家を空ける友達(佐藤玲)の、ペットの亀の世話をする。
そんな理由と、有給消化とリモートワークという今時な組み合わせで何週間か大阪にいることになったヒロイン藤(池田エライザ)は、やはりちょうど大阪にいる師匠、植草(田口トモロヲ)と連絡をとっていつもの『乙女建築巡り&ランチ』を大阪でも楽しむのでした。素晴らしい。
回が重なろうと、相変わらず2人の間には信頼と建築以外何もなくて心地よいです。なんなら中庭を挟んだ回廊の右と左、ランチのテーブルでも4人席の斜向かい、とかなり距離(物理)のある関係のままふとこぼれた愚痴に応えてくれる人生の先輩。いいですねえ。
前作の、カフェ開業計画のような自分のことですらない。立ち回りの下手な同級生の心配。そこに寄せられる植草の、思いもかけない視点。じゃあ自分は何で言って欲しかったんだろう……と1人ごちるヒロインと、偉そうなこと言っちゃったよと他所で照れる植草と。オジサンが偉ぶらないんですよねえ。そういえば、犬に吠えられてないや。大阪の犬どうした!
前作の「原作」本が、本当にただの建築物紹介で、よくぞここからこんな素敵な2人を生み出したものだと感嘆したものです。今回もきっと同様でしょう。
あと東京で植草が通ってたのは渋いマスターがカウンターで珈琲出す店でしたが、大阪で通うのはレトロキッチュな喫茶店。関西弁のママさん(安奈淳てあの安奈淳?)がぐいぐいくる、そこにも土地柄が滲みますねえ。
で建築は、1話が綿業会館。
3話は船場ビルディングと大阪農林会館。
会館系は、名前だけでも当時力のあった産業が偲ばれます。
綿業会館は、贅を尽くしたゴージャス!予算城3つ分! 大阪の人口が東京より多く、綿の輸出は世界一、大阪が「東洋のマンチェスター」と呼ばれた大大阪時代の建物なんですってよ〜。泰山タイル!←タイル好き(^^)
船場ビルディングは住居と商用スペースが混在。木の育つ中庭を囲む、明るい回廊!入り口は、馬車が入れる造りなんですよ。そう思ってみるのとただ通るのとでは大違いでしょうねえ。中庭の、木製煉瓦の床!年輪を見てみたいです。
農林会館は、オフィス向け。階上から郵便を集める仕組みに、今は配線が入れられているw 戦争で、真鍮が供出された後の手すりの穴を「お化けみたいですね」とふざける藤。わあ、もうお化けにしか見えない〜!そして、どんな飾りがついていたんでしょう?
2話は見逃しました〜。 Tver便利ですが、頼りすぎはダメですねえ。しまった、この前行った青い店の前に植草さんいるじゃん!!見たかったー