実写化ワースト何位と取りざたされましたが、そんな酷くはないですよ。コスプレ具合はOK、つまらなくもない。原作好きですが、怒りがわく様な改変もないし。ただコレジャナイ感が拭えないだけ(^^;;;)
優しいお母さんが死んじゃった、という子供時代で物語は幕を開けます。まあ時系列通りで妥当ですが「亜人」のいきなりクライマックスで押すパターンが意外に良かった後なもので、ちょっと心配に。そして禁断の人体錬成からのタイトル後、育ったエド(山田涼介)があの赤い衣装に金髪でヨーロッパな街を走り回り壊しまくるアクションに入ると……。ああ、ここから始めちゃ、もっと無理wと悟りましたよ。ええ。賢者の石だ、国家錬金術師だの用語や錬成される怪物よりも、巻き添えで壊れる屋台が新品セットなことのダメージが果てしないのですw それらしい衣装のモブもアトラクションのキャスト感。でもここで外国の人並べても、主要人物が「テルマエロマエ」以上に浮くでしょうし、ねえ。
てか、アルが鎧着てるわけじゃなく空っぽなことは内緒なの?終盤で中にウィンリーを隠して驚かせたいの?
「アルを元の身体に」
とエドが主張し続ける根本、アルがどれだけ人間が遠くなってるかが初見では分かりにくそうなのですが。まあ原作知らずに見る人もそういないってことでしょうか。
そんなこんなで街の人相手にアルが錬金術を説明する形で基本設定をお披露目。軍隊パートでは焔の錬金術師ロイ・マスタング(ディーン・フジオカ)やヒューズ(佐藤隆太)と、カタカナ名前の日本人がどんどん出てきて不安になりかけますが、スタイルのいい俳優さんたちが軍服をカッコよく着こなしてくれてると、まあいいかって気に。そこからの『人語を解するキメラ』パートでは、タッカー(大泉洋)が人畜無害とマッドサイエンティストの両極を好演してくれます。ああ、こういう映画に欠かせない國村隼も申し分ないドクターマルコーでしたw
人外ホムンクルスが登場すれば、半裸エンヴィー(本郷奏多)の年齢不詳な腕の細さに驚き、ラスト(松雪泰子)の谷間は惜しげなく、グラトニー(内山信二)の再現率に笑い。謎を解いて駆けつけた場所には、捕虜を材料に作られた大量の賢者の石が眠り、死なない兵士が生み出されていく……。 この辺はもう、軍事力絡んだら定番の企みでしょ。ただ、糸を引いた将軍(小日向文世)が、その怪物兵士が自分に従うと信じてた訳を知りたかったですよね。「パパだよー」と丸腰で近づいて食われてるの間抜けでしたw
そしてついにアルの身体を取り戻すべく、『真理の扉』と対決するエドでしたが。賢者の石を使えずに戻り、アル本人も『他の人の命と引き換えに戻るより今のままでいい』と。うーん。戻さないのは別にいいんですけどね。もう石になっちゃってる捕虜たちが生き返るわけでもないのにと思ってしまったり。いっそオリジナルで、キメラにされちゃった犬とあの娘を元に戻してあげちゃっても良かったんじゃないでしょうかね。ダメですかね。
そしてラストはお約束の、続編につながるカットw
そりゃこの先まだ壮大な続きがあるし、アルも人間に戻してあげたいけど、無理でしょうねえ。 せめて妄想キャスティングでも考えたら、アームストロング兄は鈴木亮平かw 隣国の王子は綾野剛でw てか、西村雅彦がモデルと公言されてたヨキを、西村まさ彦氏で見たかったですよ!
あと、ロイの発火技が火炎放射器みたいになっててw それだけは違うはずw
MOVIE
かわいい映画。
綾瀬はるか演じる妄想OL木絵がひたすら可愛い。そして妄想が愉快(塚地の小人w) たしかに、日頃嫌な本音に晒されているテレパスがこんな愉快なもの見せてもらえたら一発で惚れますね! それに比べると、木絵がエリート社員で御曹司(で実はテレパス)な高台光正(斎藤工)を憧れ以上に好きになる過程はちょっと大雑把だったかも。イケメンに優しくされたらそりゃ嬉しいですけども。こんな人と自分が釣り合うわけがないという引け目を超える何かがもっと欲しいよね。
しかもトントンと恋がすすむと、お城のような実家に連れて行かれてテレパス弟(間宮祥太郎)妹(水原希子)や怖い母(大地真央)変な父(市村正親)に紹介されて。薄々心を読まれている様な……と気づいてはいたものの、婚約発表の前に『本当に読心が出来る』と告げられて以降、おびえた木絵は心を隠そうと緑の平原のことしか考えなくなってしまいます。何を考えているのかわからなくなった光正もつらいでしょうが、木絵だって妄想ができなくてストレス。見てるこっちも楽しい場面が減って残念でしたよ。ついには、結婚式から花嫁が逃亡してしまい……その後よりを戻してハッピーエンドでしたけどね、だったらそもそも逃げるなよって話で、印象しりつぼみでした。
せっかく楽しい妄想で始まった映画なんだから、最後もド派手な妄想広がる愉快な新婚生活で、明るく締めて欲しかったですよーん。
そうそう、3兄妹の読心力はイギリス貴族の祖母(シャーロット・ケイト・フォックス)譲りだそうですが。嫁である光正母はその祖母の能力も、自分の子供たちの能力も全く知らないんですってよ。なんてことでしょう。
アクション満載!それも『死なない』という亜人の特徴を最大限に活かした、鬼気迫る戦法が堪能できます!そこは満足。
