塚本晋也監督の「やなぎ屋の主人」(つげ義春)でした。
プロフィールに映画「シン・ゴジラ」「半分、青い」、え、映画「沈黙」の監督はスコセッシの筈……って、そちらは出演した方なんですね。モキチだったの?ああ、律の教授の人!
監督としては「鉄男」に、ああ「ヒルコ/妖怪ハンター」原作と映画を両方知っています。大好きな原作とはかなり違うし主演沢田研二に戸惑いつつも、面白かった思い出。蒼井優相手に語る『マンガ実写化の心得』が、それを大好きな誰かに怒られるマイナスを、凌駕する作品愛が自分にあるか。というのには納得です。
そして出してきた原作が「やなぎ屋の主人」
モデルとなった旅館が実在し、当時のままの部屋など見せてくれてびっくりです。作中では障子も破け、うらぶれた描写されているしエロ目線もありなのに(^^;;;;) 雰囲気に浸りたいファンがいまだ来るのでしょうか? そして何日か逗留……ではなく、定食屋で働いちゃう塚本監督!空気を掴んで役作りですか。
出来上がった『実写化』は、原作マンガとの合成なのですが。なんと顔だけ、はめ込み。
白黒マンガの、輪郭はそのままに瞬きし、鼻や口元が動くんです。今までのような一人だけカラーで背景から浮く違和感もなくて、いいですね。逆にほぼ元の絵の、わずかに目元が動くだけで、こんなにも目が奪われるのかと、実写化の枠が広がるのを感じましたよ。さすが、制作側からの視点を持つ方のアイディアです。
男も女将もその娘も、監督の声。演じる方からも、配役の制限が減るかも、なのはさておき。女性の顔も監督が化粧してたの?夜、浴衣を割って覗いた生足は誰の?といろいろ気になりつつ楽しかったです!