庭先の不審音、おばけ疑うより強盗や動物を心配するもんでしょう~。その正体は放置児童、うう恐ろしい。
自宅で細々と教室を開くピアニスト崩れ35才美奈(尾野真千子)、不動産業を営むその夫信次(江口洋介)
二人の家の庭に、放置児童(推定5才)が現れるようになります。鎖で繋がれていた異臭部屋から逃げ、施設からも逃げ、何故か何度も二人の家に。運命だ……と騒ぎ出す夫。ウザいw
この江口洋介が…もとい彼が演じる信ちゃんがいい年してバカで困ります。いい人ですけどねえ。
「朝が来る」で特別養子を育てる夫婦の切実さも、ついでに「家売るオンナ」の有能さのかけらもないフツーの不動産屋さん。でも常日頃、物件探しの信条<皆さんのお役に立ちたい!>通りに、困ってる子供のためにも何かしたいのね。地域密着の商売ゆえに、監禁されていた部屋を特定、普通なら知る由もない惨状を夫婦で目の当たりにし、胸を痛めて特別養子を考えるようになる……ってねえ。虐待のショックからか完黙、本名もわからない難しい子ですよ。普段からノリの軽い夫にクールに接する妻ですが。こと養子に関しては、軽率に同意しない美奈の態度はもっともです。
それに、結婚生活10年で子無しなのは、美奈のキャリア優先のため。不妊と診察された様子もないのに、実子できたらどうするの……。
でもピアノがね。
何故この家に来た?と強く問われて、黙したままの男児の視線がグランドピアノに。
美奈が弾くと近づいてきて、ド、レ、と教えられるままに音を出す。普段、イヤイヤ教室に来る子供たちばかり相手にしていた美奈にとってこれは、心揺さぶられる瞬間だったことでしょう。湧き上がる『好き』という気持ちは、教えられないものね。
そして速攻の、美奈からの特別養子申し込み宣言。1話のラストで、もう?びっくりしましたよ。
まあ、それも人生。
少なくとも、ピアニストとして芽が出なかった自分と世界的マエストロである父との不仲、いつまでも『あの父の娘』でしかないアイデンティティーに悩む美奈には、なさぬ仲でも親の視点をもって初めてわかることがあって、父との関係は良くなるのかも。
それとも、ナレーションで語られた<奇跡>がこの子の発揮する音楽の才だとしたら、それを父が認めて喜んだ場合、美奈の心中はさらにこじれるのか……? 失踪した男児の母が、いつか現れるのかも鍵かでしょうか。
物心ついてから引き取られる子は、試し行動や赤ちゃん返りで噛んだり壊したり四六時中ぺったりつきまとったりとものすごく大変だと聞きますし、作中でも目線入りの画像で紹介。大変なことになっちゃうのでしょうか。でも信次は昼から仕事の合間に顔を出してくれそうです。お願いだからずっと変わらず能天気でいてね。
その他、信次の妹に坂井真紀。「偽装の夫婦」に続く”空気を読めない親族・主婦”役が板につきすぎて辛いw あとチャラい弟にもこみちで、男が背の高ーい家系ですねw
ぬっと現れる児童相談所の職員に余貴美子。そうだ、おまわりさんに山崎樹範です。