ドラマでポン

2004年4月に始めたブログ、いつの間にやら15年を超えびっくりです
相も変わらずドラマとインパルス板倉&西村まさ彦推しのじゃすみんをよろしく!

ドラマの☆は最高が5つ。
好き勝手な覚え書きですがお楽しみいただけたら幸いです(^^)

井浦新

「最愛」1 ☆☆☆☆

 記憶障害が2人、殺人が2件。
そしてあの吉高由里子は岐阜の高校生…いつものままなのに高校生……。
(でもリアル高校生キャストで初回始められたら飽きたかもしれず。演技に不満はなく引き込まれましたけどねえ。前髪ぐらい作れなかったかな)


 高校3年生の朝宮梨央(吉高由里子)は、早くに亡くなった母の代わりに弟優(柊木陽太)の面倒や家事もこなしつつ、父達夫(光石研)が面倒を見る白山高校陸上部の寮にも出入りする部員のアイドル。特に長距離のエース宮崎大輝(松下洸平)とはお互い公然と想いあい、記録が出たら、東京の大学に合格したら、と告白を伸ばしあっていた。 
  そして受験前夜。
全日本駅伝出場が決まって、レギュラーは祝勝会、父は寄り合いで不在の寮に、部外者渡辺康介(朝井大智)が侵入。梨央が咎めるのも受け流しご法度の女性まで招き入れて、乱痴気騒ぎを引き起こす。食堂で勉強をしていた梨央は、絡んでくる渡辺を避けて帰ろうと席を立ち……。
 気がつくと家で優と寝ていた。
血まみれの腕。深夜にやはり血まみれの何かを洗う洗濯機。お前は受験に専念しろ、としか言わない父は、絶対何かを隠している……!


 しかも父急死、渡辺は寮に来た後の消息不明。
もうこれだけで十分に大事件!なのに視聴者はさらにその未来、15年後に手を血に染めたまま逮捕される梨央を見せられているんですよ??   えええ不幸すぎる! この時点で
『覚えてないんですけど、乱暴されたのかも……』とか
『父がどこかに埋めたのかも……』
なんて不確かな自首を、あなたならします?? 隠されていた、血まみれの当日の服を焼いた梨央は何を決意したのか。
 実は腹違いだった幼い優を残し、実母真田梓(薬師丸ひろ子)の元に身を寄せるからと東京へ発つ梨央。奇しくも全日本駅伝の当日、力走する大輝を見届けた梨央は心の中で別れを告げて。以後一切の消息を断つのでした。

 ……15年後、富山で渡辺の白骨が見つかり。
東京では渡辺の父(酒向芳)が他殺体で 見つかって。警視庁捜査一課の刑事大輝が、重要参考人として梨央を訪ねていくまでは。
 そして名乗りを聞いた真田梨央は応えるんですよ
「初めまして」
って、覚えているくせにー!! え、ちょっと待って、冒頭の逮捕はまだ先ですね。あの手の血は誰の??

 ところで書きそびれてましたが、梨央の弟優くんは頭部外傷の後遺症で、興奮した時のことを忘れてしまうという困った記憶障害を負っていました。正直、母のない小学生が父も亡くし、母とも慕った姉とも別れて育つなんて、健康だって十分心配なところに、わざわざ乗せた設定、超重要。もう殺したのは弟かもw  そんな雑な推理はさておき。

 白骨と一緒にお守り袋も見つかっています。梨央が作って大輝に渡して10000M走優勝。ご利益があるぞと受験に持たせてくれたのに、失くしてしまった、あのお守り袋。 
昨日着ていた服がない、と探すきっかけがポケットに入っていたそのお守りなのが、小道具の使い方うますぎますよね。
 あ、弟の携帯も消えてたっけ。それを遺影の素材写真探しで印象付けるのも上手いですよねー。ってことで重要アイテムですよw どこで見つかるのかな! 

 (てっきり湊かなえ原作かと嫌ミス要素を身構えていましたが、湊かなえ「Nのために」と同じスタッフ集結=アンナチュラル、MIU404も同様、とのことで、湊かなえは関係ないのですね。こんなブログ長年書いているくせに制作事情にはあまり詳しくなくて。急に懐かしの「Nのために」のアクセス増えてなんだろう〜からやっと知りましたw   こりゃ信頼できますね!)

 陸上部から、県警の刑事になっていて情報を寄せる同輩に岡山天音。実母の配下で達夫の葬式にも香典を届け、梨央の上京を手配する 弁護士に井浦新。

「あのときキスしておけば」〜最終回 ☆☆☆

 ハッピーエンド……でしたか??

 終盤はもう泣きっぱなしでしたよ(TT)
特にあの幸せな結婚式!桃地(松坂桃李)を囲んでみんなでフラを踊り
『私は〜 貴方を〜 愛してます』
のハンドサイン! それをニコニコと撮影している巴さん(麻生久美子)

……の、ふりをしているマサオさん(井浦新)だよね、分かってたorz

 蟹釜ジョーの魂はマサオさんの中に。じゃあマサオさんの魂は?って、申し訳ないけれど『多分どこか、沖縄の海の中…』と、消えてしまったものと思われていたのに。まさかのいざキスのタイミングでマサオ復活しようとはw

 そこからしばらくはドタバタ、借金まみれで自殺しようとしていたマサオに、そのままの気持ちで死のうとされて引き止めに高見沢(三浦翔平)からエグゼクティブ真二(六角慎司)まで巻き込むんで大騒ぎでしたよ。でもそれでエグゼクティブとも仲良くなっちゃったのよねw 入れ替わりには心拍数上昇で風呂がいいんじゃね?と皆んなで銭湯行ってみたりと、楽しかったのになあ。
 段々と、マサオさんでいる時間が長くなる先生。
このまま先生を失ってしまうだなんて、耐えられない! でも今までマサオの家族がそれを受け入れて『巴さん』として扱ってきてくれたことを思えば、マサオ本人が戻ることを否定することもまた出来ず。
『半分ずつでいられたらいいのに……!』 本当にね! 