冒頭からすでに拘束され、四肢を切断され殺され……蘇生、という凄惨な生体実験を繰り返されている主人公圭(佐藤健) そこにイキナリ、武器持って亜人の佐藤(綾野剛)が、救出にて警備員を大虐殺! あれよあれよと死体は山になり、佐藤は佐藤で何度も死んでは生き返りますよ。麻酔弾は自分の腕ごと切り落としw もっと重症を負ったら自死して復活☆ うわー。イケメン見に来ただけの女子は泣いちゃうかも、それともキョトンかな(^^;;;;)
てっきり平和な日常から始めて、交通事故→蘇生→亜人だ~ となる序盤を予想していましたので。まさかの説明ほぼ無し、のっけからクライマックス並みなアクション。むしろ原作既読なゆえに大胆カットに驚きましたが、確かに実験&戦いの場面でこそ亜人の『死なない』特徴がよくわかるわけで。テンポよく世界に引きずりこんで2時間でまとめるには良い導入だったんでしょう。
川に飛び込んで逃れ、農村で老女に匿われて暮らし始める圭。そのうち病床の妹も来ちゃいます(身内の警備、甘すぎるw)
一方の佐藤たちは『亜人特区』を求め、テロ並みの破壊行為も辞さない強引さで政府と交渉を試みますが、現実的な提案を蹴って仲間割れ。もう佐藤は特区なんかより、戦いに身を置くことの方が目的なんじゃないかと思われてきますよね(特に映画の佐藤は、10代で亜人と判明してからの人生大部分を生体実験で過ごしたそうなので……他人の命を大事にする動機ゼロです)
で、その亜人の再生と戦闘に深く関わるのが亜人にしか見えない黒い霧……と、その霧で出来た人型の何か。クロちゃん、と持ち主の亜人が名付けてたりもしますがw 原作での総称IBMは出てこず、あまり説明もされずにアクション場面に華を添えてくれます(^^) ダクトから霧を流してビルに充満させたら、亜人だけの視界を奪うことができる……という作戦も面白ナイスでしたよね。
てなわけで、毒ガスが保管されているビルを争奪戦。
亜人をほぼ制圧した……と思われたところでの、佐藤登場は凄かったですねえ。なにしろ全裸、もといw 『亜人遺体をバラバラにしたら、一番大きな断片の場所で全身が復活する』という特徴を活用し、ビル内に大きめの断片=手首を持ち込ませて、佐藤自身は自ら破砕機に入るんですよ。気軽に、ニコニコと。そんなことのために機械貸したつもりなかっただろう作業員さん(今野浩喜)が可哀想です。そしてビルでは佐藤爆誕!全裸でw
形勢は一気に逆転、追い詰められた圭あわやなところで、特殊部隊が到着し二人まとめて凍らせて。←そのまま凍らせておけばいいのに。粉々に砕いて掃除機で回収、なんてするから……。佐藤との戦いの最中、切断され隅に飛んでいた片腕から圭が再生。全裸でw
そしていきなりビルのガラス破って飛び降りて逃走という、いや全裸で?オフィス街のど真ん中で全裸で? と余計な気持ちのままクレジットを見守ることになるエンドでありました。更に、佐藤の帽子を拾い上げる手。後からどうとでもとれるカットもあって、続編に色気満々か。
グロさでは双璧「東京喰種トーキョーグール」は続編決定、こちらはどうでしょう。そこまでヒットしなかったかな。
綾野剛のキャスティング、最初は若すぎる、堺雅人で是非、と思ってたのですがw アクション場面の満足度と、佐藤健と共に披露してくれた肉体美に、なるほどこれは適役だったかと。YouTuberが亜人事件を解説してたり、避難を促したりするカットも今時で楽しかったです。
プロポーズに戸惑う若い娘が実家に戻り、おばさま達の愛の遍歴語りを聞くことで結婚への認識を新たにしていく……のですが。
その、実家に集まってキルト縫ってる人達がみんな、旦那が浮気しただの未婚で出産母子家庭だの、出来ちゃった結婚で不満だらけで別れちゃっただの、およそ穏やかではない結婚生活ばかり。当時は避妊て考え、なかったのね。それでこのキルトは結婚祝いよーとか言われても、素直に喜びにくいじゃないですか。そのせいなのかは知りませんが、
「婚約者がいるの」
と言っておきながらも、地元のイケメンと寝てしまうヒロイン。あーあ、もう。
必死で書いてる論文も、タイプ打ちでコピーがないとか信じられない(><)なのに風で屋外に散らばり放題になっちゃった時には、もうこれで書くのを辞めてしまうんじゃないかと思いましたよー。
そして、おばさまの1人に聞いた様に、大きな鳥に導かれて行く先には
『神様が決めた結婚相手が……』
まあこういう決心の仕方もあっていいのかも。少なくとも、バラ色の結婚生活だけを思い描いていたよりは、もしもの時の心構えが出来ていますよね。
ところで、キルト=パッチワークです。
いくつものモチーフ(今回は、「愛」をテーマにそれぞれがデザインして持ち寄り)を色やバランスを考えてつなげ、縁取りなどを加えて最終的にはベッドカバー大に仕上がります。開拓時代は丸太の家のすきま風ふさぎに使っていたとか。
壁に掛ける装飾品のイメージが大きいのですが……。
映画の最後、早朝に鳥を追いかける場面でヒロインが仕上がったキルトにくるまっていて暖かそうでした。そういえば先日読んでいた推理小説でも、警察に保護された犯罪被害者を、ボランティアが寄付したキルトでくるんであげていたのを思い出しました。手仕事は暖かい愛の象徴でもあるのでしょう。
ちょーくだらなくて大満足w バカップル両親(田辺誠一&内田有紀)可愛かったし、ヒロイン橋本環奈の変顔にもお腹いっぱいです(^^)
生まれながらに超能力全開の主人公、斉木楠雄(山崎賢人)は、勤めて普通に暮らそうとしているのに、バカすぎて予知ができない級友や自信過剰ヒロインのおかげでトラブルの連続。平和な文化祭(の、間にフケて行く恒例の温泉一人旅)は守られるのか?
