静かできれいな映画。主人と一緒に泣きました。


「永遠のゼロ」を読みながら、じゃあこの素晴らしくも危うい零戦ってどう作られたんだろう、とは思っていました。まさにその零戦を作った人の話だというから、興味を抱きつつ多少のきな臭さを覚悟して行ったというのに……当の主人公堀越二郎は

「どこと戦う気なのかなあ」

程度にしか世界情勢に興味無しw 骨の髄まで飛行機オタクw

そんな’、ただひたすら美しい飛行機を飛ばしたいと突き進む人を、ただただ見守る映画でした。戦時の混乱どころか、富国強兵も食料統制ももんぺも供出もちらとも見えないまま。肩すかしではありましたが……でもじゃあ、奥さんの死ぬところや悲惨な空襲やパイロットの死に様を見せれば良かったとは思わないし。四六時中夢を見ている様な主人公に、変に分かり易く苦悩されても共感できたと思えないし。

ただ言えるのは、家のリビングで見たら洗濯物たたんだりしそうな山場の無さw 映画館で、集中して静かにみてこその映画だと思います。

鯖の骨w


そして、主人公が空飛ぶ飛行機をそんなにも作りたかった様に、監督はそんなにも空を飛ばせて羽の上を歩かせたい(歩きたい)のかと。未来少年コナンは超人だから飛んでる飛行機の上を走って、落ちそうになったら足の指で掴まってましたけどw その他泥棒/姫/魔女/魔法使い/飛行石だから!等々と長年こね回してきた言い訳なんかどーでもいいや!とばかりに、普通の人な堀越を羽の上歩かせて、夢です、ってw ついに開き直ったんですねw


庵野氏の声は衝撃でしたが、慣れます。

上司役の西村雅彦さん(好演^^)をはじめ脇はがっちり名優揃いなので、「あ」だけでも主人公の声と即分かることはかえって利点なのかも…(アニメ「遊戯王」の主人公も初期そんなだった覚えが…)


そんな主人公は服の色も我が道を行っていて、どんな人ごみでもすぐにみつけられました。大震災の時は水色、その後社会人になってからはずっと藤色のスーツで帽子のリボンがピンク。単体では決して派手派手ではないのにきちんと目を引くのって、よくよく考えられた色合いなんでしょうね(他に同色を着ている人がいないのはもちろんのこと)奥さんのコートの色もきれいだったわー
あ、瀧本美織が「妻はくノ一」でも思ったけど凛としたいい声でした。現代劇ドラマだとどうしてこうならないんでしょう〜役に恵まれていないのかな。 


軽井沢の植物も少女時代の毎夏を思い出されて懐かしく。木の家、畳、蚊帳、兄妹で礼をしあう様な礼節、飛行機を引く牛w 飛行機以外の美術にも好きなところがたくさんあって心地よかったです。非難されているという喫煙にすら、昔を思い出して懐かしい気持ちになりましたよ