  悩む代わりに、前向きに「結婚式」の準備を始める桃地。仕切りはライバルだったはずの高見沢で、マサオ妻のフラをスーパー仲間みんなでレッスン! ウエルカムドールは巴母が作ってくれて。アンチ蟹釜だったパートさんだって指輪作ってきてくれて。
 なのに、連載を終えお母さんにもお別れを告げた先生だけがそのまま戻って来ず。 読まれないメールを蟹釜ジョー携帯に送り続ける桃地に、何かしてあげたくてマサオ自ら、先生になりきる練習をしてみたんですけどって、どれだけ桃地の周りは愛に溢れているんですか……。かえって悲しいことになり、結婚式も実質お葬式になってしまいましたけれど。

 前期「天国と地獄」での入れ替わりとまた違い、身体が変わったのが巴だけ。しかもそのおじさんになった巴を変わらず愛せ!という無茶ぶりされるわけですが、段々に受け入れられてしまったのは、巴の何がどうなっても私は私!という強烈なパワー故でしたねえ。
 振り回され、すっかり虜になった桃地くん。おかげでもう恋なんかしない、おじいちゃんになっても巴一筋と誓って生きることになっちゃったのに、うん、あんな人はそうそういないよねとちょっと納得してしまいます。また先生がね、霊界で福引当てたとか言って、戻ってきちゃうんだもの! でもまたタイムリミットあるんでしょう? うう、これは幸せな泥沼。 そして知らない間にまた体使われるマサオさんの気持ちは一体!

 ああでも、蟹釜ジョーの印税を半額受け取り続けているのなら、映画化もあってまだまだすんごい額の不労所得!たまに知らない仲でもない桃地とキスしてるかもしれないのぐらい我慢してくださいって話かもです(ちゃっかり息子くんの漫画家への道も開けていたw) 可哀想な桃地にも、思い出以外の実入りは期待しちゃいけないんでしょうか?
 再来したモンスタークレーマーをぶっとばす…のはやっぱり出来なくても、「SEIKAの空」繋がりでなだめて、多分次会う時には友達みたいになっちゃってるだろう桃地くん。蟹釜ジョー/巴と出会って花ひらいたこの才能を、生かせる転職でもしてくれていたらもうちょっとモヤモヤせずにいられるのになあ。

 幸せになって桃地!

「あのときキスしておけば」〜4☆☆☆

 蟹窯ジョーのブレなさ、ストロングw

「わたし巴よ、蟹窯ジョーなのよ…!!」
と涙でぐしょぐしょのオヤジ(井浦新)にすがられるわ、でも先生らしきご遺体も見てしまうわで、大混乱の桃地。
のりうつりなんて、信じられない。なのに命じられると断れず、自称蟹窯ジョーを先生宅に入れるわ、通夜にも同伴するわ。
入れてから『泥棒だったら??』って遅いよ?通夜は変質者乱入で大騒ぎよ?
 でも先生と出会い気に入られたのも桃地の押しの弱さ故なので、歯痒くはあっても納得です。むしろ、早く先生を信じて差し上げろよw  普段は井浦新な謎の男が、たまに麻生久美子に見える場面、胸熱です。

 結局、最後の一押しは最新原稿!
死亡を公表され、家に帰れず、実母にも信じてもらえない苦境の中でも創作をやめない先生が産み出す「SEIKAの空」は、変わらない輝きを放っていたのでした…!
「先生だ!」
と抱きしめて、でもキスは避けちゃってぶっ飛ばされる桃地くんw  細身の巴ならぬ男性の力でふるう暴力はキツそうです。
と同時に、編集部は幽霊騒ぎ。ネットのストレージに原稿が上がるのね、今時です。

 その後も、あちこちで「本当のこと」を告げるのに当然ながら信じてもらえない2人。
巴母には詐欺団扱いされ、肉体の持ち主田中の妻(MEGUMI)の解釈は『桃地と不倫で家出』、巴の生存を信じて探す元旦那編集者(三浦翔平)とは「教えてくれ!」「信じてください!」の土下座合戦w
 それでも段々に誠意?が通じていくのもまた、面白かったです。
不器用な桃地が真っ直ぐに語る
「先生のいいところ」
ほぼ悪口なのに、まさに巴w 半信半疑ながらも、娘の好物を用意していたお母さんの気持ちに泣けました。気持ちよく食べてもらえて良かったね…!
妻には「好きだから言えない事もある」との巴の離婚体験が炸裂(嘘つき疑惑は拭えない気もしますが??)
最後の編集氏が信じたのは、やはり原稿執筆絡み。こちらはもうストレートに喜んで、男の姿でも構わず抱きにかかっていてw ショックでお盆を取り落とす桃地!
 おっさんな蟹窯ジョーを、イケメン2人が取り合うBL地獄の始まりか??

 桃地へのデート指南で盛り上がるパートさん達(猫背椿、阿南敦子)は愉快でしたわ〜 でも片方はネットで蟹窯ジョー批判を繰り返しているのよね??

 さてどうなる。戻るべき巴の肉体はもう無いんだもんなあ…。

 

 

「あのときキスしておけば」1☆☆☆

 さすがに、その蹴りは傷害罪では(^^;;)

 スーパーのぼんくらバイト桃地のぞむ(松坂桃李)は、モンスタークレーマー(鈴木拓)を退治してくれた美女巴(麻生久美子)が実は、かねてからファンの漫画家蟹窯ジョー大先生と知り、家事手伝いを頼まれ…もとい言いつけられてもホイホイと応えて合鍵で出入りすることに。
更に「使用人は美しくあるのもサービス!」と高級な服を与えられ、デートみたいな1日を過ごして……
 巴から迫られたキスを、戸惑いから拒絶してしまう桃地。ノリでそんなこと出来ないんだよねw 
 巴の激怒にしょんぼりしていたら、今度は沖縄旅行に同行することに。もしや、今度こそ、結ばれてしまうのか??

 と、時系列ではこうなのですが、冒頭で謎の男(井浦新)に迫られていた桃地。海でのデートは2回目で、前の時は桃地が靴擦れをして男が手当てをしてやった、と。それと同じこと、巴先生がしてくれてましたよ!
 そしてハイ、沖縄行きの飛行機は墜落し死者4人の中にユイヅキトモエの名も。自らも昏睡から目覚め、死亡報道に呆然とする桃地に縋り付き泣きじゃくるのは、冒頭の。そしてスーパーですれ違っていた清掃の、飛行機では巴の横に座っていた男!彼曰く
「私よ!巴よ〜」

 入れ替わり系だったのですね。この先、本人たち的にはヘテロ恋愛の続きだとしても、映像的にはBL…!
そして蟹窯ジョーの連載は強制終了でしょう。ああ、プール付き豪邸生活が!先生の承認欲求が!
旦那は簡単に、続き描いて匿名で送ればとか、腕があれば再デビューも可と言いますが。蟹窯ジョーの焼き直しと言われてしまうだけじゃないのかなあ。そしてどのレベルに売れたらあんな家に住めるのか。鬼滅の刃作者でもまだ無理じゃないのかな?

