木皿泉脚本。
コメディに始まり、無性に哀しくなり、不可思議なまま終わってしまいましたw 確かにこれは舞台じゃなきゃ許されないラストでしょう。
妻の死から1年。
いまだ嘆き悲しんでいる夫(渡辺いっけい)に、高校生の息子は呆れるばかり。
と、そこに「ただいまー」と普通に帰宅する奥さん(薬師丸ひろ子)は、旦那が死んで1年だと。えー。
じゃあここにいる父親は何?自分がおかしいの?
と混乱する息子を置き去りに、ひたすら明るく元気で、でも夫の死をそれなりに悼んでいる奥さん。
高価なバッグのバカ買いも、叱って欲しいんだと言われると可愛い奥さんです。でも旦那さんの方は、剥がした湿布を残して大事に持ち歩いて妻を偲んでいるんですが。この違いw
2人とも、息子にははっきりと見えていて触れて格闘もするのに、夫婦お互いには見えない模様。
しばらくすると男女の来客があり、おじさんには奥さん、若い女の子には旦那さんしか見えていない模様。
この辺までは捻れがおかしくて笑ってみていましたが、回想に入り愛や家族の歴史が語られる程に、どちらが死んだにしろ別離は哀しいし、誰に誰が見えているのか居ないのかどんどん曖昧になっていくし。
ラストは黙っておきますが、なるほど舞台。テレビドラマにするのだったら、もっとクリアな解決が求められること必至。
でも満足、楽しい時間でした。
客席にご年配夫婦らしきカップルが多かったのが印象深かったです。
残念だったのがパンフレット。
1000円も出して買うんですよ。読み応えがあって欲しいじゃないですか。各場面への個人的な解釈とか、せめてどの台詞が好きだとか聞きたいじゃないですか。それがなんと俳優さん達、まだ脚本を読まずにインタビューされているのです(><)
進行の都合でそうなるの、分かりますけどね。こんな内容なら買わなくて良かったわー。