ご存知江戸川乱歩、レトロ犯罪を楽しむつもりが、がっつり現代に翻案していてそこは新鮮でした。
怪人二十面相ならぬ『ファントム20』はハッカー集団w
ある日メガバンク顧客情報が書き換えられて、戻してほしければ一時間以内に仮想通貨で50億円だか払え……。という要求に乗り込んできた警視庁サイバー部隊の小林刑事(伊藤淳史)、少年じゃないよw そしてデータ乗っ取りの方はフェイクで、騒ぎに乗じて狙われていたのは地下金庫のフェルメール。そこに何故だか老人の変装で紛れ込んだ明智(西島秀俊)は、乱闘しつつも愉快な仲間と連絡を取り合い、絵画を守ると同時に顧客データ暗号化も解いてしまうのでした。誰だこいつは!って、当銀行の上得意様でしたよ。
ここまでは、物珍しさで面白そうかなーとちょっと期待したのですが。続きは無駄が多くて辛かったです(^^^;;;;)
小林刑事は常にカタカナを噛み続け、超天才明智小五郎は小林の名前を間違い続ける……それ面白いの? 明智が私的に雇うチームBD=ボーイズディテクティヴ。少年探偵団の名称&エンブレムをダサいと騒ぐ女(上田遥)は口汚く不愉快だし、カッコイイと思ってる男(大倉孝二)とのやりとりも無駄に長いでしょ。そして、地下アイドルオタクなそいつの推し「まゆぽよ」が、小林刑事の妻(岸井ゆきの)なのね……。小林夫婦や姑とのやりとりもしつこい上に、別に謎解きに絡むわけでもなく(まさか後編への布石?)
あ、明智がお飾り社長の会社を実質経営する妻(石田ゆり子)が、明智の笑顔に「ずるい…」と嘆息する場面は好きですw 自由に生きてる旦那が好きなのねー苦労するよねー(^^;;;;;)
で、メインの事件は元少年犯罪者の予告殺害。
未成年だからと表に出なかった凶悪犯たちの、顔写真と現住所が晒されているマップを、センスがいいと褒める明智w おまけにセキュリティーもきちんとした作りだったらしいですよ。該当者が次々と誘拐され、拘束状態をネット中継。善良な市民の投票で処刑する~という派手な犯罪になったのをあれやこれや解きまして……最後にはマップ開発者をチームBDに勧誘して終わりw そこはなるほどだったんですけどね。全然江戸川乱歩でもないし2時間必要なかったですよね。
西島明智の格闘と、忘れたり思い出す時に踊り狂うCGの龍はとりあえず見所。これだけ生かして、オリジナル脚本連ドラじゃダメなんでしょうか。明智小五郎!と銘うつより、似た名前でオマージュをほのめかしてくれた方が見易いかも…。
異能の西島秀俊と伊藤淳史刑事の取り合わせにドラマ「無痛」を思い出しましたけど、コミカル演技でもちろん別物ですw