オリンピック代表選考に必殺技w 本格派スケーターが主役なのに、なぜこうなったー?
ヒロイン美和(西田美和)はプロフィギュアスケーター。後進の指導もしつつ、アイスショー出演も続けている現役です。
ある日、リンクで保護された迷子はその昔結婚も考えた元カレ(金子昇)の娘。スケートに興味がある様だからお前が教えて、と電話で言われたまま迎えに来る途中で男は事故で死亡。母親や親族とは連絡がつかないと何故かヒロインが面倒をみることに。そして、その娘が「なんで?」「なんで?」と無邪気に聞いてくるうちのひとつ
「オリンピック出ないの?なんで?」
が何故か心にひっかかり、美和は40歳にしてオリンピックシーズンの競技に復帰を決心するのです!謎の破天荒コーチ(平泉成)の協力もあり、空手の技を活かした必殺回転ジャンプで全日本選手権優勝を目指すのだー!
いやもう、どうしましょう。
ヒロインを演じる西田美和さんは実際にプロフィギュアスケーター。本田望結主演のドラマ「スケート靴の約束」(弊レビューこちら)で振り付けを担当した方で、子供スケータの指導場面はご本業。アイスショー場面も本当にご出演の本物のプリンスアイスワールドより。映画開始13分目から荒川静香もがっつり滑ってくれます。オリンピック女子代表枠「1」(ここに一番、違和感を覚えましたね。平昌もソチもその前のバンクーバー、トリノも「3」です)を争うライバルにも村主千春(村主章枝の妹)、解説は佐野稔氏!落ち込むヒロインを氷上で慰める安藤美姫!
スケートの場面は素晴らしいんですよ。なのにどうして、最後に空手をアレンジした大技ジャンプさえ決めれば勝てる……って、バカな少年漫画風になっちゃうのだorz それも、開脚で飛び上がってから捻って回るって……旋風脚?
その他にも、やたら切り替わるカメラ。やたら英語のナレーション。いくら元カレがTV出演する有名人だったからって子供の保護先をマスコミが連日報道w ありえないw またその子役が唾を吐くような山猿演出でねえ……普通に可愛くしてあげたらいいのに。最有力候補の時東ぁみ選手が失明寸前って設定も、何。
『何歳になっても、挑戦はできる』
というテーマは素敵ですけど。そもそも、幼いヒロインに『メスは子供産め』と呪いをかけた父のせいで、若かりし選手時代にオリンピック選考会を棄権して悔いを残したのに。その亡き父に捧げる曲を選ぶのも、まだ呪いが解けていなさげで怖いです。
見る前に心配だった、ヒロインの演技力はまったく危なげなく無問題でした。空手レッスン場面でもさすがの体幹力!その分、他のトンデモばかりが目立つったらありません。ちなみに安藤美姫の役は「謎のスケーター」w 慰めに来た安藤美姫本人でいいじゃないですかw
元々は「役者ダマしい」でみた金子昇出演作をチェック、アマゾンプライムで無料で観たからいいんですけど。
なんでこうなった。
<後日追記>
衝撃で辛口なことばかり並べましたが、ちょっと考え直しました。
フィギュアスケートのファンだけを相手にしていたら、広がらないのかも。これからもルールや競技レベルは変わっていくでしょう。空手でも家庭問題でも少年漫画でもアニメでも、ガンガン取り入れて間口は広い方がやっぱり良いのかも。そして奇想天外な作品ができても、案外現実はそれを超え、開脚で3回転する日が……それはこなくてもいいかw
欧米ではティーン向けのスケート映画がいくつもあります(ex「アイスプリンセス」弊レビューこちら)日本でもそのうち「スケート靴の約束」みたいな映画が本格的に作られたら素敵。そう思っていた方が夢が広がりますよね〜 。小芝風花コーチや選手役の本田望結?
友情出演:羽生結弦だったら、もう謎のスケーター役でいいですw