スタイリッシュ真矢みきと人情もの。これが案外似合いです。
誰にでも、無料で親子丼を食べさせてくれる古本屋九十九のさくらさん(真矢みき)
ただし名前は書くこと。
それがあからさまな偽名でもいいし、お行儀が悪いのもある程度は仕方ない。でも叱ってきかない無礼な輩とは真っ向勝負!プロレス好きなさくらさん、若い男相手でも案外いい勝負しちゃいますw
集った者同士、親子丼を食べながらの自己紹介も刺激的で『月夜るな』(吉本美憂)の母はファミレスで彼女を殺そうとしたんだそうですよ。なのに止めたバイトの高校生が死亡。そんな深刻な話が
「笑えるでしょ?」
と軽~く繰り出されます。
「笑えないよ」
と答えた常連の達也(今井悠貴)だって実は、実父を殺しているんですよ。その後母親も失踪し、父のDVから守った妹と二人懸命に生きる達也を、さくらは全部承知でなにくれ支えてきたとのちに分かります。だったらこれくらいの話慣れっこか……と思いきや、激しくショックを受けているさくらさん。なんと亡くなったさくらの息子こそ、その高校生だったのです。
なんて巡り合わせ。
そんな折、達也の妹が夢だったアイドルオーディションに合格!
でも兄の犯歴に困った事務所の、死別で公表したい意向を知って、後見人のさくらは泣いて起こります。きちんと更生して暮らしているのに……って確かにそうですが、この情報社会。貧乏アイドルはまだしも殺人は……。うーん。結局さらに揉め、妹を連れ去る事務所と父が重なって激昂、鉄パイプで殴りつけてしまいます。連行前にさくらさんは、兄妹に親子丼を食べさせて
『自分次第でやり直せる』
『償って出所したらまた来るんだよ』
と送り出すのです。
それしか出来ない、と酔ってクダを巻く市井の人さくらさんではありますが、待っていてくれる大人がいることそのものが驚きだったと、『月夜るな』もとい、あざみの声が語ります。いつかあざみも知るのでしょうか、さくらさんが何故、親子丼をふるまうのかを。そして母の罪が笑えないことを。
サスペンスばかりが土ドラじゃないのね。家出娘や不良の他に、障害者も来るらしい古本屋。続きが楽しみです。