そうきたかー!親友とは!
脚本家を目指し、成功を熱望する漣(さざなみ 中村ゆり)の目の前で、登りつめていく冴えないライバル大豆田(まみゅうだ 山田真歩) 辛いわ……。
3話の殺人がニュースで流れたり、1、2話で映画化が話題になった官能小説や、ヒロイン弓香が主演した映画「ホーリーマザー」がでてくるなどの、リンクがちょっと嬉しいです(^^) そして大豆田は脚本を担当した映画の監督と結婚し、それがなんと「ホーリーマザー」の薮内監督。映画は海外の大きな賞を受賞してましたよ。ということは弓香も授賞式に? よかったね弓香!
その他、コラボじゃないけどクスッと笑ってしまったのが、新進脚本家が企画したゾンビドラマ。漣や懇意のプロデューサ郷(和田正人)はこき下ろしますが、今年はゾンビドラマ流行でしたよね。時間差のある原作の時点でそれを見抜いていたとは、湊かなえの先見の明が凄いです。そして何でも分かったつもりでいた漣と郷の作品は、ヒットしないんですよね……。
失敗しろ、消えろ、と大豆田を呪いながらも、親しげな助言メールは送り続ける漣が怖かったです。しかも中身は郷が『あんなのダメ』と言ったまんまの、冒頭から血がブシャーっと人が死ぬ系w また言われた大豆田が素直に書いたブシャーが採用されて、その後彼女が自信を持って脚本家として活躍するきっかけになってしまうとは、超皮肉でした。
でも、そんな光り輝く目標がいたからこそ、家族にすら応援されなくても書き続けられたんだと強く思う漣。実際の交流は多くなくとも、彼女大豆田こそが『親友』だった、と綴る漣の日記は胸に迫るものがありました。
花束を持って空港へ向かう漣、凱旋帰国する薮内監督&大豆田夫人。血相を変えて大豆田に体当たりする漣、刺さる音、周囲の悲鳴……。
どー見ても漣が大豆田刺しに行ってますけれど、湊かなえですからね。
他にも大豆田を憎んでいた人物がいて。漣はとっさに守ったんです、親友を。憎んで、蔑んで、でも憧れて、ああなりたかった親友を。あらやだ、ちょっと泣けてきたわ。
破綻なく書けるけれど個性がなく、愛想がよく器用で便利に使われてしまった漣(なんならその美貌も、郷に消費されてしまって損でしたよね……)その死をきっかけに世に出ることになる遺作の脚本は、どんな話なんでしょう。次の話にリンクするのでしょうか。