いや、埋めちゃダメ!
「なんでこんなことに……」
と、1話からずっと正隆(北山宏光)が呟いていましたが、「なんで」も何も全部お前のせいで、もう。奥さん可哀想に。

 堕胎するなり音信不通はダメでしょう……。しかも自宅も妻の顔も知ってる相手に。「別れた」と正隆は言うけれど、話し合いも無かったよ?? なんと堕胎の産婦人科は、雪映(中村ゆり)にもかかりつけ。すっかり病んだ萌(萩原みのり)と、やっと妊娠し喜ぶ雪映が鉢合わせで……その夜、押しかけてきた萌と揉み合い惨劇は起きたのでした。

 嗚呼……。

 あえて正隆を擁護するなら、原因はもっとずーっと前。血を引く弟を次の社長にと決めていたなら、そもそも正隆を柿野製薬に入社させちゃダメでしたよね、お義父さん。自分を飛ばして弟が社長になり、居場所を無くして退社した正隆は荒れ、呑んだくれ、女を漁り……。で、ここに至ると。
 そんな正隆に耐え支え、子供さえできればと夢を見て、流産は自分のせいと謝りまでしていた雪映にも責任の一端はあ、ある?あるの?
救急車だって呼ぼうとしたよ?でも埋める一択の正隆に屈してしまった雪映が悪いの?いやいやいや……。

 そして「普通の生活をしろ!」と送り出されて一日必死に教師として働いて、帰って料理までして。肝心の正隆は魂が抜けた様。貴方も普通にして!とキレる雪映さん。やっと怒り方が分かったのね……。そうだよ、こんな奴に我慢しちゃダメだったのよ!

 待望の赤ちゃんだったのに、堕胎手術を予約して(涙) 派出所の前で戸惑いながら思い出すのは、社長になる為に頑張っていた若き日の正隆でしたよ。切ないわ…。今その人、萌の白昼夢を観ながらゾンビの様に街を彷徨っておりますよ。

 結局警察には言い出せず、また普通に食卓を整える雪映の前で子供の様に泣き出して、やっと謝れた正隆。抱きしめて赦し、妊娠を告げる雪映。
 う、うん。聖母だね。妻の母親扱いキツいわー、お腹の子は産むことになるのでしょうか。
夫婦の間ではこれでひとつ何か決着がついたのでしょうけれど、殺人の罪は全く許されないからね??

 救急車呼んで、知らない女に襲われたー!と言っておけばねえ。状況は正当防衛。後日、正隆との関係はバレたとしても奥さんは被害者のままでいられたでしょうにねえ。一緒に埋めちゃったらもう、発覚したら教師ではいられませんよね……。
 と、気を揉みながらもずっと、雪映のサラサラヘアに見とれていました。死体埋めても、寝不足のまま仕事でも、もう耐えられない!と正隆にキレても、いつでもサラサラサラ、美しい。