ドラマでポン

2004年4月に始めたブログ、いつの間にやら10年を超えびっくりです
相も変わらずドラマとインパルス板倉&西村雅彦押しのじゃすみんをよろしく!

ドラマの☆は最高が5つ。
好き勝手な覚え書きですがお楽しみいただけたら幸いです(^^)

小説

小説「月の炎」板倉俊之 ☆☆☆

ナイス、ジュヴナイル!

小説家板倉俊之の新作です。
トリガー」では各県に一人殺人許可者がいるというパラレル日本が舞台、銃や世界設定の説明に行を費やしながらも根幹は『他人様に迷惑をかけるな』という強い正義感にもえる作品で、続く「蟻地獄」でも裏社会やとんでも殺人鬼と戦いながらも主人公は決して友人を見捨てない、「走れメロス」もかくやという正義の物語w 悪ぶってもいい人なのわかるよ、とファンは感涙にむせび泣いては誰かに読ませたい、どう勧めようと逡巡したりしたものでした(キモくてすみませんorz)
そこに爆誕したのが、まさに真っ向から正義を問う物語。これは勧めやすいわー。学校の図書館に置いてもグッドですよね。

舞台は普通の小学校、主人公の弦太も普通の少年です。訳あって片親なだけの。
物語の始まりは、タイトルにもなった日蝕の観察授業から。あの金環食の時に着想を得たのでしょうか。実は日蝕そのものはなくても事件は成立するのですがw そこにモチーフを取り入れ構成するのが小説ってものでしょう、終盤にも印象的に使われナイスでした。屋上に子供達を立たせ、町を俯瞰させた導入も同様に、素晴らしく小説。先生の熱心さ、生徒の様子、裏山の地形もよくわかるじゃないですか。
その裏山で遊び倒す様子がまた溌剌と楽しそうで、ぐんぐんと引き込まれます。そうそう、ランドセルって案外クッションになるよねw リコーダーは外しておかないとねw
全財産の小銭を握って、こども相手の店に向かう高揚感w(ミニ四駆大プッシュw 今年も大会MC来ますね!)

そんな事件といえばウサギの逃亡ぐらいな学校で、同級生の家が燃え、飼育小屋が全焼します。大学生の”師匠”を巻き込み、尾行に張り込みにと犯人探しに萌える弦太たち。友情、喧嘩、恋w 大人には探偵ごっこと思われても弦太たちは真剣で、やがて明らかになる真相は……。

終盤、日記での説明が冗長に感じましたが、その分こどもだけで全部解決したりせず警察もお仕事していた安心感もありましたよね。
火災現場で殉職した父の、正義の教えを貫いた主人公。でもその結果が、必ずしも良かれと思った通りではない、責任を追いきれることばかりではないと苦くも学んで、また一歩、少年は大人に近づいていくのです。

読後感も爽やかでした。

小説「蟻地獄」板倉俊之

面白すぎるよ、板さん!


インパルス板倉俊之の小説第2弾。
前作「トリガー」が殺人許可など異世界設定で悪ぶり感があったのに対し、今回は普通の若者が犯罪に巻き込まれ(もとい自業自得で首をつっこみ)四苦八苦するという、もっと身近?な物語になっています。

寒がりで頭脳派で19才で無職の主人公。

ファンなら19才当時バイト暮らしだった板倉さんを重ねずにいられませんよねw(暑がりでおデブな友人は幼なじみがモデルだそうですが、私の脳内映像ではつっつんです)


5日で300万円つくらないと友人が殺される!

そんな無茶な状況でも逃げず、諦めず、次々と思いつく『名案』を乏しい予算で進めて行く主人公を追って、読者も右往左往させられます。この熱意で仕事もできたら稼げるだろうにねー、でもそもそも発端のいかさま賭博をしちゃうところがダメなんでしょうねー。


練られた展開で、残り少ないページ数でもまだまだ何かが起きるジェットコースター・サスペンス。伊坂幸太郎やジェフリー・ディーヴァーを思わせる、とまで言ったら褒めすぎですね、ファンですので許してw

でも十分に、板倉もお笑いも知らない本好きの友人に、こんな新人いるよと勧めたい一冊です。


もったいないのは、冬の話で終始寒がってるのに4月出版なことと、分厚さw 小ぶりのハリーポッターかという存在感で1700円は平積みになりにくいし、通りすがりに気軽に買える本じゃないですよね。面白いのに!(ハードカバーじゃなく、京極堂シリーズ的装丁にならなかったのかな)


ちなみに、前作で丸出しだった個人の好み(じゃがいもゴロゴロカレーw 銃のうんちくw)の出方は、もっとソフトになってます。便利なライトやスタンガンの銘柄指定ぐらいなら物語の邪魔じゃなく微笑ましく読めました。


猟奇的な暴力描写はあるものの、そこがメインではないし(時に笑いどころですらあります。そうだ!◯◯で稼ごう!ってw ←いちおう伏せます)
動物や女子供への気遣い、家族とのやりとりなどはやはり暖かい人柄が滲みでていて、穏やかな読後感も気に入ってます。同じ二村と修平でまた事件に巻き込まれて欲しいくらいです。こんどはデブの修平も大活躍とか。


でも本業インパルスの活躍を願うとコント作るのが先ですよね。
ピン活動がインパルスに刺激を与えた様に、この執筆活動も芸人板倉俊之の良い糧となるのでしょう、これからも板さんから目がはなせません☆ 