いやどーでもいいしw
終始真顔で淡々としか喋らせてもらえない山崎賢人。漫画の実写化というと駆り出され、もう代表キャラなんてあって無きが如しになってますがw 私の中ではこのピンクの髪と変な制御装置が一番似合ってました。 あと新井浩文のケツアゴ特殊メイクねw
エンディング、撮影現場写真では笑顔がみられてなんだかホッとしました。
阿部寛がバブル期のウェアでスキーするコメディ。それだけの認識で見たら、案外ヤバいお話でした。
ニュー炭疽菌を開発者が盗難。身代金を求めてきた後にうっかり事故死←おい。
どこかの雪山に、目印のテディベアの下に埋められたポットを、金曜日までに確保しないと冷却機能が停止。雪解けと共に被害は拡大するだろう……。という、大災害が予測される事態だというのに、公にしたくない所長(柄本明)命令で、捜索は研究員の栗林(阿部寛)一人に任されてorz 写真を見たスキーショップおやじの『これは…長野かな』ってな勘だけで、中学生の息子(濱田龍臣)を、連れて行くんですよ!えええ、むしろ遠くに避難させてあげましょうよ(^^::::::) そして広大な野沢温泉スキー場で、しかも滑れずに埋まるばっかりの栗林ひとりに、何ができるというのでしょう~。
もっとも、世界壊滅映画のわけないし。
ほっとかれた息子が知り合った地元中学生ネットワークと機転で、かなり助かるんですよ。連れてきて大正解。そこで挟まるエピソードが、食堂の幼い娘さんが『中学で流行したインフルエンザを移されて死んだばかり』だというorz それで客足は減ってるし、ママさんは心労で休憩多し。元凶の中学生に仕返しを企んでいるのではないか……なんていう悲しいミスリード、要りますか? そして銃ならまだしも炭疽菌で報復だなんて、素人が思いつくもんかー!
しかし逆に『客の失せ物を探すのも仕事のうち』と巻き込まれるパトロール隊員は、反応が薄すぎです(^^;;;)
最初は『盗まれた特効薬』だと、人助けのために協力してたのに。うっかり割ったと勘違いした阿部ちゃんが悲鳴あげて退避を叫ぶほど危険も危険な『大量殺人兵器』が失せ物だと分かってからも、嘘には怒っても、捜索はまた淡々と続けてくれるんですよw 私なら無理~せめて見つけた後の取り扱いをきっちり、みっちり、教わらないと、取り急ぎ探すとか無理〜。
謎の男(ムロツヨシ)はナイスどどめ色!オリンピックを目指すスノーボーダー(大島優子)との追いかけっこ、ストックでの撃ち合いをGoProだっけ、今時の動画カメラで撮影した映像は迫力満点で、スキーに行きたくなりますねえ。ネットにそれがアップされ、有名になっちゃったのも愉快。オリンピックもがんばれー。
そして盗難は無事解決(^^)
最後にはダメ親父を返上、カッコイイ背中を見せてくれるのでした。よかったよかった。
悪趣味で、満足。
流血や死体描写は納得づくで鑑賞の、原作既読派です。それより喰種(グール)になった窪田正孝が食事が出来ず、でも飢えてあれこれ口に入れては吐き散らす場面の方が、すると分かって見ていても辛かったですね。なにしろ死体は作り物でしょうが、吐かれるハンバーグやサンドイッチ、牛乳、野菜は本物ですもんねえ……。
戦闘場面も、決め技は生身よりCG触手(赫子かぐね)がお仕事するのでむしろガチバンシリーズより動かないぐらい。飢餓や狂気は熱演ですが、ただ窪田正孝を鑑賞したい向きにはお勧めできないかもです。作者が推しただけあって、はまり役で素敵なんですけどねえ。血まみれですからねえ。そして人肉を囓る清水富美加には、これで出家しちゃったのねえと複雑な気持ちに。
というわけで主人公金木(窪田正孝)は読書好きの非モテ大学生。
憧れのお姉さまリゼ(蒼井優)にやっと声をかけ、初デートにこぎつけた……と思ったら、彼女の正体は喰種。抱擁から肩を食いちぎられ、逃げ惑う金木を笑顔で狩る彼女の、背から生えた触手に貫かれた刹那。リゼは落ちてきた鉄骨の下敷きになり死亡。病院で目覚めた金木には、損傷した部位の代わりにそのリゼの内臓が移植されたというのでした……!
