殺人の起きない推理もの、楽しんでます。
時に考え過ぎ、時にプライバシーはどこいったってなりますけども。多分三舟シェフ(西島秀俊)は当たり前のように日々全てのことを推理しながら黙って暮らしていて、誰かが困ったり尋ねたりしてくるから親切に(お節介にも?)教えてあげているだけ、と思えば。
料理は毎回とても美味しそう。町のフレンチ「パ・マル」行ってみたいです。

 毎回ちょっとした謎が解かれ、ヴァンショー(ホットワイン)を飲んでほっと一息。1話完結ですけれど、一応各話をつなぐ縦糸としてちょいちょいシェフを訪ねてくる美女(橋本まなみ)あり。シェフがフランス修行中に失踪した実家のお父様を探す探偵さんだそうですよ。
 でもそれがなくても、シェフを始めスタッフの魅力でずっと見ていられますねえ。強面スーシェフ(神尾祐)は奥さんと喧嘩して出ていかれw ソムリエ(石井杏奈)は転勤する恋人を追って退職……したもののすぐ戻ってくるまで、ヘルプのオーナー(佐藤寛太)が使えなくて店内大騒ぎ、などなどスタッフ絡みの謎やエピソードの他に、新入りホール高築(濱田岳)はすぐ三舟シェフに不信感を抱くんですよw
曰く、客の言い分や、同業者の声高な『料理人のプライド』を躊躇なく受け入れる姿に
「え、この人結構いい加減。プライドないのかな」だのw
曰く、ソムリエ退職を引き止めもせず。戻るのもあっさりOKと聞いて
「僕を雇ったのも、誰でも良かったんですか??」だの!
もちろん誤解と分かって納得。自分の料理に誇りを持ち、近所に新規オープンする店も褒め称える心広いシェフが、家族のように大事にする「パ・マル」を高築もその度に深く愛するようになっていくわけなのですが。「店が大好き! な割に、毎回簡単にガッカリする高築くんw  それも愛ゆえだとしたら、この人に愛されるの面倒くさそうだなあと、5話の独白「もし僕が結婚したら…」を聞きながら思うのでした
 
 ちなみに、ソムリエ嬢の恋人も女性。セリフだけで相手は登場しないのにその設定で、知らされても驚きすぎず流されていくの、今時ですね。
逆にその分『スタッフが全員女性』がコンセプトの店に、音信不通のパティシエ(イシヅカユウ)がよこしたマカロンのメッセージに寄せて『元々は彼女は男性なのでは…』の推理は、アウティングかつ余計なお世話に思えてなんだかなー。 じゃあ雇わないと決められても責任取れないわけで。

 印象に残った話としてはパイ二つ。
 誕生日を1日間違えられた上に「特別」と念を押すカスレも不味かったと冷めて家を出て、以後2度と会ってない話はそれをエッセイで発表し代表作になっていることも含め切なかったです。実は本命は翌日のフォアグラ料理だった筈……(そのフォアグラを取られたガチョウの肉で作るカスレだからちょっとパサパサって、そこは恋人も説明してw)
スーシェフのデザートパイの思い出はw   仕掛け人形で歯でも折ったかと思ったら、まさかの丸呑みとかw  奥さんを他の男に渡さないためのど根性w   

 ここから、三舟シェフ自身の謎と。高築くんの謎もあるかな。原作が溜まれば、いくらでも続けられそうですね。