深町くん(神宮寺勇太)の村祭りと違って「それ」は、先生(伊野尾慧)が静かに記憶を取り戻す形で描かれるので、赤い顔で長鼻の、所謂な姿の天狗ではないのかもですが。とにかく神域の湖で助けを求めた彰良少年を救いに「それ」は現れたらしいのですよ。
そして寺内(小池徹平)の活動も、同様に苦しむ人を救うものでした。
冒頭の不穏なミスリードでは寺内がさらって血でも吸ってそうでしたけどw
消えた人々には、彰良少年が当時耐えかねた父の過剰な期待と叱責の様に、上司のパワハラ、部活でのいじめ、育児疲れに夫の不理解、虐待……と何かしら『いなくなりたい』事情があったことが分かり様相が変わっていきます。同級生の虐待死を止められなかった寺内少年は、自分がいなくなることよりも、助けられるチカラを求めて神域で祈ったのかも
人が消えれば、捜索や聞き取りで問題が明らかになる。神隠しでの一時失踪は苦境から遠ざかれるだけでなく、上手くいけば解決もしたところへ『神隠しで記憶がない』と責任なく戻ってこられるという、ただ家出する以上のメリットがあるのでした。なるほどー。
寺内の誘いで失踪した人たちは互いに助け合って警察の目を掻い潜り、戻ってからも物資や場所、人手を融通し合う。先生曰くの『講』を形成し、その中心になっている寺内は、高槻先生もそこに加わって世を正そうと誘うのですが。行くべきかもと気弱になる先生を
『天狗にはさせない』
と現生に引き戻すのは深町くんなのでしたよ。実家に向かって大音声でそんな、プロポーズかw
だってねー。神隠しで父親のスパルタ教育からは逃れても、今度は母親の天狗さま扱いという別虐待にはまり込んだ先生のようなパターンもあるわけで神隠しだって万能じゃないですよね。
それに隠し方はさておき、助けて欲しい人をどこで見つけるのか? SNSも絡んでDM受付もありそうですが、それじゃ幼児の千里ちゃんは?その辺、怪異から寺内が授かった別の能力があったのでしょうか。
警察が千里ちゃん両親の虐待を暴かないものだから、誘拐犯として出頭し事件の幕を自ら引いた寺内。でもそれ、大人の失踪や先生にもう関わらない保証ではないしw この先またどうなるのやら。
それでもラスト、先生が明るい未来へと共に歩き出す相棒はやっぱりそりゃ深町くんで。ああもう、お幸せにw 原作は続いているらしいのでシーズン3もあったらいいな。
碧い湖が美しかったです。