その後、人間の食べ物を口にしても吐き、目が赤く光り、段々と喰種になっていく金木は、喰種対策局の捜査官たちに追われる身に。金木の他にも、ヒトを殺せない喰種は存在し否応無く狩られていきます。ヒトと喰種、世界を歪めているのはどちらだというのか?
もちろん大喰いリゼや、裏路地を喰い場にし大学で金木たちを襲うような人殺し喰種がいるから対策局があるわけですが。
喫茶『あんていく』に集う喰種は穏健派で、飢えた金木を匿い雇い、珈琲で飢えをまぎらわす術を教えてくれます(金木のウエイター姿最高)
店にはヒトの客も喰種の客もいて、平和。喫茶バイトの喰種トーカ(清水富美加)なんて高校に通い、少食を心配して手料理を作ってくれるヒトのお友達までいるんですよ……。吐かずに頑張って喰べていて泣けます。また、店が都合するブロック肉も自殺遺体由来。それで暮らしている客、笛口母娘なんて優しげで、罪がないじゃないですか。
花柄ワンピの娘喰種ヒナミちゃん(桜田ひより)が素直で可愛くて、なのに自分の食事に胸を痛めていて可哀そう……。
家族を悼む気持ちが喰種にだってあるんです。なのに、それを利用して番いを捕まえようだの、笛口母(相田翔子)を、その夫の赫子由来の武器(クインケ)で殺そうだのと、人間の捜査官の方がよほど人非人です。特に真戸(大泉洋)が、白髪と相まって変態度増し増しで好演ですね(そして相棒捜査官亜門は、綺麗な麒麟川島。ウソ、鈴木伸之なんですが、いつにない髪型とスーツで漫才師感がねw)
母が命がけで助けたヒナミを、それでも追う喰種対策局。
「寄生獣」では死ねばお終いでしたが、喰種の死体はクインケ等に利用していると聞くと、君ら素材欲しさに喰種殺しているのでは、とちょっと思ってしまったり。勿論、真戸の指輪や墓石などに示唆される、それぞれの歴史もある筈とはいえ……とりあえず映画版においては対策局の方が殺し屋にみえます。
捜査員草間(前野朋哉)の殉職に、泣き崩れる母上はお可哀そうですけど、笛口家は遺体を持ち去られ加工され、弔うこともできてないのにと思っちゃうじゃないですか。挙句、ヒナミちゃんを今度はお母さん由来のクインケで狩ろうとするなんて、また真戸は。
結局、作中でヒトが倒す喰種は共存を望んでいた優しい人ばかり。もっと培養人肉を提供するとか、喰種対策局も方針を考えないと潰し合うばかりなのにそんな未来は示さずに終了。リゼ→金木への無茶な移植の背景とか、みんな大好き高槻泉の小説についてとか、入れたくなりそうなのに、よく我慢しましたよね。それでも、病院で目覚めた親友ヒデは、金木が返したノートを見て何を思うのか。続編に余地を残し……でもこの先は金木もヒト離れしグロ度跳ね上がりますしねえ……。
「生きてていいのかな」
と問うヒナミちゃんを肯定し、自らも亜門にトドメを刺せない優しいカネキ。平穏を取り戻す『あんていく』……映像化はこの辺まででギリでしょうか(^^;;;)
赫子が出ると、多分破れている喰種たちの背中……金木マスクの口元ジッパーも実用的でちょっと笑ってしまいましたw漫画やアニメだとスルーな部分、実写だとやはり気になりますね。でも良い実写化でした。
オリンピック代表選考に必殺技w 本格派スケーターが主役なのに、なぜこうなったー?
ヒロイン美和(西田美和)はプロフィギュアスケーター。後進の指導もしつつ、アイスショー出演も続けている現役です。
ある日、リンクで保護された迷子はその昔結婚も考えた元カレ(金子昇)の娘。スケートに興味がある様だからお前が教えて、と電話で言われたまま迎えに来る途中で男は事故で死亡。母親や親族とは連絡がつかないと何故かヒロインが面倒をみることに。そして、その娘が「なんで?」「なんで?」と無邪気に聞いてくるうちのひとつ
「オリンピック出ないの?なんで?」
が何故か心にひっかかり、美和は40歳にしてオリンピックシーズンの競技に復帰を決心するのです!謎の破天荒コーチ(平泉成)の協力もあり、空手の技を活かした必殺回転ジャンプで全日本選手権優勝を目指すのだー!
いやもう、どうしましょう。
ヒロインを演じる西田美和さんは実際にプロフィギュアスケーター。本田望結主演のドラマ「スケート靴の約束」(弊レビューこちら)で振り付けを担当した方で、子供スケータの指導場面はご本業。アイスショー場面も本当にご出演の本物のプリンスアイスワールドより。映画開始13分目から荒川静香もがっつり滑ってくれます。オリンピック女子代表枠「1」(ここに一番、違和感を覚えましたね。平昌もソチもその前のバンクーバー、トリノも「3」です)を争うライバルにも村主千春(村主章枝の妹)、解説は佐野稔氏!落ち込むヒロインを氷上で慰める安藤美姫!
スケートの場面は素晴らしいんですよ。なのにどうして、最後に空手をアレンジした大技ジャンプさえ決めれば勝てる……って、バカな少年漫画風になっちゃうのだorz それも、開脚で飛び上がってから捻って回るって……旋風脚?
