万吉最高だー!
どこにでも居合わせ、物語を回しているのは万吉だけれど主人公は何もしないちかえもん。この取り合わせがナイスですよね。素晴らしい人形浄瑠璃を書きあげるため苦悩する近松門左衛門が、あれもこれも思いついて助言して引っ掻き回していたらスーパーマンになっちゃうもんなあ。おバカな万吉が、案外ズパッと隠していた本心を言い当てたり、突拍子もなく人助けが出来たりするのも、他人の言うことを聞かない解らないおバカゆえ、不孝糖売りゆえ。

今回はその、不孝糖そのものがお役立ちというすごいパターン来ました!なめたら咳が止まります。だって
「朝鮮人参が入ってるから☆」
そ、そんなご禁制の高値な代物を、二束三文の不孝糖にまぶすとかー! いくら平野屋の蔵でみかけたからって、ちょっともらうなw 代わりに不孝糖詰めてもダメw もうちょっと早く忠兵衛か手代1が発見してたらお縄……じゃないか闇取引だし。でも簀巻きか大借金でしょう! 
なのに、その窃盗……もとい物々交換が黒田屋の悪巧みを台無しにし、徳兵衛と平野屋を救うんですから……万吉最高だー!

徳兵衛に近づいたお初、実は父の仇:忠兵衛に仕返しをするため……だったはずが、本当に徳兵衛に惚れてしまって。今更言えないと黒田屋の身請けを了承しましたが……えっと、ご禁制の朝鮮人参が入ってなかったなら平野屋告発も横流しもなし、平野屋は潰れず黒田屋は左前で身請けもなしですよねえ? 徳兵衛の逮捕もなしでしょう?

逮捕の前、今生の別れに一目……と万吉に背負われて現れた徳兵衛に、お初がしがみついて離さない復縁の場面は美しかったのですが、もう必要ないんだよねえ?
「じゃあ、あの世で一緒になったらええ!」
という万吉の助言で心中をしに行っちゃってますが?
まさか心中しないと浄瑠璃が完成しないの?そこはまた、万吉の大活躍で助けてやってー!