うわ破水、怖ッ!

 あいつらを殺そう、と多勢に無勢の戦いを決心した柿野夫婦。火炎瓶を自作してみたり、家中の刃物をかき集めて吟味したようなのにやっぱり料理用の包丁を選んで、マットレス相手に自主トレしてみたりw  負ける気しかしません。包丁なんて、片刃だわ薄いわ、握りと刃の間に鍔も無いから自分の手を怪我するんだってば。サバイバルナイフでも買おうよ。

 とかツッコんでいる間に当日になり、待ち合わせ場所近くまで乗せてきた雪映(中村ゆり)を車に残して、大荷物の正隆(北山宏光)は歩き出します。一億円と見せかけて、危険物満載のスポーツバッグ。……しかし、ランボーばりに身体に巻きつけでもしておかないと、ジッパー開けてゴソゴソと刃物出す間、奴らは待ってくれないのではw やっぱり負ける気しかw
 夜が明けても戻らない正隆を、なぜか徒歩で探しに行く雪映さん。いや大きなお腹でヨタヨタと……車で行こうよ車で。 しかし目指した工場には遺体どころか争った気配もなく無人。絶望に彷徨う雪映の耳に届いたのは、巨大スクリーンから流れるニュースの

「柿野正隆容疑者(35)が、横浜北警察署へ出頭しました」
バッシャー   ← 途端に破水し、大量の羊水が路面を叩く音

 あの柿野製薬関係者が殺人。時期的にも賄賂贈ってた頃でもあり、確かにニュースバリューありますわ〜。そして破水は、それだけのショックを受けた、ということにしろ、もうびっくり。

 雪映の手前、戦う準備を装いながらも正隆の気持ちは自首に決まっていた様ですね。そうよね、勝ちめ無いものねえ。というか、もっと早く警察に駆け込む可能性だってあったでしょう。一億円を請求した側は、夫婦に見張りをつけておくべきでしたよね。 
   その正隆の背中を押したのは、父の遺言。
覚えてきたから言うね、って弟君……正隆抜きで遺言を開けるとかありえなーい、個人資産も本当は半分こじゃなく『正隆に全部譲る』と書いてあったかもと揉めかねないやり方なんですけど、まあいいや。
ちゃんと謝罪もあって蟠りが解けた上での
「偽りなく生きてくれ」
が、罪を重ねた男の胸に響いたんですね……。父も草葉の陰で仰天でしょうw 伝えた弟さんも、自分の収賄罪で執行猶予以上の罪状を兄が隠しているとは、まさか思わなかったでしょうしねえ。恨んでいた時よりもダメージ大きいことされているのが皮肉ですw

 で、遺産相当の5億円をスパッと萌弟に贈与。
うわー!多すぎるー!未成年にそんな大金、悪い仲間に毟られる! もらっとけと言ってる刑事(甲本雅裕)だって信用できないので、信託にでもして毎月受け取りにしなかったら、あっという間に使い切って贈与税支払う分すら残らない気がしますー ! そもそも小切手の使い方も教えてあげないと。
   それに一億ぐらいは雪映と子供に残しておいたって良かったのに。それは罪と穢れを引き継ぐことになっちゃうわけ?

 面会場面での子役ちゃんが人懐こく、仕切りのアクリル板に手を伸ばす様子が可愛い可愛い。あのストレス地獄の日々を胎内で体験し、流産もしなかった丈夫な子よねー。 
 というか、雪映が全く罪に問われていないって。萌(萩原みのり)を埋めたのも、掘り出して運んだ時も、1人だったと主張したのかな正隆。そして佐野(深水元基)…?
 佐野監禁は、しなかったことになっているのかな? もしもしー?

 1話冒頭の後悔のセリフが最終回にまでずっとずーっとリフレインし続け。、最後も
「ただ離婚してないだけ」
と夫婦で声を揃えてタイトルを唱えての終わり。原作がそもそもそうなのかもしれませんが、きっちり作り込まれたドラマでありました。
 ただ離婚してないだけ、夫婦というより同居人だよと自嘲を滲ませた1話での言葉が、最後にも生きてくるのねー。もう2度と会う事はない!と絶縁の宣言はしつつも、正隆が送った記入済みの離婚届は破って捨てる雪映さん。子供の父親として戸籍では繋がっていて欲しいのね。で、私たちは夫婦、ただ一緒に住んでいないだけ……でなくただ離婚していないだけ? ん? 意味が通じなくない? なのにシリアスに唱えられると押し切られてしまいます。

 まあいいか、それぞれに2人、幸せなら!