wowowにて放映。
文楽については、橋下元市長の「つまらない」発言やら三浦しおんの小説&エッセイで興味を持って、年頭に初鑑賞をしてきたところです。
市のイベントだったので事前に見学会などあり、解説してくださった人形遣:吉田幸助さんの軽妙な話術や人形さばきに惹かれ、続く本公演「ひらかな盛衰記」などにも感激して帰ってきました(急いで駆けつける場面で逆にスローモーションになり、のけぞる動きまで加わるという逆リアルな演出はアニメーションのコマ割りに通じるところがあるのでは)
そんなところでの、この放映。そりゃ観ますって。
『曾根崎心中』の舞台、天神ノ森で心中が流行し商売あがったりのまんじゅう屋夫婦。心中の邪魔では拉致があかないと、店頭で人生相談も始めたらまんじゅうの売り上げも上がり……。
あらすじで既に可笑しいw
物々しい太夫さんの声で「カップル」だの「パトロール」だの横文字が語られるとそれだけでも笑えますw 更には、原作者近松門左衛門に苦情を言いに行く主人公w へりくつに三谷節が炸裂です。いわく
「生き残って、悪役にされた人が迷惑」 確かに!
「うちも迷惑した」 ですねー。
「だから パート2で儲けさせろ」wwww
その間にも、おたふくな一人娘が恋しちゃって心中だとか言ってるしw 結構なハチャメチャコメディで次から次へと楽しめました。もちろん「曾根崎心中」や「天の網島」を知ってて更に面白いところもあるわけですが、知らなくてもそれなりに楽しめるように作っていそうです。
心中で入水する場面の泳いで見える演出は水のビニール?がきらきら光って奇麗でした。インタビューで三谷さんも語ってましたが、確かにあの場面は人間ではほぼ無理、人形ならではの演出です。
全景では、三味線と語りの太夫さんたちが正面上にどーんと座っているのが目を引きました。普通右横に居ますよねえ? わざと目に入る様にそこにしたそうで、更にTVではアップの画面で太夫の汗だく状態も分かって大変さがよく分かりました。
気軽に楽しめる古典。大阪でも上演してくれたら是非友と連れ立って行きたいです。
……そういえば随分前ですが、京極夏彦が狂言書いた時にも見に行ったっけ。こういう企画は、「お勉強」じゃなく楽しく馴染みの無い世界に触れられて良いですよね。
ちなみに吉田幸助さんは近松門左衛門を動かされていたそうでしたよ。