主人公日向(井上真央)はスクールカウンセラー。親子関係に問題ある生徒達を観つつ、自らも毒親育ち。

なるほど。「花燃ゆ」以来久しぶりの井上真央が、くたびれた顔をしているわけです。以前お世話になった心理療法士も、人間関係が上手くいかないので心理学を専攻して現職にと言っていたしw 親子関係に疑問を持つからこそ学んだことが仕事に生きるのかも。幸せいっぱいの人に相談するより親身な実ある返事が返ってきそうですよね。
しかし、我が家は末娘の誕生日、幸せにロウソク灯してインスタ映え写真撮ったりしてたところでTVつけたら同じような年の子が、自分の誕生日にも母は家に戻らずケーキを万引きし、挙げ句の果てにお前なんか産むんじゃなかったと罵られて喧嘩になるあたりでもう。見ていられなくて一旦消しましたよ……。

もう家を出る、お父さんと暮らす!と言ってみるものの鼻で笑う母親。ずっと一緒に暮らしたいと願ってた、離婚して出て行った父は、遺伝的に他人と初めて教えられ絶望する娘。
「お母さんを殺しちゃった……」
の電話で頭を抱えましたど、ただの怪我で済んで本当によかったです。
カウンセリング室から駆けつけた日向が、父にも母にも捨てられる、と怯える女生徒に示した助言。それは母親から自立すること。アドバイスするだけ、決めるのは本人というけれど、当事者の、しかも子供の頭には浮かばない知恵ってありますからね。
後日、叔父の世話になることが決まったと、高らかに宣言する彼女の顔は前を向いていました。今までへの礼、怪我への謝罪も忘れず、でももう一緒には住めない。多分ちょっと小言を言って元の生活に戻ろうと思っていただろう母の蝋梅にスッとしましたね。

もう一方の、男子生徒の事件はもっと面倒くさそうです。
息子の全てを牛耳る母(仲間由紀恵)は、不登校の家庭訪問に訪れた日向たちにソフトに非難を繰り返し全ての責任は学校にあると言い続け、不自然に笑顔の息子は母を見てからでないと何も返事をしない……いやこれ、親が悪いでしょw 仲間由紀恵が母親の、それも高校生の親だなんて驚きましたが、ありかも。ちょっとふっくらして松坂慶子みたいで。しかし毒親です。
そして家出、かつて通った小中学校、高校を順に訪れた生徒は束の間日向と言葉を交わすも、その夜に自殺。

学校に連絡が入ったところで終わりでしたけど、あの親が全部学校のせいにしてくるのは想像に難くないです。日向が責められて、元から非協力的な先生方にも睨まれて八方塞がりな様子が目に見えるようです。ああああ。しかも家に帰れば実母(手塚理美)が、慰めてくれるどころか暴言を吐くんでしょ、辛いわ。

タイトル「明日の約束」は、学童期の日向に母が渡したノートから。
「ママは日向が大好きです」
と書いてはあるものの、どうやらその愛は交換条件つきで
「ママが選んでない子と遊ばない」
「ママをイライラさせない」

等、今日は悪い子だった明日にはいい子になれ、要はこっちの思った通りに動け、という命令書でした。わかりやすい虐待よりなおタチが悪いのかも……。

生徒たちを自由へと導きながら、日向自らも母から解き放たれるのか? 重苦しいけれど見応えはありそうです。