全く月9らしからぬ怒涛の会話劇、欠片も見当たらないラブ要素、最小限のBGM!
意欲作だと思います。ちなみに原作漫画は大好き。とても期待して観始めて、ドラマとしても再現度としても文句ないと満足なのですが、ただ……薮(遠藤憲一)刑事可哀想。部下の前であんな一方的な説教しなくても、と原作でより強く思ってしまうのもまた、実写化のパワーなのでしょう。

 久能整(ととのう)という名の主人公(菅田将暉)は、安アパートでひとり暮らしの大学生。突然の任意同行は殺害容疑、同級生が刺殺されたと聞いても動じない彼は「やってない」と主張する。
のみならず『何故、自分の否定より目撃者の証言を信じるのか』等とセオリーにない屁理屈を並べたてられ、苛立つ刑事たち。
犯人は奴だ、と繰り返す薮の目算通り凶器らしきナイフまでみつかるが…

 連日取調べに呼び出されるうち、刑事たちの私語や身なりからどんどんと私生活を推理し当てていく整。
妊娠中の奥さんと揉める池本刑事(尾上松也)は整に指南されるまま『お手伝いじゃないゴミ出し』で夫婦仲が修復、女刑事の重要性を説かれた風呂光刑事(伊藤沙莉)は退職を思い止まる始末。
「僕はバカですか?」
と煽られるまでもなく、そんな細かく気のつく整が、自分の指紋も被害者の血もついたナイフをただ捨てるとは思えない彼らは、犯人が家に侵入しナイフを持ち出したかと疑う整を支持する。実際鍵を落としたことがあり、それを拾って届けたのはなんと…。

 って事で、あっちの事件とこっちの事件が繋がるわ、不幸な勘違いはあるわで薮さんが可哀想なことに。
『家族より大事な仕事を、捨てられるんだ?』
『授業参観は行けないのに、復讐のための時間は割けるんだ?』
と、ツッコミ感想ならイイネが押せる案件でも、エンケンが眼の際赤くして震えてたらもう、いじめないであげてーってなりましたわ。まして、好きな花も知らないだろ?は流石に決めつけが過ぎるかとー。ここ、原作でもそうでしたっけ? 薮さんが自分で吐露するとかじゃなかったでしたっけ??
 そんなわけで、刑事ドラマの1話ゲストがサイコパスかーと、すっかり整が犯人だと思って観ていたらしい旦那は、なんで下っ端刑事たちは整の味方なん?真実はひとつだろ?若造が知ったように説教しやがってー!と、不愉快に視聴していたらしくw    菅田将暉ファン以外に誰が見るんだこのドラマ、と文句たらたら。イヤ、パズルのピースを嵌めていく楽しさが…。女子に寄り添うジェンダー感の心地よさが…。ともそもそ並べた私の解説で、さて2話は観てくれるのやら? 大学教員として、授業に行きたい整くんの態度は評価してほしいなあw

 来週はバスジャック!青砥刑事(筒井道隆)の冤罪報道は、原作最新刊でカタがついたところ。そこまでドラマでもやってくれそうでワクワクしています^_^