「殺意の道程」1 ☆☆☆

 井浦新主演。wowowドラマ。
冒頭しばらくはシリアスで、重苦しい場面が続くんですよ。でもダブル主演&脚本のバカリズム登場で台無し(褒めてますw)

 工場の資金繰りに行き詰まり、父貴樹は死を選んだ。心ない対応で父を追い詰めた、発注元の担当者室岡(鶴見辰吾)が憎い。
主人公一馬(井浦新)は、協力を申し出た従兄弟の満(バカリズム)と共に、室岡を殺す決心をする……!

 父の葬式後、満が現れた途端に緩みますねー。満にとっては叔父さんだった貴樹との運動会のエピソードなんて和むじゃないですか。 でもその満が復讐を先に口にするのですが、じゃあ細かい相談をいつ、どこでしようかと詰め始めると決まらないw どっちも散らかってるのなんのと、要は部屋に人を入れたくない似たもの同士! 結局ファミレス集合になりました(^^;;;;;;) で、席についたら延々とメニュー談義orz やっぱり肉頼めば良かった……じゃないでしょw
 その調子で延々と、どうでもいい話に時間を割くドラマなんですね。

 かと思うと、相談場所を貸してくれた親友重森(河相我聞)と連れのキャバ嬢このは(堀田真由)には、
「室岡を殺そうと思う」
とぺろっと計画を話してしまう一馬。ええええええ?
重森は分かってくれる、重森が選んだ女も大丈夫、と何故か信頼絶大な一馬なんですが、まともな人なら止めるか通報するよ?という満の心配もごもっともで、気にしない重森もアレなら、にこやかに助言しまくってくる毒や凶器に詳しすぎる このは嬢もナンだかなー。おかげで計画進みましたけどね。とりあえずは名称は「苺パフェ」に決定でーす。♪  うっかり見られても分からない、関係ない言葉に、と このは嬢の言うがままw

 次週は「買い出し」w ホームセンターで縄や包丁やらを物色するようですよ。もうコントでしょそれw 楽しみです!!

「ニッポンノワール 刑事Yの反乱」1 ☆

 これが探偵ドラマでなく刑事ものだとは。
署内で殴り合い大会、収めるために天井に向けて銃ぶっ放す公安と、みんな一斉に劇画にでもかぶれたかの様です。ワルぶる以前の問題でこんな警察嫌だーあーあーあー。

 主人公遊佐清春(賀来賢人)が目覚めると、隣に女の死体。
ここしばらくの記憶が怪しい清春ですが、その死体が上司碓氷薫(広末涼子)なことはフラッシュバック。慌てて足跡を消すやらガムテープで微物を拾うやらと現場を乱し、馴染みの工場に逃げ込みます。着衣・靴をまるっと手下の元ヤンに焼却させて全着替え&手荒に口止めしたところで、遺体発見の呼び出し連絡が。そう、こいつは刑事なのでした。
 さっきまで証拠隠滅を図っていた現場で、捜査のふりを始める清春刑事。
しかし、昨日の無断欠勤や、日頃の碓氷との関係と言う覚えていない事実から容疑者候補に入れられ、碓氷の遺児の世話も押し付けられ、どんどん面倒なことになっていきます。

 主人公清春がすぐ殴る蹴る、手柄の横取り当たり前の嫌な奴なんです。自身も不幸な生い立ちらしいのに子供にすら優しくなくて、本人も認めている様に、覚えてないんだから本当に清春が殺したのかもって、酷い(^^;;;;;)

  で、母の死にも泣かない遺児(田野井健)が、普段からどうせ1人で留守番だったからと健気にも自宅に戻ると荒らされまくり。現場に残る吸殻を調べて清春のDNAが出たら、犯人決定だな~と公安刑事才門(井浦新)に煽られますが、それを署内の灰皿から盗んでそこに置いたのは……同僚名越(工藤阿須加が無理してる感)じゃん!←こいつも普段からキチガイで、どう採用試験受かったのだか。
 遺児の希望で遺体発見現場を見に行くと、銃撃される清春と遺児。
てっきり犯人の口封じかと思うじゃないですか。それがキチガイ同僚で、大好きだった上司を殺したのが清春だ!と吹き込まれての犯行ですってよorz とりあえずは、そう言った理事官本城(篠井英介)が怪しいってことですけども。銃撃もさることながら、現場の天窓突き破って突入って、尋常じゃない現場破壊(^^;;;;;) もうメチャクチャですがなorz

 ただ、それまで淡々としていた遺児が、銃を拾って清春に突きつけ
「あなたがお母さんを殺したんですか!」
と詰問した挙句に号泣するという…感情の解放が出来たことだけは、良かったのかも。いやでも第二の清春として成長しちゃうかもと思うとやはりダメかな(^^;;;;;;;)

 碓氷刑事を殺したのは誰なのか。10億円強奪事件の現金はどこにあるのか。 事件の顛末はちょっと気になりますが、見ているの辛いです。まあノアールと銘打って、こういうことしたくてやってるわけなので、見たい人だけ見たらいいんですよね。場面場面の見栄えで言えば、黒を基調にかっこいいです。
ただ、始末書どうするんだよとか、引き取る親戚がいないなら子供は施設預かりか、せめて家族持ちに任せてよ等々と、瑣末が気になるだけで。あんな暴力男社会警察で、女性が出世なんかするもんかワールド。