その他にも、やたら切り替わるカメラ。やたら英語のナレーション。いくら元カレがTV出演する有名人だったからって子供の保護先をマスコミが連日報道w ありえないw またその子役が唾を吐くような山猿演出でねえ……普通に可愛くしてあげたらいいのに。最有力候補の時東ぁみ選手が失明寸前って設定も、何。
『何歳になっても、挑戦はできる』
というテーマは素敵ですけど。そもそも、幼いヒロインに『メスは子供産め』と呪いをかけた父のせいで、若かりし選手時代にオリンピック選考会を棄権して悔いを残したのに。その亡き父に捧げる曲を選ぶのも、まだ呪いが解けていなさげで怖いです。
見る前に心配だった、ヒロインの演技力はまったく危なげなく無問題でした。空手レッスン場面でもさすがの体幹力!その分、他のトンデモばかりが目立つったらありません。ちなみに安藤美姫の役は「謎のスケーター」w 慰めに来た安藤美姫本人でいいじゃないですかw
元々は「役者ダマしい」でみた金子昇出演作をチェック、アマゾンプライムで無料で観たからいいんですけど。
なんでこうなった。
<後日追記>
衝撃で辛口なことばかり並べましたが、ちょっと考え直しました。
フィギュアスケートのファンだけを相手にしていたら、広がらないのかも。これからもルールや競技レベルは変わっていくでしょう。空手でも家庭問題でも少年漫画でもアニメでも、ガンガン取り入れて間口は広い方がやっぱり良いのかも。そして奇想天外な作品ができても、案外現実はそれを超え、開脚で3回転する日が……それはこなくてもいいかw
欧米ではティーン向けのスケート映画がいくつもあります(ex「アイスプリンセス」弊レビューこちら)日本でもそのうち「スケート靴の約束」みたいな映画が本格的に作られたら素敵。そう思っていた方が夢が広がりますよね〜 。小芝風花コーチや選手役の本田望結?
友情出演:羽生結弦だったら、もう謎のスケーター役でいいですw
バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!
実は「王の凱旋」から見ました。
一応「伝説誕生」が先で「王の凱旋」が続編、友人に今なら2がある、すぐ見ろさあ見ろと勧められた時に躊躇しないではなかったのですが、なるほど問題ないです。ちょっと変わった語られ方ですので。
ざっくり言うとインドの王族2世代の話。
国民にも象にも熱愛される超人王子バーフバリが、それを妬んだ兄王子の策略で王座を譲り、更には裏切りで命も落としてしまいます。その息子は川に流されるも生き延びて、父そっくりに成長した25年後、王宮に戻り憎っくき叔父王とONE PIECEやドラゴンボールもかくやという肉弾戦を繰り広げ、幽閉されていた母を救うのです。
バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!
それを映画2編で描くとなると、本編と続編/本編と前日譚、となりそうなものですが、何故か両方とも二つの時代を半分ずつ描いて補完、どっちを先に見ようが重ならない仕組みです。1で既に妻となっている姫を父バーフバリが口説くのが2、2で紹介もなく側近してる女戦士を息子バーフバリが口説くのが1。そう、どっちも前半で『戦う女』を口説き落とします!顔だけじゃなく、女の好みも同じな父子……w
とにかく、細けえことはどうでも良くなる超人パワーw
船はノリで空を飛び、弓に5本同時につがえた矢は5人に命中しますから!カッコよかったらええねん、という力強い戦闘シーンには昭和の少年漫画を彷彿としました。平服のバーフバリ王子が力強く歩くうちに甲冑を纏っている場面、既視感ですよねえ。「蒸着!」とか「出でよ◯◯!」とかを省いただけですって。
そう、スピーディーな展開も魅力です。赤子から美少年→美青年→ヒゲでむちむち、と完成体に成長するまでに5分あるのかなw
日本人的には、美青年で時を少し止めてと思いましたけどもw 『素敵な主人公』像が大人なインド映画、体毛もヒゲももっさりなバーフバリが主人公です。でも実は25才と知ってびっくりw
違うといえば刺青への感性もw
恋する彼女に近づくために、こっそりと刺青をいれるバーフバリ。戯れる魚にまぎれたり、蛇に気をとられている間にって、気付かない方もどうかしてますけど、完全にストーカーw 日本でなら傷害罪だわ! 男女手を繋ぎ抱きあうと、お互いの刺青が重なって羽ばたく鳥となる意匠は素敵なのですが。これを勝手にされて、ときめくんだあ(^^;;;)
すっぴんで戦闘服の彼女に、戦いながら紅を差し、髪をほどいて衣装替えもさせるメイクオーバーも、まあ無茶で凄技、でもお約束の
「これが……私?」
これはまた既視感だぞ??
日本のアニメもこんな風に、驚かれたり呆れられたり、でもここは同じだねっとうなづかれたりされてるのかも。それはさておき、悪くて強い奴をぶっとばし、お母さんを助け出してすっきりです!
バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!
