終わってしまいました。
久しぶりに一年間見通した大河ドラマ、あまり感想書いていなかったのはほぼ文句もなく楽しんでいたからですね。
普段ドラマを全く見ない歴史好きでもない友人が、浅間山噴火コントだけたまたま見て惹かれて以来見だしたそうで。大阪に来てくれたと思ったら目的地は九度山、上田城も訪ね真田関連の書籍を買い込むと、すっかりマニアと化していて真田丸パワーに恐れ入りましたよw
私もまずは昌幸に魅せられ、秀吉に引っ張られ、三成を惜しみ、と時代時代の才能を愛でていて、そこに信繁が肩を並べたのは幸村と名乗って変装し大阪城に来たあたりからですかねw 堺雅人は好きですけど、信繁が超魅力的だとは……。でも静かに佇んで全てを見ていた人として、確かに主人公ではありました。
どのエピソードでも端の端まで登場人物をきっちり描いて見せ場があり、その人その人の筋が通っている。それが「黙れ小童!」を言われ続けた信幸から室賀息子への「黙れ小童!」返しであり、三十郎涙の「源次郎様ー!」であり、作兵衛の「すえ…」「梅…」であり。いざ腹を召す信繁が握る梅の六文銭であり。
本当に、なんで秀頼は真田を信じてとっとと出馬してくれなかったかなあ。どれもほぼ大蔵卿局のせいなんだから誰かキツく締めてれば、せめて堀が埋められたあたりでぐうの音も出ないぐらいに論破して泣かせておけばこんなことにはならなかったのにー。内通者も実は厨番のじいさんで、とおに死んだと言っていた妻子の死が秀吉に手篭めにされたからだったとはなんという親の因果が子に報い(><) 途中ほぼ勝ってたのに!家康走って逃げてたのに!
どんなに勢いよく見えても史実が向かう先は知っていますからね、もう。最終回は涙なしには見られませんでした。
ただし信繁のラストカットは笑顔で、最期の最期は描かれず。一方、平和な村で国の治め方を本多から学んでいる信幸の元に早馬。それは信繁死すの報なのでしょうけれど……そこでもまた、六文銭の紐が切れはすれ決定的な知らせは語られず。諸説ある中のどこぞへ生き延びた可能性も残しての終わりとは、憎いよ三谷幸喜!
更に更にナレーションが語るには、信幸が築くこの国からこそ江戸幕府を倒す男が生まれてくるわけで(うわー「新撰組!」まで思い出しちゃう)真田丸の航海はまだ続くのです。
そういえば映画「清洲会議」は映画館で見たのですが、特に響かず。歴史好きなんだね……とだけ思って帰ってきましたが。そんなに好きな題材を大河ではよくぞズバッと省いてくれたというか、映画で満足していたおかげでそれが出来たんだなというか。1話から最終回まで、実に過不足なく構成しきったものだと思います。それでも尚、軍師本多を演じたのが近藤正臣さんだったからこそ信幸が本多に教わる最後になったとの記事を先ほど読んだところで、書いていく間に変わる部分ってあるんですね。
元々、演者で変わる生き物である舞台が本領な三谷幸喜、長丁場で演者に影響を受ける大河ドラマの方が映画より向いているのかもしれません。
さて来年の大河、女城主景虎の柴咲コウをはさんで高橋一生と三浦春馬の三角関係的な予告に不安が募りますw それをするならいっそ江戸を舞台に「みをつくし料理帖」でも一年かけてやってくれたらいいのに。
三谷幸喜
萬斎さん、どうしてそんなことにw
原作既読、どういう話か知っているので興味は誰がどう描かれるかだけなわけですが、その合間にもとにかくずっと、名探偵ポアロ=勝呂(すぐろ)を演じる野村萬斎の役作りが気になって仕方がありませんでした。大河ドラマでだって滅多に見かけないほどの力み具合w
「野獣だ」「悪人顔だ」と、佐藤浩市演じる殺される男がずーっと容貌をけなされつづけ、果ては警護を頼まれた勝呂まで「あなたの顔が嫌いだ!」と依頼を断っていたのですが、それほどでしたか?むしろ勝呂の目つき口元の方が怪しかったかと。
(でも洋画の吹き替えにだったら、ぴったりw)
そして、雪で閉ざされる車内で殺人。
一人ずつ乗客が呼び出されて質問され、ある人は断言しある人は失言し、またある人は知るはずの人を覚えていない…。
途中で席を外した旦那が「で、どうなったの?」と聞いてくるのですが、えーと、何がどんどん分かりかけているのかを説明したら終わっちゃうんですよw 段階踏んで、もしかして…と思うのが醍醐味なんで、巻き戻すか、いっそ全員集まってるところまで早送りするかしかありませんってば。
続く第二夜では、計画が練られた5年間や、実行列車によりによって名探偵が乗り合わせた動揺を描くようです。確かにそれは楽しそうw それだけで映画にしてもよさそうなものですが……原作のネタバレもいいところになるのでこうやってわざわざ2夜連続になったんでしょうかね