「健康で文化的な最低限度の生活」~最終回 ☆☆☆

ケースワーカーの脚、自転車が新調されてw ヒロイン義経の活躍はまだ始まったばかりなのだ~エンド。そうですね、終わりはない物語ですね。

初回からずっと訪問していた痴呆始まってる祖母と小学生の家庭。4年前に男と消えた母(松本まりか)が、帰ってきたと思ったら保護費を自分の通帳に振込にしてまた不在に。
ただし、失火も失禁もあるおばあちゃんをショートステイで施設にいれたことだけは、不穏なBGMで語られるようなことじゃなく必要な措置だったと思うのですが。結果、母親が1週間も不在の間一人で暮らして食べ物も尽きたはるかちゃんが、義経を頼って役所に来るところなんてもう涙です。先生も、隣の人や大家さんにも頼れてないなんて(><) 日常接する人たち相手には、極力普通にみせて、自分はかわいそうなんかじゃない、と気を張る矜持もあるんでしょうねえ。
そのうち男連れで怒鳴り込んできた母の関心が、金が振り込まれないことだけで、はるかちゃんが施設に保護されて自宅にいないと気づいてもいないところがまた……。こんな女に育てさせられないよ!と見てるこっちも思うんですけどねえ。そんな母でも母。そして家は家。いつ帰れるの、とはるかちゃんに聞かれ、施設がベストではないと考え直す義経さんに、ハラハラしたりホッとしたり。母親自身、ネグレクトからの施設育ちで何が正解かわからないところもあるのでしょうけど、だからって親子を引き剥がして愛着を削ぐ権利も職員にはないわけで。むしろ親子でしっかりと暮らしていけるよう、長いスパンで支えてあげないといけないんでしょう。

それは阿久沢の娘(阿部純子)も同様。
阿久沢が生活保護を受けるための扶養照会。受け取った元妻と娘も困窮していたのに生活保護は門前払い状態だったそうで、自分たちを捨てたこいつは受給できているのかと、図らずも恨みを募らされていたとは。どうしたらサポートできるか、でなく兎に角断る窓口もあるんでしょうねえ。うがって考えれば、若い娘は夜の街で稼げるだろ的な?いやいやいや……。
母の死後、父のアパートに転がり込んだのはほぼあてつけ。妊娠がわかっても恋人には打ち明けられず、堕胎を考えてばかりいる。そこに、父や頼れる店長さんだけじゃない、行政の側からも手を差し伸べてくれる人がいるってだんだんと心の支えになっていったんでしょうね。最後、真面目そうな彼氏が定食屋にやってきて。どうやら結婚して産む流れになった様でなによりです。
父と別世帯になると、受けられる保護が増える。それって病気のお母さんと暮らしていた時も同様だったのでは。少なくともお母さんの生活保護は下りた……のかなあ。病気でも働けるとか言われてましたもんね、そこは自治体や職員の当たり外れがあってはならないのですが、実際はどうなんでしょう。

父親からの性的虐待を受けていた青年の問題は……そこまで人生に立ち入られちゃうの?と、思わないでもなかったですが。
必要ならば申請し、バイトもするなら届け出て。制度を理解した上手な使い方がある。それを受けて幸せに暮らす権利が、誰にでもある。必死で支えようとしてくれる人たちもいる。諦めなくていい、そんなことをお茶の間で無理なく学べる、素晴らしいドラマだったと思います。


「健康で文化的な最低限度の生活」2、3 ☆☆☆

生活保護受給家庭で、高校生がバイトするなら届出が必要、と。_φ(・_・

中学生長女の遊びが派手で心配、と援助交際ネタかと思いきやお金くれてたのはお兄ちゃん欣也(吉村界人)でした。

親にも内緒でバイトして、自分の音楽の趣味まかなって、妹に小遣いやる高校生。ぐれもせずいい兄貴してたのに、突然の
『不正受給だから全額返納』
との通達に呆然とする欣也くん1年かけて稼いだ60万円パーじゃ、そりゃ自暴自棄にもなろうというものです。また、担当の義経が『減額できるかも』と安請け合いで期待をもたせて、ダメだったのも信頼を損ね、不満が募りましたよね。
宝物だったギター叩き折って、家出。昔の仲間と暴走……ってか、スクーターにニケツでヘルメットもちゃんとかぶってる可愛いやつでしたけどw

このまま、趣味は贅沢だと絶望の人生なのか。そんなの辛いじゃないですか。面談日、きちんと親子で来てくれて謝罪も話し合いも出来て、本当に良かったです。
別に意地悪で返納しろっていうんじゃない(なら、後から申請できてもいい様な気はしますが、悪用する奴もいるんでしょうねえ) 運転免許取得の援助や、進学や資格取得の助成もあれこれあると改めて伝えられて。ずっと『そんな余裕ない』と趣味ににべもなかった母親(江口のりこ)も、好きにすればと言ってくれてよかったですよ。

そもそも、小遣い足りないだろう高校生がバイトするのは自然な流れ。
親はもとより、以前の担当だった小さいおじさんがちゃんと説明してないのがイケナイ……と憤りながら見ていましたが、そっか、『説明を受けました』と、本人がサインした書類が出てきちゃいましたかー。わけ分からずに、名前書いちゃってたのねorz そういうことにも、注意する様になって損はないです。これから月1万円の返済……今度は届け出てバイトして、しっかり返していく様です。頑張れー。

課長のお古のギターで、路上ライブ。若さ丸出しの歌詞に、そこそこの歌唱力w ドラマ的にも上手くなくて構わないだけに、まさかの自作なのか?気になるところです(^^;;;;;)

そして1話で生活保護を卒業した遠藤憲一。定食屋で地道に働き、通りすがりに欣也を励ましたりしています。家族に知らせを……と、迷っている矢先に娘さんから届いた手紙は、なんと奥さんの訃報でした。会いに行くのかな、娘さんに責められそうで心配ですね。

(↑路上ライブ曲、SUPER BEAVERの「うるさい」でした。欣也の気持ちにぴったりだろうとカバー曲に選ばれたとか。「GIVER」にも出てた吉村界人、「グッドドクター」にも出るぞとか、作詞作曲でミュージックビデオあるとか妙に詳しくなってしまいましたよw 絶賛売り出し中ですねえ)


「健康で文化的な最低限度の生活」1 ☆☆☆

面白くて役に立つ。いいドラマですね!

新人公務員、義経えみる(吉岡里帆)の配属先は福祉保健部生活課。ケースワーカーとして初日から生活保護支給110世帯を受けもたされて、受給者の訪問で呆然。「死にたい」との相談電話に唖然。

それでも寄り添おう、と頑張る姿を見守る指導係半田(井浦新)に上司京極(田中圭)は、優しすぎると続かないよね~と皮肉な予言をするのでした。
同僚は5人!新人たちの明日はどっちだ!