1を見ると2を、2を見ると1を見たくなる罠w
「ボケ老人」との空耳を狙ったナイスタイトルw 老人活躍コメディです。多少の驚き展開はありつつも、全体は予想通り、それでいいんです。
ヒロイン教師千鶴(杏)は、新任地梅ヶ丘町でのコンサートに感激。早速コンタクトをとり『梅ヶ丘フィル』入団……のはずが、そこは老人ばかりの『梅ヶ丘交響楽団』で、超へっぽこ。誰も指揮は見ない、すぐおやつ休憩、いきなり一人死亡orz
実は元々メンバーだった大沢(光石研)が、仲間を連れて離脱し『フィル』を設立したのだとか。仕事でも、『楽団』代表野々村(笹野高史)が営む古い電気屋の目の前にどーんと大沢デンキビルが建つなど対立必至w 間違えたと言えなくなった千鶴は、辞めようにもいろいろ(笑)引き止められ、入院した野々村の代わりに指揮や指導までする羽目に。
それでも元々志望の『フィル』オーディションに挑戦&合格、両団掛け持ちする中で見えてきた方向性の違いとは……。
誰かを蹴落とす仕組みの梅ヶ丘フィル。高名な指揮者フィリップをフランスから呼ぶ手腕は大したものだけど、彼の大事なカセットデッキが壊れても新品を渡せばOKの姿勢と、出演者選抜にフィリップはお冠。
一方の梅ヶ丘交響楽団は、へたっぴでも和気藹々。もちろん古い機械は修繕して使う派! 野々村と意気投合、デッキを直してもらったフィリップは大喜びです(通訳のラバーガール飛永、終始真面目なのになんか面白いw)
さて、あなたが演奏を続けるならどっち?
……って、そりゃぬるま湯楽団は楽しそうですけど、上手くもなりたいジレンマ。それが梅ヶ丘交響楽団たら、今まで通り楽しみながら上手になっちゃうんですよ。それも高名なフィリップのおかげだったりせずw ロミオとジュリエット、野々村の孫(黒島結菜)のカレシ、大沢息子の指導がターニングポイントになるところが、なんというかオツでしたねえ。あれ、そこヒロインの手柄じゃないのねw
それでも団員をまとめたのは千鶴さんの熱意! 悩める千鶴の背中を押すのは、いつも同僚のイケメン君(坂口健太郎)で、もどかしいふたりの恋だか勘違いだかも、可愛かったです。可能性はゼロじゃないぞ(^^)
そして迎えた演奏会は、本当にステキでした。
冒頭では世話を焼かれる一方、迷惑をかける一方だった老人たちが輝いて、今度は若い千鶴をちゃんと支えてくれているのですから。更にフィルと楽団が(新旧電気店もw)仲直り、梅ヶ丘は一層すてきな町になるのです。
まずタイトルが秀逸。
冒頭は猟奇殺人、常識も罪悪感もない犯人は「寄生獣」を思わせますね。
家族を殺したJK(恒松祐里)は姿を消し、事件を取材に来た記者桜井(長谷川博己)は彼女を探す少年宇宙人(高杉真宙)に
「ガイドになってよ」
と声をかけられます。
一方で、病院に保護された夫真治(松田龍平)を引き取りに来た妻加瀬鳴海(長澤まさみ)は不機嫌。浮気発覚からのらりくらり逃げてた奴が、都合よくも記憶喪失とは腹が立つやら嘘くさいやら。
でも徘徊し、犬と戦い怪我をする真ちゃんは確かにまともではありません。在宅仕事にも差し支えるのに、放っておけないのは何故なのか。とっくに捨てたシャツを「似合うと言ってくれてた」と探し、嫌った手料理を「美味しい」と食べてくれる今の夫は、まるで別人だけれど優しくて嬉しい。
この辺、若年性アルツハイマーや高次機能障害に寄せて考えるとなかなか切ないものがありますよね。
でも真治の中身は宇宙人。
彼らは人類を理解するために『概念』を奪い、奪われた人間はそれを失います。「家族」を奪われた鳴海の妹(大島優子)は他人行儀に去り、「仕事」を奪われた社長(光石研)は職場でふざけだし、もう人生めちゃくちゃでしょうね。でも「ガイド」からは奪わない宇宙人律がある(不便になるしw)ので、安全な傍観者となる「ガイド」はどうしても彼らを危険だと思えないのでしょう。そのうち妙な輩に追われだし、真治が『奪う』現場を見てすら、鳴海は愛する夫を庇い匿い続けます。
でも真ちゃんが口にする
「ずっとそばにいて」
は、教会で誓った病める時も健やかなる時も……ではなく「ガイド」依頼なだけなのに。
そんな穏やかに追い詰められていく加瀬夫婦と違い、高校生コンビは過激です。特にJKが忍び寄る追っ手を殺す殺す(恒松祐里のアクション、見事!)
その度、ガイド桜井が「地球ではゆるされない」だの正論で叱るのがトンチンカンなんですよね。だって君が部品買ってきた通信機が作動したら人類皆殺しなのに、今ひとりふたり殺したからって何w
そのうち桜井が共犯者に成り下がり、むしろ積極的に侵略に加担するするあたりは長谷川博己の真骨頂で盛り上がりました(もし侵略が実現しなかったら、きっと自分が大量殺人犯にされるしw)
そこで終わって、侵略がどうなったか分からなくても別に不満なく劇場を出られたかも。
「愛」がどうこうは手垢まみれでね……。
だって「家族」が分かるならそこに愛は含まれるでしょ。 真治と鳴海の夫婦関係が壊れかけていたように不安定な男女の愛より、深く無償な親の愛が!
