ガン2連発。
でもそれぞれ全然違う話でしたね。家族のために生きぬく人と、自分のために生きようとした人と。原作を知っているせいもあり後回しにしちゃってたのですが、見ればやっぱり面白い。というか3話までよりぐんと面白く感じたのですが何が違うの??

4話は子宮ガンの疑いで入院中の母親。
子宮の腫瘍は良性、と岸が診断しましたが。そこじゃなく大腸に無数のポリープがあり、いずれ癌になる、それも遺伝性の病気なので子供も高率でそれを受け継ぐと。
さあそれを告げ、手術を急かし「今見つかって良かったですね!」と言い放つのが良い医者なのか。小雪先生と岸が衝突します。
ですよね。
今切れば助かるから!って医者は思っちゃいますよね。でも2、3日の検査入院のつもりで来たまま何週間も帰れないんじゃ家庭と生活が、下手すると人生がぐちゃぐちゃです。しかも小さな子供がいるなら、大人の困ったの比じゃないでしょう。加えて遺伝問題。
診断を伝える小雪先生が患者本人の話をしているのに、当人は病気を知った娘の気持ちや娘の将来のことばかり考えてしまうのが印象的でした。

そこには正解なんてなくて、一人一人の決断があるだけなのですからきっと通常は混乱したまま手術されてしまうのでしょう。でもこのケースでは退院してゆっくり子供と過ごす時間をとって。もう一度お母さんは戻ってきます。自分から、少しでも長く生きるための勇気ある決断をして。泣いたわ。頑張れお母さん。そして頑張って育ってね、娘さん!
 

5話も泣ける若者への余命宣告。
身寄りもない、金もない若者があと半年一年の命。
一回2千円の注射なんて出来ないし、やりたいこともなにもないと笑う、入院中の彼(安田章大)と知り合った検査技師森井くん(野村周平)が、こちらからも秘密を公開……医学部を学費不足で退学せざるをえなかった辛い過去を語るのでした。『公開して後悔~』w 
秘密の公開、打明け話。自分も何か言わなくちゃって気になったり、最初に不幸な話を聞いてるとこちらも言いやすかったり。生死のかかった話題じゃなければ素直に青春で「友達ができた」ってだけなのですが……。
そして彼を励ましたいのか自分が諦められないのか、高価な、適応するかもわからない治療法のために検査だけはしておかなきゃいけない、なんなら俺が払うと激して詰め寄る森井くんをスコーンと脳天打ちで黙らせる岸先生w 
森井くんと緩和ケアの先生が死ぬの死なせられないのわめく間に挟まれて、震える小動物になってる患者くんにかける言葉がいいんです。
「心臓は動いてる、まだ目も見えてる  なのに、死ぬことだけを考えてだの死なせられないだの、ひどいったらないよね」
励ましでも、慰めでもない、事実。
「ですよね、僕、まだ生きてますもんね……『まだ』なんですけどね」
とふざけながらも、泣き方を思い出したように涙を流し「死にたくない」と言えるようになるくだりで、わかっていたけどもらい泣きです(^^;;;)『死ぬまでちゃんと生かす』という緩和ケアのあり方もいいじゃないですか。

むしろその後の、事故で亡くなるあたりは(知ってたし)平然と見られました。なるほど、車両前に飛び出すより転落の方がありそうです。携帯で電話中の母親、あるある……って、ちゃんと見ててよ……orz そしてコンテストの結果までの時間経過なしに、院内コンサートで演奏されるんですね。彼が人生の終わりに書き残した曲が。

両話に共通するのは治療への納得。それって患者にも厳しいことではあるのですけれど、やはり理想です。

そしてブラック激務にもかかわらず、奨学金をもらって検査技師になった森井くんは辞められないのだともわかりましたが、それでも患者くんがいうように辞めたっていいし医者を目指し直したっていいはずで、案外今の暮らしを気に入っているんでしょと言い当てられて。森井くんにも救われた部分があるはず。

実に見応えがありました。