今まで山ほどドラマ見てきて、何度『生活保護は!』とツッコミいれたことか。申請に条件があるんだろ、もらいたくない、断られた、親に連絡が行くと困る等の葛藤以前に、主人公もその周囲もその選択肢を知らずに話が進むのが許せなくって、もやもやしていたんですよ。それに実際本当に困窮してしまうと調べる余裕もおそらく無くなってしまうでしょう。物語として触れておいたら、いざというとき思い出せるのではと思うと、啓蒙もの大事ですよね。同時に、支給にまつわる問題点や周囲の無理解なども減らせるとしたら万々歳ですね。

のっけから担当者に自殺され動揺するえみるちゃん。
次に問題になった阿久沢(遠藤憲一)は、痩せてきてるのに1日1食で十分と言い張ります。経験上、それは何かで浪費をしていると上司に助言をされて、訪問するも家はすっきり冷蔵庫は空っぽ。結局生活保護費のほとんどを借金の返済で使ってしまっていたわけですが……。

『財務整理を!』

とえみるが言えば言うほど意固地に何もしたがらない阿久沢さん。その昔は社長だった人が、子供みたいな年齢の女の子にやいやい指導されてること自体がもう嫌だし、情けないし、日々なんの楽しみもなく借金を返すためだけに生きている様なもん……って、ねえ。半田さんが穏やかに水を向けなかったら、そんな声も聞きだせずに逃げ回られたのかも。受給者にもプライドがあるんですよねえ。
結局、法テラス(えみるの発音『法↑テラス』気になるw)に行った結果、過払いで150万円ほど返却になる見込みですってよ。150万円よ!しかも、晴れ晴れとした阿久沢さん、もっと早く教えて欲しかったとか言っちゃうのよ。何度も言ったでしょー!

受給者の死亡で、担当ケースが一つ減ると慰められても納得いかなかった えみる。必要が無くなって一つ減るほうが、晴れ晴れ出来ると学んで、生活課の仕事のやりがいを知ったのかも。

そして私たちも『借金があっても生活保護は受けられる』と知りましたよー。メモメモ!

「アンナチュラル」最終回 ☆☆☆☆

 もしも、高瀬(尾上寛之)が救助されずに火事で死んでいたら……。
最後のAsunderで殺された女性はまだ生きていて。26人分の証拠も焼かれずに。いろんなことがわかったかもしれない……し、逆に何一つ明るみに出ず、『赤い金魚』はただひっそりと永遠に失われたのかも。その皮肉にはしばし考え込んでしまいます。
ああでも、いましたね宍戸(北村有起哉)が!
取材を重ねた、最高のネタ元が世に知られずに死ぬだなんて。我慢できたわけがないからきっとあれこれ知らせてきたでしょう。自ら残りを仕上げすらしたかも。ああもう、高瀬はもちろん許せないけれど、連続殺人犯を泳がせたまま取材を続けた宍戸にもっと腹が立ってジタバタしましたよ。

 そんなわけで、高瀬が血まみれで自首。
しかし遺体遺棄や損壊は認めるのに、殺人だけは自分じゃないと言い張る。どの女性も突然勝手に死んだ、と。それを隠しました、防腐にホルマリン入れました、バラバラにしました……って! 殺人罪に問えないじゃないですか! 壁に貼ってた26の死因はじゃあ何かって、スピード出版された宍戸の手記(表紙が例のアルファベット表w)では、殺人はあくまで高瀬の『妄想』としてだけ語られるのです。
ホルマリン中毒死の女性は、倒れる前『食あたり』を訴えていたと高瀬。明らかに、六郎(窪田正孝)がリークしてしまったボツリヌス菌情報のせいなのですが……。裁判に備え、それを鑑定書から消せという検事(吹越満)の要請に応えられないミコト(石原さとみ)
そこでサクッとボツリヌス菌に触れない提出書類を準備してくれちゃう中堂(井浦新)は、でもどうせミコトはそれを使わない、嘘をつけないってわかっているわけで。いつもの葬儀屋(流星涼)に謎の依頼をして夜の街で追うものは……宍戸! 証拠を握っているにちがいない宍戸の口を割るために使うのは、体格を活かした暴力以外になんと注射器w シリーズ序盤の名もない毒や、東海林(市川実日子)の昏睡事件で語られてた『薬物の専門家ならこう殺す』がここに生きてくるとは……って、ダメー!
間一髪、現れたミコトと六郎が中堂を追うために電話した先が、正しく葬儀屋だったのも笑いましたよね。8年追った殺人鬼を目の前にした男が辞表を置いて消え、もう絶対ヒトを殺しかねない状況で『その後』の処理を考えて……
『私なら、木林さんに頼む!』
確かにw でも、宍戸の方が悔しいことに一枚上手で……証拠の魚ボールは失われてしまうのでしたが。

 なんと突破口は思わぬところから。
中堂を殺害犯と決めつけ、弁明も墓参りも拒んで「罪を認めて償え」と大書きした恨み状をずっと送りつけていた父親が、六郎経由でUDIラボにやってきます。中堂に謝りたいというのですが彼は出奔中。所長と東海林が応対します。日本の方がアメリカより安全だと思ったのに……ふんふん。夕希子さん、帰国子女だったんですねえ。お父様もすぐ帰国ですか。え、墓ってテネシー?土葬? 再解剖できる遺体が、ありましたよー!

そして手に入れた動かぬ証拠を、法廷で高瀬に突きつける証言台のミコト。
どうやらボールを口に押し込む折檻を、高瀬は幼少時に受けていたらしいのですが……「動機なんかどーだっていい」とミコトは吐き捨てます。遺体の歯の裏の高瀬のDNA、それが全て。その上で、いまだ母親に支配される子供のままな高瀬が可哀想でならない、と。 それを、若くて綺麗なミコトが見下ろしながらいうのが肝ですか、これw
罵倒なら受け流しただろう高瀬が、この憐憫には耐えられず「俺がやった、俺はちゃんと26人殺した!」と自慢で自爆する流れは、検事と事前に練り上げたものでしょうか。傍聴席とTVのこちらでガッツポーズがシンクロする場面でしたよね。やった、殺人で捌けた!

そして宍戸も無事、共犯で逮捕されて自らがスクープにw(こいつまた獄中手記で稼ぎそうで嫌だわ)

 遺品として渡そうとした「ピンクのカバ」の絵を、中堂に返しながらお父さんが語ります。新しい絵本は2匹一緒に旅をする話だった、と。娘さんの人生の旅は高瀬に絶たれてしまったけれど
「あなたは生きてください」
そこにかぶる主題歌Lemon♪ あああああ orz

坂本さんが戻り(中堂スナフキン説w)、六郎も新人医大生・として戻り、補助金も多分なんとかなって、UDIラボは今日も遺体を受け入れてのエンド。もう絶対に続編あるじゃないですか、出来るじゃないですか、待ってます!