……ただ、生意気盛りで家出中な妹の概念がサンプルなら『親=小煩い年寄り家主』だった可能性も。 なのでホテルでの場面は、ただ愛に驚くのでなく『想定を超えた別物』の愛に驚いて欲しかったですし。特撮のピュンピュンなんて全部要らず、ずっと室内でいいから『鳴海を守らねば』と目覚める新生・真治の覚醒をこそもっと丁寧に描いて欲しかったです。
小泉今日子の説教も蛇足。
とはいえ、ラストシーンは素晴らしかったです。
元になったという舞台を見てみたいですね。所有を捨て去った男の演説など、なるほど舞台っぽいぽいw
wowowで放映のスピンオフも観ます
あのテーマ音楽、大画面の海、ギロチン最高w
公開翌日に映画館で。
しかも娘とミニオン見ようと思ってたら旦那も来たので、急遽最大公約数でこれになったわけですが大正解でした。あー楽しかった。なんなら泣いちゃいましたよ。
呪いに囚われた父を助けたい息子。それには伝説のジャックスパロウを探さねば!と前半は大騒ぎ。
そのジャックと女科学者と息子がタッグを組んで、これまた伝説のポセイドンの槍だかを探すところに、海賊幽霊たちがあれこれ絡み、水の中かのように常にたなびく髪、骸骨サメ、大迫力の海戦と畳み掛けるナイスCGの数々。
そこもってきて、我が子を守る為に身を投げ出す父!……を、父娘で見てるんですから、そりゃ泣きますってw
正直「楽しかったー☆」以外なにも残らなかったし、別に続きを見なきゃとも思ってないです。お茶の間で見てたら途中で皿洗ったりして、どれがだれだかわからなくなったりしそう。でもこういう後に残らないものこそ、アトラクションにでも乗る気分で大画面でみるものなのかもと思いましたよん。
久しぶりに劇場で食べたポップコーンも美味しかったです(^^)
ハイ火星、ハイゴキブリ、ハイ昆虫化!
原作「テラフォーマーズ」成分の最低限は盛り込まれていますけど、それぞれの事情や生い立ちの悲哀はばっさりカットor薄味に。むしろあの、お涙頂戴こそ原作の真骨頂で邦画と相性いいと思ってたのにな。まあ三池監督だし、分かってたのに怖いもの見たさに負けてしまいましたよ。
あ、首は飛びます。スポーンと。
というわけで、人気漫画の実写映画化。
火星移住を視野に入れてる未来社会。しかし事前の火星環境地球化=テラフォーミングが功を奏しすぎ、地衣類と共に送り込まれたゴキブリは二足歩行するムキムキマッチョに進化して地球人を待ち受けていたのだった……!
本当になんでよりによってGを。そして「進化」をなんだと思ってるんだか、人型のGとかw
さておき、そんな基本以外はあれこれ大胆に違いました。各国が火星の覇権を巡り軍の精鋭を送り込んできて肉弾&情報戦でぐっちゃぐちゃ、という部分は無しで。日本だけが進化Gの存在を知り、抜け駆けで宇宙船を飛ばすのです。するとほら、クルーが全て日本人でOK!邦画で無問題!しかし報酬目当てのクルーは軍人ですらなく、犯罪者崩れのチンピラ(と美人)ばかりの惨状で、宇宙船がよく無事に火星まで飛んだものですorz
ただクルーは誰でもいいってわけじゃなく、バグズ手術(=昆虫の能力あれこれを取り入れる為の人体改造)に適合率が高くなければなりません。ここも作品の目玉ですのでほぼ原作通り。しかし、送り込むほうはG人間との戦闘も予想していたでしょうに訓練もせず、襲われてから『実はこんな能力がね』って遅いから!
主人公は一応小吉(伊藤英明)、DV義父を刺した奈々緒(武井咲)をかばってそいつにとどめを刺すという無茶で指名手配に。「ブレードランナー」テーマパークの様な街を2人逃げ惑っているところを、なぜかバグズ手術適合率を知っているマッドサイエンティスト本多(小栗旬)に拾われての参加となります。その決意が軽いw 「じゃあ行く!」って奈々緒ちゃん、電車でじゃないよ、死ぬかもしれない手術を受けてから火星にだよ。またそれを「お前となら地獄でも」とぬかす小吉。それだけ聞いたら熱愛カップルですが恋人には見えないんですよね、せいぜい兄妹。 愛が冷めたら別れる恋人や夫婦より、家族の絆の方が深いともいえますが。
そんな2人が火星に降り立ちじゃれていると、黒い影。人型Gがあっさりと奈々緒の首をひねった後は、とにかく殺戮と変身と殺戮と戦闘。滝藤賢一がメダカハネカクシの能力で口から炎を噴射、皆が乗った装甲車を抱えて飛びます(……握力どんだけ) 小吉がオオスズメバチ、山ピーがサバクトビバッタと、それがどんなに強くても基本タイマン勝負。押し寄せる敵の数を見ていたら絶望しかなくて、もちょい遠隔からできる攻撃があるか、数は塩梅するべきかと。
そんな中、実は『Gの卵を持ち帰れ』と本多に指示を受けていたのがエメラルドゴキブリバチの菊地凛子と、ネムリユスリカの山田孝之。要はゴキブリを操れる女と仮死から生き返れる男。え、操れるの?もっと何人もそれにしておいたら……いや適合率が……って歯がゆい(><) 歯がゆいといえば山田孝之も、病弱な母と弟妹を支えて研究に励んだのに裏切られ……と悔しい過去が動機なのですが、いやその10人はいそうな弟妹産める病弱って。バラック暮らしなのに避妊もしない親の、子沢山は彼の責任じゃないのでどうにもモヤモヤ。これも人物の国籍が変わり、日本人になっちゃってるから変なんですよね……。