三谷幸喜のいつもの嘘つき主人公。
ホント、どうしてそこ見栄はるかなw 嘘つくのかなw
小学生の息子がお父さんの職業を知らないとか、ナイナイ無い~。
この辺あまりつっこむと、三谷幸喜自身に子どもがいないこととか少年時代の父不在とか哀しくなっちゃうので、そういう家なんだよと思うしか無いんですが。離婚した母親がひきとっていたわけじゃなく、父子2人暮らしで、家に帰るといつもお父さん寝てるじゃないとか言うくせに父が何をして養っていてくれてるのか知らないとか、ぼんやりし過ぎでしょう。
(それより、学校での怪我で校医や町医者でなく総合病院に連れて来るって先生、初診料バカ高いのにもっとナイナイw)
さておき、総合病院で息子と鉢合わせる主人公。
ガンの診察で来てたくせに、咄嗟に「お父さんは医者だ」とか言っちゃって院内を見学に連れ回しますw 落とし物白衣を脱ぎ着のタイミングや、ちょっとした言葉遣いで、相手の大人はともかく息子は誤摩化しちゃうアドリブテクニックは、さすが紅天女候補(違)
挙げ句カンファレンスでも演説をぶちw
「お父さんみたいなお医者さんになりたい」
と言わしめた父の背中を追って息子は……
立派な俳優になったのでした(^^) チャンチャンw
冒頭、父が診察室に招き入れられていたのと同じ言葉で、成長した息子も呼ばれて楽屋を出ていく。この辺の掛け具合が上手くておおっとなって、やはりさすが三谷幸喜なのですが……。
だからこそ嘘が謎過ぎてそこもやっぱり三谷w
普通は切羽詰まるから嘘をつくのに、三谷が描くと自分から嘘つき始めるんだよねー。その後、自業自得で切羽詰まるんだよねー。
父の嘘を知った時の息子の反応も知りたかったです。結局は許してるわけだけどね、多分まずは呆れるよねw
結局、「父の背中」というモチーフだけで脚本並べても共通感はなく寄せ集めで連ドラにならなかった今作。終わりよければ全て良しではありますが。
並べ方が違ったらなーとやっぱり思いますです。
脇役や街での出来事がつながるぐらいの(「55才のハローライフ」的な)仕掛けはやはり欲しかったですね。
ホームズとワトスンが、学生寮で出会った?
三谷幸喜がシャーロックホームズを人形劇で翻案します。
ホームズの鼻はやったら高いのですが、鋭い目つきは見慣れて来るとなかなかかっこいいかも。山寺宏一の声は間違いなくイケメン(><)
オープニングではプロジェクションマッピングを駆使して怪しい事件を解くホームズを演出します。
オーストラリア帰りの転校生、日焼けしたワトスンは開けっぴろげの可愛い奴ですw 膝はラグビーで痛めたのね。ベーカー寮221号室で同室になったクールな変人ホームズの活躍をしたためる日記の表紙が亀模様…w
アイリーンアドラーは色っぽい保健室の先生w レストレードは上級生の寮長みたいに登場と、その他お馴染みの面々がどう出て来るかも楽しめますよ。
学内で起こる事件なので殺人は…なしね。
恋人が消えた事件は、正体が××でなく幼なじみになっていて(一応伏せ字w)ほのぼのになっていて良かったですわ。その他、次々と壊される石膏像が美術の授業で作ったカバだったりとなるほど学園ものだわーw
事件が解決し、犯人が動機を語って諦めの言葉を吐く度にワトスンが絶妙な角度から励ますのもいいかな。
しかし学生の恋人同士はチューしてる演出なのに、校長先生とアドラー先生の不倫は『校長室で鬼ごっこ』と描写されていて思わず画面にツッコみいれてしまいましたw
いくら子ども向けだからって鬼ごっこってw
wowowにて放映。
文楽については、橋下元市長の「つまらない」発言やら三浦しおんの小説&エッセイで興味を持って、年頭に初鑑賞をしてきたところです。
市のイベントだったので事前に見学会などあり、解説してくださった人形遣:吉田幸助さんの軽妙な話術や人形さばきに惹かれ、続く本公演「ひらかな盛衰記」などにも感激して帰ってきました(急いで駆けつける場面で逆にスローモーションになり、のけぞる動きまで加わるという逆リアルな演出はアニメーションのコマ割りに通じるところがあるのでは)
そんなところでの、この放映。そりゃ観ますって。
『曾根崎心中』の舞台、天神ノ森で心中が流行し商売あがったりのまんじゅう屋夫婦。心中の邪魔では拉致があかないと、店頭で人生相談も始めたらまんじゅうの売り上げも上がり……。
あらすじで既に可笑しいw
物々しい太夫さんの声で「カップル」だの「パトロール」だの横文字が語られるとそれだけでも笑えますw 更には、原作者近松門左衛門に苦情を言いに行く主人公w へりくつに三谷節が炸裂です。いわく
「生き残って、悪役にされた人が迷惑」 確かに!