「アンナチュラル」9 ☆☆☆☆

おまえかぁぁぁ!
と、画面に向かって吠えそうになりましたw 心配してやった気持ちを、時間を、どうしてくれよう犯人め。そう思えばヒントはあちらにもこちらにもorz

そんなわけで「赤い金魚」の原因も判明した最終回直前。
なんと魚型が浮き出たゴムボールでした。えええ、たまたま魚型に見える何か、なんだろうとばかり。まさかのがっつり魚でしたよ、いいけど。それをくわえさせて毎度犯行に及んだのだろう、と。でも現在わかっているだけで3件の「赤い金魚」遺体の死因に共通点はなし。それを連続殺人とは言わないね、と警察は剣もほろろです。
それでも検証を続けるUDIで、「F」を探す六郎くんが挙動不審です。火事場隣宅でみつかった遺体の死因を、ボツリヌス菌だと言った六郎を嗤い
「『B』は、もうやった」
と怪しすぎる言葉を吐いたフリーライターにお勧めされたのが「F」 怖すぎでしょ、過去記事の、死因に書き添えた英訳「Beat」これが「もうやった」Bだとしたら。そして中堂の目に止まる「ピンクのカバ」それは亡き恋人夕希子の失われた第2作。なんでこれをお前が!ってなりますよね。

回想の中堂さんは今よりこざっぱりしていて、食事に通っていた店で夕希子(橋本真実)と出会います。社交的で明るい彼女と寡黙な中堂さんが、挨拶を交わすようになり、ピクニックデートなんかしちゃって!出版される絵本をじゃじゃーんと取り出す、そんな明るい彼女なのに物語の終わりは死んで花になる鳥。
「寂しい人生でも、最後ぐらい花になったっていいじゃない?」
だなんて、影のあるセリフでドキッとさせたかと思うと「幸せにしてくれる?」と更にど直球逆プロポーズでドキドキさせられて……。
次の場面では遺体袋の中の人。
そのまま何も言わずに解剖した、と何度も語られてきましたが今回は初めてその後、同僚が退出し一人に もとい二人きりになった解剖室で泣き崩れるところまでを描いていました。切開痕をテープで隠された恋人に触れて慟哭する姿を。

中堂さんが探した共通点は「赤い金魚」
ライターが嘯く共通点は「人生の転機」 転職、離婚、自立……。
そこで今回冒頭の場面と、靴の有無が視聴者には結びついてなるほど納得ですよねえ。靴を履いていなかった夕希子の遺体。なにも『部屋に上がりこむほどの仲』だから靴を脱ぐとは限らずに、「人生の転機」に引越しを考えて、不動産の内見をするんならナルホド、靴は脱ぐし知らない親父と二人きりにだってそりゃなるわけで……。あああ、だったら彼女は、結婚を考えたことで死ぬことになってしまったのでしょうか、それは気づかないで中堂さんorz 

結局死因はホルマリン注入。
解剖すると臓器はホルマリンに漬けるんですから、そりゃ普通の検査で出てきませんよね。死亡推定日時が動き、犯人が推測されるなり殺しに走る中堂w 追う六郎、通報するミコト、駆けつける警察。しかし時すでに遅く、証拠に火を放った犯人は……。

なんと自ら出頭して次回に続きますよおおお。犯人殺害は『殴ってでも止める』と宣言するミコトでしたが、殺さないまでもせめて一発殴らせてあげたいのですが、ダメでしょうか……。
ラボ内にリーク者がいると把握した所長。六郎とバレるのも時間の問題ですが、明るみに出ればラボの証拠能力も問われることになると。それも犯人を裁く過程で問題になるのでしょうか。
最終回もどこまで神がかるのか、楽しみですが終わってしまうのは嫌です。

そういえば、ミコトが一家心中の生き残りだった件はどこへ。最終回も関係ないまま終わりそうですよね。よし六郎とミコトの恋も含め、そっちはシーズン2で!


「アンナチュラル」8 ☆☆☆☆

 守りたい、大事な場所があなたにはありますか。

六郎の父(伊武雅刀)登場。
医者一族に育ちながら、医療への情熱を見出せず寄り道を繰り替えす六郎(窪田正孝) そんな息子が歯がゆく、死体相手のUDIラボも辞めさせたい父。でも、幼き日の六郎の疑問に向き合えず、目標にもなりえなかった父親なんだけどなあ。居場所のない彼を「うちの六郎」と呼び「優秀」だと公言してくれるミコト(石原さとみ)を六郎が好きなのは……可愛いからだけじゃなく、心の支えなんだろうなあ。惚れてまうやろ~!

 そして火事場から焼死体が10体!
うち1体にだけに、生前の傷と緊縛の跡が見つかり、すわ殺人!隠蔽のための放火かとザワザワ。また判明した身元が、前科はあるわ強面だわ、いかにもトラブルを招きそうなの、ずるいですよねえ~。駆けつけたご両親にまで、他人様に迷惑をかけ続けて死んだと嘆かれてしまうとは。
しかし我らがUDIラボのめげない面々は、現場の手すりに血痕をみつけだし頭部の傷は殴打でなくバックドラフトによる事故の可能性を。そして意識不明の生存者にもあった縄目との合致から、その前科者がしていたことを突き止めるのです。救命搬送、必死に皆を救おうとしていたのだと。
もうこれ書いていてまた泣きそう。
勘当された前科者が、常連になっていた雑居ビルの店々。彼にも家族のような仲間がいたこと、その家族を守ろうとしたことがきちんと判明し、ご両親に知ってもらえて本当に良かったです。しかも縄の使い方は、消防士だった父親が教えたのよー(TT)

 また、ラボに置き去りの骨壷にも様々な背景が。
2話の冷凍遺体、ダイイングメッセージを遺した彼女はいまだ身元不明。かと思うと、行き倒れて半年後の身元照会に、骨なんて女房じゃないと愛妻の死を認めない男(ミッキーカーチス)も。ゴミの分別で言い争った妻が、戻らなくなってから家はゴミ屋敷だなんてね。
「バチがあたった」
という男を強く否定する所長(松重豊) 良い人も、悪い人もただ死んで、生きている人はたまたま生きているのだと、日常的に死にたちあっている人に言われると腑に落ちます。震災の現場にもいたのね所長……。

