ついに!
 春に始まったドラマが長い休止を挟んで最終回を迎えました(他に「浦安鉄筋家族」も同様で、そちらなんて撮影してた住宅が取り壊されちゃったというw)このドラマらしい、淡々とした良い終わり方。

 『ただ人間ひとりの存在が必要な時』って、こんなにあるのかと毎回思いましたよね。花見の場所取りや、男一人パフェに同伴もそうなんですけどw 例えば乳児を連れたお母さん。横に立つ人が、乳児の泣き声に舌打ちしたりしないレンタルさん(増田貴久)なだけで、お出かけが千倍気楽になるんです(いや、本来めっちゃ赤ちゃん可愛いねって声かけられて、階段では力持ちのお手伝い寄ってきてあげて欲しいけど!) 同性で同棲するカップルは、普段誰にもいえないのろけ話をレンタルさんになら言えるんです。そのうちに、実は人を殺しましたなどと、弩弓の重たい話もやってきて、これも身近な人にはわざわざ言えない……! でもただ聞くだけでジャッジしないレンタルさんになら言えた上に、『この漫画面白いよね』だなんて、何年かぶりの日常会話も出来たんです。

 と、いい話に和んでいる間にも貯金は底をつき、ワンオペ育児の妻(比嘉愛未)は不満を溜め、路上の雑誌売りおじさん(古館寬治)は姿を消し、アンチ君(葉山奨之)は左遷されて益々「レンタルなんもしない人」叩きに精を出してと、不穏な影が差してきています。やだやだ、どうなっちゃうのー? 少なくとも、奥さんは実家に帰ってしまうに違いない、無職なんだから奥さんのお仕事締め切り前ぐらい育児請け負ってあげてよ……とハラハラ観ていたのですが案外何も起きませんでしたw 良かったw
 アンチ君は上司命令で「レンタルなんもしない人」をイベントに呼ぶ羽目に。さあ、直接対決か? 
「審査」は何かすることになるので、と断られても食い下がって審査員に招くのですが、結局はリハーサル中に無理が生じて、あろうことか黙って帰るレンタルさん(^^;;;;) NGを無理させた側もアレでしたが、これはアンチ君も怒っても仕方ないよね。大爆発かー??と思いきや。追いかけての言い合いで解決でした。あくまでいつも通り、淡々と対応するレンタルさんに文句を言ううちに、仕事への理想を吐露していたアンチ君たら、おやおや、今までの依頼人さんたちと同じすっきりした顔になっているじゃありませんか。そして、親に決められかけた退職&家業サポートを断り、自分の道を行くことにするのです。
 
したいことを、する。
したくないことを、しない。
本来シンプルな筈のそんなことを、主張してもいいんだなと思えて楽になる。それも「なんもしない人」の功罪の功なのでしょう。 それに、楽ちんでずるいと思っていた「なんもしない」ことも案外、節を曲げずに貫くのは大変だったと分かった様で、もうアンチ活動せずに済みますね(と、アンチ=可哀想な人とされるこのドラマを、SNSで「レンタルなんもしない人」に絡んでいた本人達はどう観たんでしょうねw)

そしてやっと、依頼賃を1万円もらう宣言。
奥さんはホッとして喜んだし、SNSも「その方が頼み安いです」「当然です」とまずは好意的な反応(実際はそこにも批判あったけどさ、批判するヤツは依頼しないんだから客じゃなあああい)と、同時に1話の依頼者(志田未来)がまた編集の仕事に戻っていて、レンタルさんの本を出したいとの打診がきます。いつもの依頼と全く同じように
「可能です」
を返信するレンタルさんw さあここから、出版された本が話題になり、こうしてジャニーズ主演でドラマにまでなって、それこそ本人はなんもしないまま暮らしてイケることになったんじゃないのかな。おお、人生は案外なんとかなるのかも。それもまた、気持ちが楽になりますね。

 終盤、家庭の場面で赤ちゃん登場が極端に少なく感じたのはやはり新型コロナ対策でしょうか。それでも最終回の最後では、思い切りのけぞって両親役の顔を覗く激かわポーズを見せてくれました(^^)