) 社長にも社員から口々に要望を寄せ、時には残業させろとはっきり言い合える様になってめでたし。黙って諦めてしまわずに、話し合うことが大切ですね!
なので、紬が喧嘩別れした元コスプレ仲間とも、いつか何があったのか語り合うことができたらいいなと思います。でなかったら、仕事でコスプレ利用した挙句に急に笑顔で肩組んでくるように変節した嫌な奴ってことにされてしまいそうで心配〜。

「恐竜せんせい」☆☆☆

福井発地域ドラマ。
福井恐竜博物館、大好き~!子供連れて行くたび、私の方がわくわくしたものです。今年友達と訪ねた娘が、かなりリニューアルしてたと教えてくれました。また行きたい。座布団あげやソーツカツ丼にカニと食べ物も美味しいよね福井。
そして「ちりとてちん」といい、何度もモチーフになる第一発見者小学生女子。本当に衝撃の大ニュースだったのは良くわかりますが、ウソを絡めてドラマにされては、嫌な想いをされていないか心配になりますわ(^^;;;;)

さておき、しがないフードライター汐崎野子(マイコ)は『夢を売れ』と提灯記事を書かされるばかりの日々に疲れて、勝山市の発掘調査に参加……のはずが。うっかりミスで、子供向けの遊び場『ジュラチックパーク』のバイトに応募してました。ひと夏、親子連れの世話をして恐竜バーガーを売ることに(^^;;;;) いや、仕事を辞めてまで化石を掘りに来たのに……と頼みこむも、元同級生だった発掘リーダー大地(高橋光臣)は絶対拒否の構えです。しかも
『秘密をばらすぞ!』
と脅されて弱腰のヒロイン。なにしろフクイサウルス第一発見者!という華々しい過去の大元はウソ。転校生で友達がいなくて一人で化石を探していたのは本当でしたが、大発見は、下駄箱に誰かが入れた石をつい、自分でみつけたと言ってしまった苦い思い出なのです。のちに打ち明けた偉い先生(長塚京三)は
『焦らなくていい、恐竜たちは土の中で待ってくれています』
と、いつか自分の手で本当に恐竜を掘ればいいから、今は君がみつけたことにしておこうと慰め励ましてくれました。野子は17年も経ってからそれを実行しにきたわけだったのですが……。先生が大地にバラしたの? ←そんなわけがないw

仕方なく子供向け施設の発掘遊び監視員となった野子でしたが、だんだん子供達の相手が楽しくなっていきます。知識が豊富で説明上手、どんな種類の化石でも
『恐竜がいた時代の、枝だよ?』
と素敵にもちあげてくれる野子を子供達も慕い、「恐竜せんせい」と人気になって日々ミニ講座を開くまでに。するとTVの取材はくるし、子供にも憧れの眼差しで囲まれて質問攻めに。
「どこで、恐竜の化石をみつけたの?」
「その時のお気持ちは?」

野子が取材から逃げている間に、子供達が行方不明に!でもみんな、河原で化石を探していたのでした。そこは野子が、恐竜化石をみつけたと言ってしまった場所。ついに耐えきれず嘘を告白し、ごめんなさい、と子供達に頭を下げ続けた野子は、恐竜せんせいを辞めて東京に戻ってしまうのですが……。

いつも穏やかで丁寧、子供相手にも敬語のヒロインに好感がもてます。
野子のウソに重ねるように、ウソ自慢ばかりの男の子が登場。家庭も複雑で周囲に当たり散らしますが。『ウソって辛いよね』と、穏やかな野子が叱るでなく共感を示したことで懐き、きちんと謝って友達を作ることができました。でも、その子を励ますために『わたしだって化石をみつけた』とウソを重ね、余計に苦しくなってしまったジレンマ。
そうそう、同級生の『秘密をばらす』はセオリー通りにどうでもいいことでしたw でも下駄箱に化石を入れたのもやっぱり大地くん! お前がさっさと俺がみつけたーって口を出してくれれば17年もこじらせなかったのに(^^;;;;)  

後日、その大地くんと子供達から届いた重い荷物が、野子をまた勝山に呼び戻してくれます。そしてお返しに今度は、野子が大地くんの背中を留学へと押してあげるのです。人生はこれからだよ、若者よ!