検死への想いを新たにした六郎。寄稿していた雑誌社との縁を切り、父にも勘当されて戻ってきた彼にラボメンバーが当たり前のようにかける
「おかえり」
ああ、ここが六郎の家。六郎が帰ってくる場所なんだと、泣き笑いの六郎くんと共に胸が熱くなりましたよ。

……しかし、快く六郎を送り出した編集長(池田鉄洋)はUDIラボスキャンダルの告発を準備していたし。例の情報屋(北村有起哉)が『六郎に』と預けたまま彼の手に渡らなかった封筒には……『ピンクのカバ』の絵。それって、中堂の亡き恋人の次回作??そして現れる赤い金魚!
ああもう最終回になっちゃうんですか。見たいような見たくないようなですよ。

今回大量の焼死体発生に、ヘルプできた坂本検査技師(飯尾和樹)が仕返しのようにクソ連発で挨拶してくるの、笑えました。仕事でラボに現れてたミコト養母(薬師丸ひろ子)が、刑事さん葬儀屋さんと周辺の独身男性を大調査してミコトに怒られる場面も、緩急あって大好きなのよねえ。

「アンナチュラル」7 ☆☆☆☆

 また神回か。ただしUDIラボが奇跡的にヒマな日でしたけど。

 高校生が画面の向こうで、遺体の死因を当てろと迫る。
そんな予告編だけでは、まぁたサイコパスかよと鼻白むような事件にみえますが「アンナチュラル」は違いましたよ!そもそも今回、相手の正体はわかってるし。

離島での検死の補助に、とネット越しでの検死マニュアルを所長(松重豊)が配り中堂(井浦新)がゴミ箱に捨てる、ある日のUDIラボ(^^;;;;)
塾講師の弟から、生徒が検死に興味あると紹介された高校生白井くん(望月歩)に電話をしたミコト(石原さとみ)は、
『人を殺した、死因を当てろ』
と挑まれるのです。いや、画像加工で顔を隠しても絶対白井くんでしょw 画面奥で死んでる子だって、すぐに誰だか分かるはず。生配信中らしく「M先生」と呼びかけられたって、ミコトも「Sくん」なんて応じてやらずに「白井くん」とズバリ呼んだっていいのに。そもそも答えてやる義理もないのに。まさかの挑発に乗ったミコトは、こんな仕掛けをしてまで彼が『言わせたいこと』を探るのです。

まずはイタズラだろうと鑑識もよこさない警察に先んじて、移動暗室とルミノール液で学内の血痕をみつけ。生徒に聞き込み。朗読される小説のトリック、白い粉、窓、排水溝。動画視聴者数により開示されるヒントは 背中の傷、腹の鬱血点、治りきらない痣の痕。前夜待ち合わせに現れなかった白井くん。


 さっくり言っちゃうと自殺でした。
白井くんが刺し殺したのでなく、いじめていたナイフの持ち主が殺したわけでもなく。ふざけて計画していた通り、いじめ犯に疑いがかかる様に自殺をした。運悪く彼らが万引きでアリバイのある日に。でもそれだけじゃないと、ミコトは私見を続けます。
「法医学的には自殺、でも私の見解は いじめによる殺人」
動画配信は遺書だ、と自死しようとする白井くんに語り続けるのです。そいつらは転校し名前を変え悪びれもせず生きていくだろう、死んじゃダメだと。血痕をたどったラボメンバーも乱入し、少年の手から刃を受け取るのは、中堂。

生き残ってしまった少年に、同じく生き残ってしまった二人が必死に伸ばした言葉が、手が、届いたことが感激でした。


 解剖台で寝泊まりし、ラボから一歩も出ない様だった中堂がミコトに巻き込まれて動きだし、海に、大学病院に、犯人探しに。坂本さん(飯尾和樹)にも謝ったしねー、あの無愛想さが、「クソが!」の罵倒が、ギャグになる日が来るとはw
そしてついに「三澄先生」に”赤い金魚”を見せ、捜査協力をする様にまで!

中堂の恋人は本当に、連続殺人の被害者なのか? 新たな被害者は?

「アンナチュラル」6 ☆☆☆

 またも神回、もうこれが通常運転なの?
昏睡強姦は詩織さんもとい山口敬之事件を、集団なところは慶応等バカサークル不起訴を思い起こさせたところに、仮想通貨が絡み、締めは府中の飛行場、次々と実にタイムリー。
「合意のない性行為は、犯罪です」
よく言ったぞミコト!まったくもってその通りだよ!

てなわけで異性間交流会にお出かけの東海林嬢(市川実日子) なんと目覚めたらホテル、横には男の死体!ミコト(石原さとみ)に助けを求めてきます(検死官の友人、心強いw) 死因は意外や、窒息死。
死んだ男は泥酔連れ込みの常習ながら毎度『女から誘った』との証言で立件されずに被害者は泣き寝入りだったそうなのですが、その証人も同日に窒息死! 連続殺人の容疑者になってしまった東海林を、救えるのかミコト?真実はどっちだ?

 酔った方も悪い、露出が多いと東海林を皮肉る刑事たちに
『女性がどんな服装だろうが、酔っていようが、好きにしていい理由にはなりません』
ときっぱり言い放つミコトかっこいいよ!
UDIラボにまで本庁刑事が来ると知り『任意同行に応じたら、犯人にされる』と雲隠れをすすめる中堂(井浦新)実際に経験ある人の言葉はリアルですよねw 所長もごまかしに協力するのはラボのため!
一方でムーミンを餌に坂本臨床検査技師から連続殺人説を聞き出し、ジムでは心拍数など死亡時のモニターデータを閲覧と、今回も素人探偵にしちゃミコトたち大活躍で……とっとと警察の下部組織にしたいぐらいです。その合間にも、おおごとに巻き込んだ負い目も恥ずかしさもあってか
「バカにしてんでしょ」
とつっかかる東海林に、売り言葉買い言葉で
「友達じゃない」
なんて言ってしまうミコト。恋人と別れた理由も、心中事件のことも、話してないんですね。でもなんでもいえるのがイコール友達じゃないでしょう、しがらみなく楽しく過ごせる自分でいるために、言いたくないこと、というのもあるのでは。
そして別働隊、六郎(窪田正孝)情報はなんと。
強姦仲間は仮想通貨詐欺仲間でもあり、仲間割れをしたのじゃないか、と。残るひとりを助けなきゃと思いつつ、あんまりどいつも最低で足が止まるミコトたちなのですが、パイロットという仕事柄、客を巻き込む危険に思い当たっての猛ダッシュー!葬儀屋さん(流星涼)の車でかっとばせー!
この辺の、残るひとりをほって置きたい気持ち、そうもいかない正義感、実際ほっておけないタイムリミットの仕掛けも上手いですよねえ。そうそう、証人としても生きててくれなくちゃですし。 窒息死の仕掛けもなるほどでした。
大騒ぎで飛行機を止めて人命救助をしたあげく、毛利刑事(大倉孝二)がかっこよく見えちゃったり(普段イケメンじゃない前提w)、ただの同僚!と言い合いつつやっぱり笑いあっちゃったり。こちらは女同士の絆を深めて一件落着。真犯人(竹財輝之助)もしっかりつかまって良かったです。


