ペットの亀に語りかけ、剥製を銃で撃ち砕く。
カラチ、テヘラン、ナイロビと10年に及ぶ僻地勤務で病んでいく主人公恩地(上川隆也)をハラハラと見守る第一部がやっと終了です。10年は長かった……よく頑張ったものです。
山崎豊子原作。かの日本航空もとい作中では国民航空を舞台に描かれる社会派ドラマはwowowお手の物で見応えがありました。
もともと、望まなかった組合活動に端を発しての報復人事。
俺だけが逃げるわけには……と組合仲間を大事にするあまり、犠牲になるのは家族ですよね。一緒に活動をしていた行天(渡部篤郎)は組合を脱して出世街道まっしぐらなだけに、いっそう恩地が哀れです。
じゃすみん実家、父はアラブ南米と僻地上等な商社マンだった上に母と姉が元CA(御巣鷹山の頃は姉現役)、ついでに旦那も叔父と弟が整備士という縁でもういろいろ思い出話も絡んで前のめりで視聴です。
親の死に目に間に合わない24時間以上かかる乗り継ぎフライト……僻地在留邦人あるあるですよね。南米にいた頃祖母が亡くなってまさにこれでしたorz
それでも父が、もとい恩地が仕事にやりがいを感じて張り切っているのならまだしも、いやいや日々を過ごしているだけなのだったら……家族巻き添えじゃん!もう子供達と奥さん(夏川結衣)が可哀想で仕方ありません。
転職すればいいのに。
でなければせめて組合やめて、日本に帰してもらえばいいのにと思いませんか。帰国後また組合活動しようが『僻地勤務は期限2年』を会社も破っているのだからお互い様なのに、昭和のモーレツ社員ときたら……。
終盤、やっとその雄伏が世間に知れるところとなり社会問題としてニュースにまでなって日本に戻れて万々歳です。しかしそこに、緊急連絡。そう、あの墜落事故の夏で第2部の幕が開きます。
次の恩地の仕事は被害者とその家族との対応なのだとか……うわあ、辛すぎる。
組合を無視し安全対策を怠り続け、原因究明よりも隠蔽に走り続けてきた大企業。その体質が未曾有の大事故を生むのだと警鐘をならすのでしょうが……結果を知る身としては事故前の、通常通りに乗り込む乗客たち、ちょっとした冒険を楽しむ筈の男の子の笑顔に胸が痛みます。