「うちも迷惑した」 ですねー。
「だから パート2で儲けさせろ」wwww
その間にも、おたふくな一人娘が恋しちゃって心中だとか言ってるしw 結構なハチャメチャコメディで次から次へと楽しめました。もちろん「曾根崎心中」や「天の網島」を知ってて更に面白いところもあるわけですが、知らなくてもそれなりに楽しめるように作っていそうです。
心中で入水する場面の泳いで見える演出は水のビニール?がきらきら光って奇麗でした。インタビューで三谷さんも語ってましたが、確かにあの場面は人間ではほぼ無理、人形ならではの演出です。
全景では、三味線と語りの太夫さんたちが正面上にどーんと座っているのが目を引きました。普通右横に居ますよねえ? わざと目に入る様にそこにしたそうで、更にTVではアップの画面で太夫の汗だく状態も分かって大変さがよく分かりました。
気軽に楽しめる古典。大阪でも上演してくれたら是非友と連れ立って行きたいです。
……そういえば随分前ですが、京極夏彦が狂言書いた時にも見に行ったっけ。こういう企画は、「お勉強」じゃなく楽しく馴染みの無い世界に触れられて良いですよね。
ちなみに吉田幸助さんは近松門左衛門を動かされていたそうでしたよ。
舞台中央の天井から、きらきらと流れ落ちる細い糸。砂時計にも似たその流れが、少年の危篤の知らせに途切れる時、胸がつかまれた様でした。そして産まれた沈黙に耐えきれなかった医師と、あと3秒待たされたら自分が動いていたのに……と、その「3秒」をこの先の人生ずっと&生まれ変わってからも悔い続けるだろう父親と。
また流れ始めた輝く糸は、閉演後もきらきらきらと流れ続けていました。(近づいて見てきました、水だったんですね。スポンジ状?の床材に吸い込まれ、水たまりはありませんでしたよ)
あの流れ続ける水の様に、9才の少年がその後も元気に幸せに生き続けていることを願います。
と、いうわけで三谷幸喜脚本、タイトル通りに90分のお芝居だった「90ミニッツ」を見てきました。
交通事故にあい、通常なら手術で救える筈の少年に残された時間はこのままだと90分。信仰上の理由で輸血を拒む父(近藤芳正)と、手術(含輸血)を勧める整形外科医(西村雅彦)のせめぎ合いが見事でした。
なぜいけないのか?
輸血は提供者の命を削っていないのに?
もし輸血したら罰があるのか?
親のエゴじゃないのか。
医師の論理的な畳み掛けに、おろおろと揺れては妻との電話で盛り返す父親が腹立たしいのですが、彼らには彼らなりの正義があるわけです。
9才は死んじゃいけないのか?
90才なら死んでいいのか?
むしろ患者の意志を無視しても助けたい医師の気持ちこそエゴではないのか?
そんな出口のないやりとりに、時折笑いが起きます。でもその間にもどんどんと、息子さんは死に近づいてるのかと思うとやりきれません。こんな言い争う隙に、付き添って手でも握って看取ってあげなくていいんだろうかとハラハラしたり。でも彼らの信念に基づけば、他の肉を身体に入れずに生きて来た息子さんの魂はちゃーんと生まれ変わるので肉体の死は死でないというのなら、ねえ。
「生きたい」と
「死にたくない」の違い。←この辺、まさに三谷節。
承諾書なしの手術で医師が失うもの。
最後の最後での決断。
結局ああなるのなら、父親がさっさと承諾書書いて、息子と妻には輸血無しで済んだよって嘘ついておけよーと思ったり(3秒…のくだり、自分が息子を助けなかったことでなく、輸血されたことをやっぱり後悔する言葉を吐かれたらどうしようかと思いました。)
実話でのその後はともかく、物語世界でのその後はどうなったのでしょう。せめて訴訟だけはしないであげて、もしくは証言だけはしてあげて、坂の上の新居が幻に消えないであげてほしい……。
終演後隣をみたら、友人が泣いていたので驚きました。理詰めて見る自分と、情で見る友人とでまた見える世界は違うんでしょうか。『三谷幸喜?見たい見たい!』とついてきて、喜劇を見る心づもりだったそうで余計に振り幅が大きかったのかと思うと申し訳ない。
ところで例によってお目当ては西村さん。
すーっと背筋の伸びた後ろ姿の美しさが相変わらずで、白衣が更にお似合いでした。眼福、眼福。
新宿シアタートップス閉鎖を惜しみ、伝説の劇団”東京サンシャインボーイズ”15年ぶりの再集結。
もうずっとそれぞれ別個にご活躍の面々を揃えて、何をさせるのかとワクワクしていたら同窓会です。なるほど!
