いやあ後半も、たまらなく良かったですね。

人気も出て、真打になろうってところで刺青がスキャンダルになってしまう与太郎(竜星涼)
妊娠した、産む、誰の子かは言わない、と言い張る小夏(成海璃子)

若い二人が騒がしく、夫婦になるのならないのと騒いでいる横で、淡々と落語と共に老いている八雲。折に触れみよ吉の、助六の姿が見え、話しかけているんですよ。幽霊…というよりもっと身近な分身のような何か。
そんな八雲が抱えてきた嘘が、出産で小夏の記憶が蘇ったことで明らかになります。両親が落ちた時、小夏はただ通りかかったのではなくむしろ小夏のせいであの悲劇が起きた(まあ、最初にみよ吉が刃物出したんだけども)……実写で見ると、あの八雲の細腕にぶらさがる人数がまた増えて、とんでもないのですがそれはさておき。

それでもみよ吉は命の瀬戸際で『自分はいいからこの子だけは』と、小夏の無事を願った。奇しくも同じ言葉で小夏も、生まれてくる我が子の無事を願った。愛されていた、とやっと思えた小夏はどんなに救われたことでしょう。そして小夏の幸せは、八雲の心をも癒した筈。

枯れてもなお『今が一番お美しい』と言わしめてしまう魔老人、8代目八雲w 小夏の子の父は…八雲なのでしょうねえ。それでも、添い寝で落語を聞かせたりする小夏との距離はまるで親子の様で。何も知らない助六も松田さんも含めてまるきり家族で。この家族の歴史を語るのに、高校時代荒れたという小夏や子供を身ごもるまでもきっちり描くやりかたもあったでしょうに。そこはさらっと秘したところがまた興味をひいてやまないのかも。


いつも置いていかれる、と泣いていた人が、最後はついにあちらに旅立ち、若返り、脚も治って!3人揃って家族の落語を見守る大団円に、ただただ泣けました。


岡田将生の熱演を、自然なメイク技術が見事に支えていましたね。しかし信之助くんとの入浴場面では、まったく肩を出さなかった八雲師匠w 子供が10数えるんじゃあるまいしw きっと首までしかメイクなかったんでしょうね…w