ちなみにじゃすみんの「トリガー」評はこちら
(追記 「月の炎」評はこちら


小説「トリガー」板倉俊之 ☆☆☆

なるほど一気に読めました!
でも、いやもうなんだそりゃという恥ずかしい設定がドーンと迫る導入部が一番手強かったです。

国王制を敷かれている日本、「凶」の殺人許可証を持つ「トリガー」達。
これを「かっちょいい〜」と思える年齢ではないオバサンですので。どれもこれも、些細な場面ですぐぶち切れて人を殺す主人公三上くん、駄目だよ。普通に注意するかスルーしてよ。カルシウム足りないぞ?
読み進むにつれ、三上以外のトリガーも次々出てきて態度も様々なのでホッとしました。
なかなか撃てない者、撃たない者、愛する人を守るために引き金を引く者。撃つ時と場所を選ぶ者。ふむふむ。

トリガーの周辺で生きている人達の関わり方も考えも様々です。その昔、通学電車で「なんだコイツ」と怒りを溜めていた板倉少年ももう、殺せーとだけ思ってはいないワケですね(そりゃそうだ)

それぞれの人物の服装や特徴の描写が細かいところ、そういう人間観察がコントの演技に生きているのだと納得。車種や銃の形式、煙草の銘柄もきっと似合いの選択がされているのでしょう。かといって、大藪春彦や片岡義男ほど何ページも解説したりしないのは助かります。とりあえず我が家はレガシーにずっと乗ってたので、愛車が中古レガシーな先生に親近感♪
(じゃがいもゴロゴロカレーでは爆笑〜。板さん実家のカレーがそんなで大好きだっていつも言ってるよね)

短編オムニバスという方式も、コントをつなげてライブを演出している板倉さんにはきっと自然な方式だったのでしょう。笑えるオチがついた回もあったりして(救急車 笑)。そして、そのオムニバスの輪がつながって行くところは「ドクソウ」にも共通な嬉しい仕掛けです。
伏線やミスリードを仕込みつつ、因果応報に持ち込んで、最終的には三上にも自分の非をきちんと自覚させているところなんかもすっきりしましたねー。この辺一応、未読の人のためにぼやかしておきます。

なんかほめすぎな気もするので、以下ツッコミどころを。

☆指紋認証は県外ストップ機能より重要でしょ!!
☆美容整形に夢を見すぎ。
「この写真と同じに」の注文で、知り合いが見間違えるレベルに仕上げられるのはブラックジャックだけです(笑) 傷が治るまでの時間も必要で、死体に美容整形を施すのは不可能ですし(^^;;;)
☆海外高飛びにビザ申請??犯罪者のくせに不法滞在はしないつもりなのが笑えるー(日本人のアメリカ観光はビザ要らないよね? 板さんは仕事で行くから普通と違うのでは)


そういえば、漫画「サトラレ」を思い出しました。
核になる設定”トリガー”がどーんとあって(「サトラレ」の場合は思考が外に漏れる天才サトラレ達)、主人公はこう、同じサトラレ&トリガーでも他の年齢だとこう、家族は、賛同者、対立者、条例を作った方はこう、と角度を変えた描写を積み重ねての思考実験みたいな。最近では「イキガミ」もそうなのかな、そっちは原作も映画も未見ですが。
各都道府県にトリガーが1人。出てこなかった地方トリガーの設定や削られたエピソードがありそうで興味津々です。広大な北海道もトリガー1人って、遭遇確率低すぎ(笑)沖縄は結局米兵は撃っちゃいけないとか、あ、これはマジ過ぎる。

宣伝にあらすじを紹介しては「ひどい奴だと思われる」と言っていた板倉さんでしたが、読後の印象は逆です。なんていい人なんだろうと。
だって基本が”迷惑をかける奴が許せない”、ですよ?? 子供に優しく、ポイ捨て禁止。悪ぶってはいてもマットウですよね。 援助交際はご自由にーなところが、まあ男子だなあとは思いますが(父親目線なら援交オヤジ必殺でしょ)、芸能界の枕営業はお嫌いな様で、これまたマットウです。
そして、想像が働く限りの『悪いこと』をさせただろう「悪」のすること、幼女虐待、レイプに母親殺し、強盗殺人の描写が必要最小限で、決してそこを楽しんでいません(世の中には、微に入り細を穿って、凶悪犯罪部分を一番楽しそうに書く小説家もいるのにね)

家族を亡くした者の嘆きも様々に描かれて、彼にとっての家庭の大事さも良く分かります。食堂の直子さんに投影される働き者で優しい母親像といい、いい家庭で育ったいい子だよね板倉青年。
(反面、「恋人」の扱いが粗雑!半年もほったらかしで家事だけさせといて、でも愛を信じているとは恋愛面が心配になりますよー)

「相棒」西村くんのおいしさも見逃せません。
バリバリと人を殺しまくる三上に”唯一接し方が変わらなかった男”って、本来その方が変な人です。でも、ふりまわしても無視しても、正論とツッコミをぼやきながらもついてきてくれる西村くんがいるから、こっち(読者)も三上を受け入れられる。インパルスファンにしたら、どれだけ堤下?というキャラです。ふふふ。
国王と小早川も、それを言うなら前述の恋人同士も、片方の好き放題を止めないところは似てる……。それが理想なのか日常なのか板さん? 

というわけで、ファンならどんどんと深読みして楽しめます(笑)自叙伝を書くような人生じゃなかったから、と創作を試みた板倉さんでしたが、実はエピソードを選んで自己演出できる自叙伝よりも、創作の方がうっかりあれこれにじみでてしまう模様です。その辺、ご本人も気がついたみたいで品川さんとの対談で語ってましたねー。
増刷もかかったそうで、”板倉俊之”を知らない人にも読まれて行くんでしょうか。興味深いです。 

(追記 板倉俊之小説第2弾「蟻地獄」評はこちら)  (追記 「月の炎」評はこちら
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