優しいいいお話でした。白衣の恐竜が座るベンチ、あちこちにあるそうで是非また福井を訪れて座ってみたいです(^^) 地域発ドラマあるあるのお祭りも、はやし込み行列の復活が取り上げられていて興味深かったですね。

「ワンダーウォール」 ☆☆☆

京都発地域ドラマ。
とはいっても、観光客を呼ぶ京都らしさなどどこにもない、ヒリヒリと痛い青い物語でした。

ここに住みたい
と、寮で志望校を決めるなんてことがあるんですね。築100年を超えるオンボロもボロボロの近衛寮。もうどっからどう見ても京都大学の吉田寮ですw そして本家同様に、取り壊したい大学側と、補強で乗り切りたい学生側とが延々と折衝を続けているという図式。
自治を標榜し、なんでも話し合いで決める寮生たち。学校側とも延々と話し合い、良い返事をもらったと思えば撤回され、詰め寄れば責任者が倒れ。それでも、話し合いとは真摯に行われるものでその先には相互理解があると思っていた学生側はやはり無邪気だったのでしょう。時間も予算も有限なのですよ……。

学生の要望を受け取る、学生課。ある日そこに文字通り壁が築かれ、職員とのやりとりはガラスの壁越しに行われるように。そして、寮生の要望を受け流していたいつもの事務員さん(山村紅葉)ではなく、美女(成海璃子)が現れて応対します。すると言葉につまり、無言で立ち去る代表三船(中崎敏)動揺する生徒群の中、志村(岡山天音)だけが気づくのです。恋が始まった!……のではないことにw

廃寮の危機感に焦れ、寮の活動に不満爆発のマサラ(三村和敬)が1回生。記録係のキューピー(須藤蓮)が3回三船志村が4回? 学年が違ってもタメ口なので混乱します。しかしその、年齢や学年で上下を決めない『敬語禁止』が寮のモットーなんだとか。廃墟寸前の寮のボロボロ具合、その中でのやりたい放題には本当に驚かされます。き、汚い……。女生徒もいるとかマジか。私も寮暮らしはしましたが、さすがに個室に鍵はあったし、共有スペースにこたつも万年床もありませんでしたわ~。積んだままの本が旧字体、さすが築100年(^^;;;)いつからあるのw ゴキブリどころかネズミもいそうですよ。

でもそれぞれの理由で寮に惹かれ、集まってきている生徒たちはもちまえの小賢しさで自分たちの城を守りたいのです。
なのに代打の美女をきっかけに、『いつかラスボスと対決だと思っていたのに、最前列の小物が入れ替わるだけと気づいてしまった』という志村。その美女が、突然寮に現れたと思ったら、なんと三船姉だったそうですよ。美女の胸、でなく名札を見ていた志村だけは気づいてましたけど。そしてなんと卒業生。大学院まで行きながら、学問は諦めて派遣で事務員ですか……。そして裏事情を告げることには、寮の建替理由は安全などではなく跡地利用で。補助金を目当てに講義棟が建つことがほぼ決定、なんだそうですよ。結局金なのかー!
酔いつぶれたマサラは、寮を守れと誰かれ絞めあげては騒ぎ
『ここが無くなったら、行くところがない』
と泣くのですが……。金も力もない若造たちに、一体なにができるでしょう。
本の山が崩れて現れたのは、床の間と掛け軸。まさかのドレッド(若葉竜也)が慣れた手つきで茶をたてて、せめてもの一服です。全国から集まったか、京都弁など誰も話さない学生たちが見せた、京都らしさったらこの暁の茶事ぐらいだったでしょうか。

えええ、そのまま解決ゼロで終わっちゃいましたよ!
近衛寮はそれぞれの心の中に息づいて、9月には解体されて永遠にさようならですか。ラストシーンのごった煮楽団、三味線とトランペットとほうきとチリトリが合奏しカエルが合いの手を入れる楽しいイベントは一体なんだったのでしょうw いつもの地域発ドラマらしさはゼロでしたが、引き込まれて緊張感に息を飲みました。脚本は朝ドラ「カーネーション」の人だったとか、なるほど。
彼らのその後が見たいです。

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