ザ・少女漫画!
そこが良さでもありツッコミどころでもありw
ヒロイン美々子(本仮屋ユイカ)は野心ゼロ、街のパン屋mimiyで日々みなさまの笑顔のためだけにパンを焼いています! なのに百貨店の催事や星付きフレンチレストランからの注文が舞い込んで大変……って、かなり明白にベーカリープロデューサ柏木(竹財輝之助)のプッシュのおかげ、陰口叩かれそうなものですが、そこは優しい世界w
『やっぱり無理かも』
『何言ってるんですか、店長!』
と、本人は弱音を吐いては励まされるだけなんですよ。
祖父の味を受け継いだ素朴なパン。見た目も味も普通なのは本当なのに、その通り紹介したインフルエンサー嬢の方だけ仕事に私情を挟んだ様に描かれていて不憫です(^^;;;;;) そこは取材を頼み込んだ柏木の方が私情ごり押しでしょうよ~。
運動会のパン食い競争に、小麦アレルギーが出ないグルテンフリーパンを!というエピソードは成るほど今時。児童の恋も微笑ましくて良いエピソードでしたが、その裏では美々子と従業員の薫(飯島寛騎)が夜通し二人きり☆あんパンの改良を通じて距離を縮めていくじゃないですか。その後も、柏木が良かれと仕事を持ち込む度に、夜なべで試作する美々子と薫の絆が深まって視聴者をやきもきさせるのですw
個人的には若い薫は子供に見えて、柏木さん推しですから。突然の退職で薫が消えた2年後、パンを焼く美々子を後ろから抱きしめてくる柏木とか! 朝食を共にする2人、部屋には柏木私物置き場が設けてある様子などでもう、このままハッピーエンドで終わってもいいじゃんとまで思いましたけど。
いやいやまだ、薫との再会を内緒にしたままの美々子を抱きしめ、俺のものだと言わんばかりに激しく口づける柏木さんを!『出張に行く』とだけ告げて、その先で薫に会う筈だとは言わない、言えない柏木さんの辛い面持ちを観ておかなくちゃでしたね。
もとい。てっきりシェフとしてフランスで働いていると皆が思っていた薫くんたら、この2年帯広の農家で小麦を開発していたのでした。美々子さんのパンのための小麦を!(ひげ面になって大人びた……かなw)
この時点でプロポーズ済み。式場も予約しドレスを試着してと新生活へ向けて期待しかないはずの柏木と美々子。そして美々子本人だって、薫からの申し出を『もう遅い』と退けた筈なのに。やっぱり他のどの品種を試しても、従業員との試食でも、薫の小麦が一番相性が良くてどうしても共にパンを焼いた日々を思い出してしまう。ふと一緒に生地を捏ねた感触がよみがえったりして(きゃー)
更にまた、柏木の勝手な良かれと思って計画でmimiy2号店だの『マイ小麦で客が自分でパンを焼く』サービスだのw 果ては空いた時間は子育てに、なんなら店を辞めてもOKって、違う違う、よかれと思う方向が全く違う!
その点、薫は美々子を守るだの幸せにするだのはまるで頭になくて、ただただ一緒に、パンを焼きたいんですって。……こっちの甘すぎる人生設計も問題ですがw まあ、うん。フレンチシェフとして一流という保険つき物件だから!
そんなわけで、最終回。
初回から何度も何度も観てきたエンディングのあの海に美々子を連れてきた柏木さん、まだ終わるには時間が早すぎるわけで、はい。またも話し合いも美々子に確認もなく、式場キャンセルしてくれてました。
気付かないふりで挙式して、しばらく日本に帰れないお仕事にそのまま連れて行っちゃえば良かったのにね。美々子からの薫への想いって、その流れに逆らってまで貫く激しいものじゃ無くない?でも、あれこれ先回りして聡い柏木さんは、横にいる妻が時々他の男の事を思い出してぼんやりする可能性に絶えられなかったのでしょう(^^;;;;) 心底不憫な人でした。
そこから更に2年後。
mimiyに届いた小麦粉の大袋にはbeauté beauté fille(≒美々子)
店の前をうろつく不審人物wも、エンディングの最後に今度こそはっきり映る人物も、もちろん薫くんです。それ以外無い結末にむけて、たっぷり12話描ききっての大団円でした。お幸せに~!
明るいオープニング好きだったわ♪ ずっとふわふわと柔らかく甘いパンの様なドラマでした。
ただし、すぐカップルだ結婚かと騒ぐ職場、ありがちですがコンプラ違反よね。女性陣の妄想でやたら薫や柏木さんを半裸にして喜ぶのも、アポロン的なとはいえ時代遅れで苦笑いでした。中学生の様な恋愛感、そこも含めいかにも日本のドラマなのかも。