と、気がつけば長々と書いていますw いろいろ呆れはしましたが飽きはしませんでした。
原作読んでアニメ観てる息子を捕まえて語ってしまいましたし、ツッコミながら見るにはいいのかも。
ナイスエンターテイメント!楽しめました。
告白手記を上梓した殺人犯が藤原竜也というキャスティングがもう素晴らしいです。アシンメトリーな髪型もナイス!冷めた語り口といいカメラ目線の表紙や取材のポージングといい、まあ胡散臭い。
そして因縁のある刑事役に伊藤英明。ここもまた絵に描いたようなアニキでたまりません。大型犬のような新人時代と、顔と心に傷のある現在の両方を堪能できて自然と応援したくなります。
物語の方は、神戸の大震災から22年。
時効を撤廃する法律の施行にかからない、最後にして最大の連続殺人事件が時効を迎えた日。なんと犯人が名乗りをあげ、記者会見にて華々しく告白本の発売を宣言します!以後またたくまにマスコミの寵児となった犯人曽根崎(藤原竜也)は、若者にソネさまとまで呼ばれ人気で本はバカ売れ、握手会を開けば長蛇の列。
苦々しくそれを見守る遺族たち……。
なにしろ、5回の殺人どれもがわざわざ被害者と近親者を間近に縛り付け、死亡するまでを見届けさせるという残虐なものなのに、曽根崎はそれを得々と語るわけですよ。まして刑事の牧村(伊藤英明)は、一度は犯人を追い詰め、傷を負わせた報復に自室を爆破され目の前で上司を亡くしている。同居の妹(石橋杏奈)も以来失踪。問い詰めたいことが山ほどあるだろうに、パフォーマンスで訪問され取材陣の前で握手なんて求められてもねえ。殴りかかって取り押さえられる場面では、いいから一発殴らせてやってと思ってしまいますよね。
そのうち、我こそが真犯人と動画を送る奴が現れ、対決を仕組んだニュース番組に呼ばれた曽根崎と牧村は……。
と、書けるのはここまでですか。
証拠と言われるスナッフ動画は涙なしには観られません。かといって涙にくれていたら大事な何かを見落としてしまいますよ!
しかし曽根崎何歳なのか。
藤原竜也が童顔なので、見た目より年上のはず上のはずと唱えながら見ましたけども。40歳だとしたって事件当時18歳。藤原実年齢の35歳なら13歳の犯行ですよ!少年法が心配になるし、間近で犯人を見た遺族の誰も子供みたいだったとは言ってないはずですが……犯人しか知り得ないことをじっとりと語る曽根崎に、誰もそんな異論は唱えないのでした。そこだけは、別の大人びた役者さんでしていればと思ってしまいますが原作だという韓国映画でも犯人はツルッとした若者(それこそ美しさでモテモテになるそう)なのでこれでいいのでしょう。
遺族の書店員夏帆ちゃん印象的。
「お父さんのこと3頁しか書いてなかった!」
と売り物の本にナイフをぐさー。読まずにはいられないけれど読めば腹が立つ、そんな矛盾した気持ちを好演していました。あと仲村トオルのニュースキャスターも磐石。
ラスト、クレジット出始めて少ししてからまた、大事な場面があります。蛇足かもしれないけれど、やはりあって欲しかった場面でした。実は劇場の隣席が、遅れてきてマクド開いて食べ出すわ携帯鳴るわ光るわ大迷惑野郎で、クレジット始まるなりゴミ投げて(本当にポイポイと投げたorz)出て行ったのでその場面見ていないんです。ざまあみろ!
<↓女子トイレのポスターw 怖いでしょw↓>
前者の物語の35年後が描かれる後者ですが正確には続編ではなく。弟子筋の方が亡き前者監督に捧げたオマージュなんだそうですよ。深夜に続けて放映していたので続けて録画。
正直前者は理解不能でした。淡々と、というかだらだら退屈な場面が細切れで続いていって特に山場なく終わり。出会いがあり別れがあり、でもだからなんなんですかー、風俗描写も含め、当時は衝撃的に斬新だったのかな。素人を起用したという主人公志ん魚(しんとと)にも、彼の落語にも惹かれませんでしたねえ。
そして35年、後者で主演の志ん田(松山ケンイチ)がもう廃業した志ん魚を探す旅に出る。
そうオマージュですが後者の映画はもっと普通に起伏があってあらすじがありますよw やっとみつけた志ん魚に1日限りの復帰を頼み込んだのに、大人の事情で志ん田が出ることに。でもそれじゃ筋が通らねえと思い詰めた志ん田は当日失踪。無事に志ん魚が高座を務めたその頃、志ん田も師匠の墓の前で予定の演目「出目金」を嬉々として演じていたのでした……。
納得の予定調和、でもその分記憶に残るものも特になかったかもw うーん映画って難しいw
若い落語家を演じた若者たちがおじさんになり(でんでん、若かったー)実業家やうどん屋となって現れたのは感慨深かったです。しかも、もう役者を引退したのにこの映画だけは出てくれたそうじゃないですか。その役者さんたちと同様、監督さんにとっても青春の1ページとして大切な作品だったんですね。