あれこれ中途半端なのでは。
変人刑事が実は有能って「相棒」しかりよくある設定で、今回はそれをアドラー心理学で教授(椎名桔平)が裏付け。そこがメインで事件の謎解きがおまけなのはちょっと新しかったですが、惜しいかな変人っぷりがぶれぶれです。あれに背中を押されるようでは、芸能人に薦められたらまっずい紅茶キノコも美味しいと言っちゃう流されやすさとやっぱり変わらないのでは。
また、犯人はお前だ!からの長々解説を、お仲間がずらっと並ぶラウンジでするとかw
『あの人が悪いのよ、せっかくライバルを殺してあげたのに……』
と犯行を認めるまでが長くて長くて、お仲間はどんな顔して聞いてればいいんですか……(せっかくだし動画とってネットにあげるかな ^^;;;)
独立独歩を強調するためか、組織優先男社会の刑事でいながらケータイ不携帯で単独行動ばかりとるヒロイン庵堂蘭子(香里奈) バディを組まされた新人(加藤シゲアキ)は、彼女の居場所探知が一番の仕事なうえに、行動原理がわからずに腐り気味です。
ここで入る空気が読めないエピソードが納得いかなくて。
ケースにショートケーキは残りが一個、列の後ろには「ショートケーキが食べたーい」と騒ぐ子供。大人なら他のものを頼むだろうに、なんとあの女はショートケーキを選んでしまうんですよーってな画面でしたが、イヤイヤイヤ。むしろ積極的に嫌がらせしたくなるほど子供の態度が酷かったでしょ。あれがおとなしく待ってる可愛い子供になら考えるけどなあw
また、女子会でマダムのコートが素敵でしょと同意を求められた蘭子は
「そうですか、身の丈に合っていないと思います」
それじゃただの悪口w 高価な品が分不相応と切り返すにはブランドの価値を知っていなくちゃですよねえ。もっと興味なくて返事しないとか、本当に着丈が合ってないと指摘とか、季節が合わない(実際ファーを外してたし)ならまだわかるのですが。後から
「蘭子さんはハッキリ言えて羨ましい」
と話しかけられるのだから、誰もが変と思って言えないポイントが欲しかったです。
とにかく世の女子がしそう言いそうなことに逆らわせただけなようで、そこに揺るがないものが感じられなくないですか。
最近なら「ON 異常犯罪捜査官」で波瑠が演じた藤堂比奈子が王道変人で、嫌われても平気いっそ殺されても平気なキャラでぶっ飛んでいただけにこのドラマの詰めが甘く感じてしまいます。
加藤シゲアキ
うわー友達(加藤シゲアキ)死んでたw
若い人にはこのドラマや原作で初めてそのパターンに触れ、感激する場合もあるのかもしれませんねえ。でもいい加減すれてて1話から『生きてるのかこいつ』と思っていた身としては、少しは裏切って欲しかったですよ。
3回忌もした手応えある死亡じゃなくて、せめてどっかいったまま行方不明とか?
むしろ生きていればまた謝って仲直りもできるのに、遠い死後の世界からえっこら来た人を喧嘩で追い出したんじゃ、やり直し効きませんよ。
はじまりは都会の小説家の物語だったのに、後半はほぼ田舎の高校生の甘酸っぱい体験w それを小説にしたらやっと、編集からオッケー出ましたよ、という着地点でした。ゲイにオカルト、若い人好きそうですもんね。
でも親友のゲイカミングアウトとか、勝手に出版したらプライバシー侵害で訴えられかねませんので(柳美里か!)なるほど亡くなっていないと困るのかもしれません。もっとまずいもの目撃されてる先輩のエピソードは、ばっさりカットしないと世に出せませんよねw
あれ、これって……恋愛小説でしたか?
二度命を救われ、二度小説家として救われたという表現は印象的でした。