 それにしても、六郎くんたらやはり坊ちゃん。胡散臭い情報屋(北村有起哉)相手に、身分証明を晒す警戒心がゼロですよね。請われるままに学生証と免許証をドゾー。友達ヅラされながらもまんまと、親兄弟が医者なことから何から調べ上げられていて、お堅い商売なことを思えば脅迫されたも同然です。いつぞやのラボの脅迫状もこいつ!そしてもちろん、ミコトが生き残りなことも知っていて……。
物語はどこに向かっているのでしょう。

「アンナチュラル」4、5 ☆☆☆☆

 神回立て続けかよ!
切なすぎて書くのが辛いです。

 4話では、大黒柱の父親が過労死/病死/事故死のいずれなのかと、責任の所在を巡って醜く争う大人たちとそれに傷つく子供を描き、UDIラボの尽力で判明した真相が涙を誘いましたよ。
TVでも大人気「幸せのはちみつケーキ」は大売れで、工場はサービス残業に次ぐサービス残業。その上クソ社長のパーティに、突然ケーキを届けることになってお父さん(坪倉由幸)は余分に運転し、居眠りで事故った傷が後に死亡の引き金になってしまうのです。
届けたケーキは食べられもせず床に落ち、事故ったお父さんは道に横たわる。その空には花火。……残酷にも美しいだけでなく、お祭りで花火の日だったから怪我して帰宅した日が特定できたし、社長もバルコニーで花火観ながらパーティしてたわけです。また、事故の証拠を遺体に探していたミコトたちに『バイクになら跡が……』と閃かせてくれたのが六郎くん(窪田正孝) 彼がライダーなのは初回からミコト(石原さとみ)乗せて葬儀場までぶっ飛ばすなど何度も見てます。そういう随所に無駄のない脚本が素晴らしいです。
事故現場=傷のあるマンホール探しでも、市内に何千個と知って気が遠くなったところに工場の人達が現れたのも感動的でした。ついにクソ社長に反旗を翻し、命より大事なものなんてないって工場を休みにしたんですよ!(限界疲れてた人は帰って寝たよね?)亡父の仕事を恨んでいた息子が、そこで笑顔を取り戻すのも良かった良かった(ケーキ販売店のガラス割るのはダメだったし、工場長に謝ってもと思いましたが) 
そしてこの騒動を週刊誌の記事にする六郎くん。ああ、医学生なのに無知すぎるのって、休学中なのって、そういうことだったんですね。

 5話は、自殺か事故死か。……と、解剖依頼をしてきた男は遺体の夫でなく同姓の同居人でした(それは騙されるでしょ!)
さらに遺体は盗まれたもの! え、どうやって?
ただ連れて帰るなら、実家の棺桶開けてどう運ぼうが自由ですけど。UDIラボに持ち込んだ時は??遺体バッグなり棺桶なり、通常の作法で運んでないと不審でしょうに。ついでに目撃証言を偽造した犯人のも、被害者のふりして海に飛び込むって冬の海w 下手したら心臓麻痺だわ、海から上がって濡れたまま帰るところは誰にも見られちゃダメってスゴイ賭けだったのでは。
と、ツッコミどころを先に書きましたが、そんなのどうでもよくなる程物語にはぐいぐい引っ張られましたよ。
両親の同意がない解剖は違法で、執刀医ミコトは遺体損壊罪?
当然解剖は中止ですが、中堂(井浦新)はちゃっかりサンプルを検査に出してるし。警察に『閉じろ』と命じられ、切除していた肺は戻さずにただ閉じて『言われた通り』と涼しい顔ですw

しかも依頼してきた恋人鈴木(泉澤祐希)が訛りも可愛く実直そうで、例によって損得抜きで調査を始めるミコト達なのですが。今回は中堂も妙に協力的。ラボでできないからと、自宅まで提供して試薬も市販品での徹夜の作業が始まります。東海林と六郎も呼び出され、エプロン姿で出迎えたミコトに中堂との仲を誤解したり、違うと分かって六郎がホッとしたり。そんなほのぼので誤魔化されていますが、中堂がそんなイイ人でしたっけ。
恋人の他殺体を解剖した男。そして検死官だから気づいた些細な特徴『赤い金魚』を、未だ追い続けるためにUDIラボにいる男じゃないですか。

結局、次々と集まるデータからいち早く真相を見抜いた中堂は、鈴木さんに丸っとご報告。復讐をほのめかすのに止めもせず、ただ天を仰ぐのです(そこに雪!)
慌てて追ったミコト達が見たものは、私は悪くない、自慢するから、と叫ぶ女に馬乗りになり包丁を振り上げる鈴木さんで……。
ケーキ屋に石投げを見ていただけの4話と違って、今度ははっきり止めたんですけどね。ミコト達の叫びは鈴木さんの怒りを鎮めることは出来ず、刃は振り下ろされてしまうのでした(そこで我にかえるだろう、外して土でも刺したろう、と思うと裏切られるのがこのドラマ!)
土に滲む赤い血、舞い散る白い雪。……天候も撮影に味方した名場面でした。

 幸い、刺した鈴木さんが素人(中堂評)で急所を知らず、ミコトの処置もあってか犯人は一命を取り留めましたが。中堂は恨む相手を知れた鈴木さんが羨ましく、逮捕で人生を狂わせたとしても「本望だろう」と嘯くのです。

そんな中堂にラボを辞めろと迫るミコト。
辞めないのならば、過去の事件について教えろと涙をこらえながらも毅然と、もう解決してしまいましょうと提案されて中堂は乗るのか。
六郎の記事も、そろそろ誰にしか書けないのかわかるでしょうね。
来週が、その先が楽しみで期待は高まりますが、見るのが怖くもあります。

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