うわーやられた。

 阿部サダヲ&松たか子のトンでも元カップルが、いがみあいながら事件を解決?ぐらいに気軽に見始めたら、いつの間にかトンでもない闇に付き合わされていました(^^;;;;;)  そもそもとっくに分かれたと言いながら連絡を取り合い、現カレカノを紹介しあう意味。なるほどなあ……。脚本坂元裕二なのでした。

 検事の駒月直(阿部サダヲ)と企業弁護士蔦谷円(松たか子)は同窓生で元恋人。会えば口げんかしつつも、互いの恋人(中村アン、眞島秀和)を紹介しあう仲。更には互いの恋人のSNSを毎日チェックしてまで貶め合うって。まだ好きじゃん!またその恋人たちが絵に描いた様にトゲのないいい人で凡庸で、……むしろそっち同士でお似合いなほど。二人ともお相手からプロポーズされたのに、即答できずに保留にするのね……。
 そんな頃、世間を騒がす「背中ドン男」の殺人事件に関わる阿部と松。警察と検察のミスをつき、容疑者の某企業御曹司(篠原悠伸)を解放させた円は
「僕がやった中に死んだ人いないもん」
と、死亡した以外の突き落としは自分だという御曹司の言葉を聞いてしまうのですが。さてじゃあ、その死亡事故は。目星のついた新容疑者を、調べてはならんと圧力をかけられる直。「来ちゃった☆」と手料理を準備する恋人を置いて病院に駆けつけて、容疑者の殺害寸前で取り押さえた黒い影は……円!?
「なんで分かったの?」
「『またか』だから!」
そう、数々の事件で法で裁かれそうにない犯人を、義憤にかられて自ら殺そうとする円を止めるの、もう7回目~って、えええええ!(だから企業弁護専門にしとかなきゃダメなのねw)しかもそうなった理由の切ないこと。トンネル崩落事故の生き残りとして、実は高校時代に知り合っていた直と円。不正工事に両親を殺された痛みを、たまの密かな楽しみを、分かち合って離れがたく生きてきたのね……。そして、当時既に巨悪を殺そうとした円を止めw 
長じては、検事と弁護士の立場で協力し合い別件逮捕の搦め手で刑務所にぶち込んでみるものの。不正工事関係の政治家(嶋田久作)だけは
「出たらまた殺す」
と、まだまだ『スイッチ』入ったままの円w これは……互いにしか理解しあえないものの、一緒にいたら傷が癒えないのも分かる、分かりすぎる(^^;;;;;;) 一時の激情で元さやに戻りそうになるものの、なんとなくまた落ち着いちゃったりして。 もう結びつきがセックスじゃないんだろうなあw

 それでも、俺に任せろと言ったとおりに証拠を集める直。今までも事あるごとにああやってポケットマネーをばらまいて、だから高給取りなのに質素な暮らしなのね。そして上に疎まれて。でも見事真犯人は逮捕されたのでした~。お母さん(原日出子)が殺される経緯を、通話中の電話から聞かされてしまった娘さん(石橋静河)警察が何もしてくれないので思いあまって真犯人(岡部たかし)を殺人未遂してしまいましたけど、そちらが自供して裁かれるなら娘さんの罪は情状酌量で軽くなるだろうし、未遂で良かったとやっと思えましたね。


 円の上司高畑淳子も、後輩弁護士岸井ゆきのもいい感じ。直を慕う検察事務官井ノ脇海もいて。連ドラで楽しみたかったような、でもそれじゃ円の殺すスイッチがしょっちゅう入りすぎで困るような。スペシャルで戻ってきてくれてもいいなあ。その度に直の赴任地が違うのw

そして鳩を憎む円。 私もヒヨドリと日々戦っているので、あれ分かるw そういう細かいところもいいんだよね……。