ザ・記憶喪失の刑事!
20年分の刑事の記憶が失われ、中身は交番のおまわりさんのまま事件捜査をすることに。バレたらクビ?
と、いうだけで十分コントしてるのに、京都府警ものですよ。香道に不倫に見立て殺人ですよ、濃いわ~。その分逆に、微妙だわ~(^^;;;;)
病院で目覚めたら老けていて、人間関係も不明で困惑する時矢(沢村一樹)巡査、もとい警部補。
そこで周囲に話を合わせ、記憶喪失と悟られずに切り抜ける彼の適応力はナイスですが。おかげで退院するや殺人現場で、気持ち悪くなったりw 新相棒の刑事佐相(瀧本美織)に聞こうにも、『テストですか?』『時矢警部補らしからぬ』と警戒され。更には、現場でふと漏らしたひと言
「同じ匂いがする……」
を深読みされて『連続殺人事件』の捜査陣が敷かれてしまう大騒ぎw ただ同じ匂いがしただけなのにー。でもそのうち本当に、ふたつの殺人に関連が見えてきて、3人目4人目と殺人が続き……。
捜査のイロハを忘れ、落ち着きなくあちこちいじり
「弁護士と奥さん、デキてる?」
とかご遺族の前で口に出しちゃうとんでも警部補を沢村一樹が愛嬌たっぷりに演じています(^^) 受ける瀧本美織の堅苦しさもナイスコンビ。 そのまんま、普通の事件を時矢の常識はずれな何かで解決するシリーズで十分面白かったと思うんですよ。で、さすが時矢さんだと、記憶喪失がばれそうでばれずに4話ぐらいまで行くかなーっと。ところが、あっさり1話で佐相にバレた理由が……文章!時矢の手帳に
『記憶喪失になった』
って!書きますか普通? ひねりゼロ!
かと思うと事件が凝りすぎで、遺体のそばに謎の記号。香道w いくら雅な京都でも、関係者めちゃ限られるのに犯人無茶して……と呆れていたらナルホド、むしろ自己主張。自分が書いた素晴らしい小説の通りに殺人実行してやるぜ!だったんですねえ……。そりゃ自分の境遇を源氏物語になぞらえたりと、凝りに凝ってるわけが分かりましたが。
そこを、きっちり解説してくる時矢警部補、え、その立板に水の源氏解説、20年前にもう出来てましたか? (それとタイトルにかっこう~托卵で有名~が入った小説、いつの間に読んだんでしょうw)
そこは時矢に全部言わせずに、捜査陣に誰か京都通、古典通を置いて、解説はそちらにしてもらう方が自然かと思いましたがどうでしょう。佐相が「あさきゆめみし」ファンだっていいし、若菜、柏木、薫ときたら高校生でも「源氏物語」だなってぐらい分かりそうなものでしょうに。源氏香の一覧表見てまで「これなんですか?」っていい年して古典知識ゼロかーい!
結局、連続殺人の間に死亡した息子(救急車呼べば助かったんじゃ……)の遺志を継ぎ、事件を完遂させて死のう、とする母を時矢が止めて
『息子さんが幸せだった時を、あなたが覚えていてあげないと』
と説得する場面はなかなかぐっときました(しかし、諸悪の根源の実父/夫もまだ生きてましたよね? 連続殺人で常々思うのですが、一番殺したい奴は最初にしておかないと……ほらこういうことに)
クールで敏腕な旧・時矢では、できなかった熱い抱擁に救われる犯人の母。ならば新・時矢にも活躍の余地があるのではと思い直した佐相刑事、時矢が書いた辞表を破り捨てますw 上に報告なんて以ての外、だって知ってて黙認した以上、私も共犯ですもんね?ってw こういう時だけ可愛い!
さて秘密を共有したふたり、周囲をいつまで騙し続けられるのでしょう~。
時矢の叔父の武田鉄矢医師いわく、脳が『忘れたふり』をしてるだけ。それが証拠に、知らないはずのスマホも使えてた、と言うのには納得です。原因は、刑事でいたくない程のストレス。冒頭の、屋上から落とされたアレですよねえ。またそいつと対決して、記憶を取り戻してラストでしょうか。
初回拡大版に珍しく、ちゃんと2時間にした甲斐のある展開でしたが最初から長いと見るの辛いです。そしてまた2話が拡大版、うーん。