若かったよね、懐かしいねーな気持ちがシンクロする実に納得の仕掛けです。
でも話はどんどんずれていって、宇宙人が攻めてくるとかタイムリミットは3日とか。
「狙いはもちろん世界征服です!」
えー??
目立たない平凡な生徒だったけど、凄い能力を秘めていたことを先生だけは知っていた!……んだそうですよ。
そりゃ芸能人だものーというツッコミはさておき、テレポテーションとか空飛べるとか、なんで今まで気がつかないかなー(笑)
最初はもっと別の、人生が上手くいっていない教え子を元気づけようと先生がウソをついたお話かと思って見ていました。だって三谷脚本と言えば嘘つきが必須(?)
でも結局、本当だったじゃーんという結果は逆にひねりもなんにもない感じだったんですけどー。
これはお祭りだし。そういうところに完成度を求めちゃイカンのでしょう。
(あと10日という顔合わせの席で、これからホン書きますとか言ってた ^^;;;;)
それよりも、別の芝居を思い出させる台詞を散りばめたり、伊藤敏人さんの声の出演など、当時の芝居をあの会場で見ていた人のための……そして忙しい中集まった、出演者達のための時間だったんだなあとしみじみと思い知りました。まさに文化祭。
そんなわけで当時に思い入れの無い身としては、TVを通じてでも”見た”ことだけで満足です。むしろメイキングを堪能。
西村さん、嬉しそうでしたね(^^)
笑い声の漏れるホカホカ状態でコメディ映画見るのって幸せ。……ただ、見終わって残るものはなんにもないんだけどなー。楽しかったです。
自分の命のためにウソをつく。
なるほど。
前作「有頂天ホテル」で困ったのは、主人公の身分詐称ウソに全く共感できないところなんですよー。何故そんな嘘をつかなきゃいけないのやら。なので今回のウソ「殺し屋デラ富樫と知り合い」はまだ受け入れ易くて助かりました。
映画撮影と勘違い、の点も見始めてからは別に「サボテンブラザーズ」思い出さなかったし。焦る妻夫木君、困る妻夫木君が見ていて楽しいというのもポイント高いデス。
自己紹介の繰り返し、「カットって言っていいのはコイツだけ!」等々、イヤー笑った笑った!
でも、監禁されてる訳でも無いんだから(普通デラ富樫連れてくるまでは見張りつけるよね。て言うか、トランポリンで即ボコられてても文句無いはずじゃ ^_^;)、デラさん紹介だけして速攻尻まくって逃げ出せばいいものをー。
主人公(妻夫木クン)に生活感無いって言うか、その若さで大きな店の支配人なほどのやり手って感じもせず店を絶対守りたいわけでもなく、街を出たからって即食い詰めそうな感じもせず。なーんとなく居続け&ウソの完成度にこだわるから、どんどん、デラを置いて逃げられないドツボにハマルんじゃーん。
勿論、その方が見てる方は面白いんだけどね??
101人(笑)の黒い女、こそっといる寺脇さん、「有頂天ホテル」のあの役らしい香取クン、止めどなく流れ出す醤油……会計士さんもアンタッチャブルネタでしたねー。そうそう、亀!(ここで寺脇さんでも良かったのにー 笑)
もっと映画詳しかったらもっとアチコチパロディわかるんでしょうねー。そういうところも楽しかったです。
最後の仕掛けも、無駄にならずに終わって良かった良かった!
そうそう、無邪気なデラ富樫(佐藤浩市)の演技が全部無駄かと思うと胸が痛かったんだけど、その点も本人なりにちゃんと幸せになれて良かった良かったー。ボス(西田敏行)すら幸せになって良かった良かった(笑)
で、帰る途中「今度見に行かない?」と、別々のグループからメールもらいました。番宣しまくってた甲斐あって認知度高いですねー。ロングランするんだろうな。一応、鑑賞後の食事に合流するよって言ってあるけど、レディスデイならもう一回見てもいいかも。