刺されないで良かった!
自立しだした娘が、いつお母さんに殺されるかとハラハラしてしまいましたよ。
「私を殺してー」
と娘の手をクビに当てがって締めさせてた母を、医者に行かせずに放置していて大丈夫なのかと。

そもそも娘の授業参観にって、教師の娘が授業しているところを見に行く親はなかなかいませんよね。そして生徒の問いに答えて
「いつか結婚して幸せな家庭を築きたい」
とノーマルなお返事をしたところ、一生娘と暮らしたかったアブノーマルな母は壊れてしまうという。

娘が彼氏の家に逃げ出しても訪ねてくるわ合鍵盗んで入り込むわ、怖い怖い。新種の妖怪の様でした。彼氏も、こんなややこしい彼女なら母親ごと切り捨てても責められないと思うのですが、親身になってくれる懐の深い男でした。母の好きなものはわかるのに、自分の好きなものがわからない……などという相談を馬鹿にせず
「本当に好きなものを買えばいい」
と力強く励ましてくれる彼氏、素晴らしい。
彼は彼で、母を知らずに育った対比も良かったですよね。幼くして自立せざるを得なかった。それが偉いわけでも正しいわけでもないけれど、ちょうどいい距離の両親に育てられたらできない助言をしたでしょう。突然実二人で母に会いに行く場面も印象的でした。
(何十年も会っていなくても柳楽優弥なら一目で息子と分かってもなんだか納得w)

それにしても、もう働いている成人の娘が同居の想定で新居を新築ってどうなんでしょう。
同時に放映だった「就活家族」でも同様に新築を計画し、素敵な家が完成する頃には、家族が壊れていましたよね。マンション暮らしから持ち家への住み替えって子どもが小学生頃に学区内でするものでは。両ドラマ家族共裕福なので、なぜ今なのかと。ああそれとも、最初のローンをとっとと払い終わったから次の住まいを考える余裕があるってことなのかしらん。

失職した父は、インドネシアに新天地を求めます。土壇場で同行を決意した母。後から追いかけて行くそうですよ。むこうで人形教室でもひらいたらいけるかな。この20年失われていた蜜月をやり直せたらいいですね。
この変節が突然で……お父さんは喜んで旅立ちましたけど……もしや娘を安心させるための方便かと最後まで心配だったので、そういうことはなくてホッ。

自然に子離れ親離れはできなかった親子でしたけれど、絶縁するような形でなく、穏やかに離れて行かれる最後で良かったです。