都内なんだ!

予告の広大な風景で、てっきりコトー先生的な地方開業かと。なのに患者が押しかける名医なのかと思ったら、東京は井の頭の開業医ですよ。だったら他にいくらでも、獣医の選択肢はあるでしょうに……と、高飛車で失礼な鳥取=ドリトル先生をみていたわけですが(あだ名の元になる児童書「ドリトル先生」シリーズ大好き。動物と話せるドリトル先生は優しい紳士なんですぞ?)

なるほど、訴訟が増えた経緯などあって、リスクの高い診察は拒否or安楽死をすすめるケースが増えているんですね。そんな社会的視点や、移送費やえさ代等、ケンカついでみたいにさらっと語る高額医療の内訳も納得いったりして、予想外に興味深くみられました。
小栗旬のもう十八番ともいえる「イラっとさせる役」で、今度もはまり役です(そして結局、優しいいい人なんだろうけどねえ)
 

そんなわけで、鳥取医院に押しかける行き先のない患畜たち。
骨折した競走馬、脳挫傷の猫、白内障のマーモセット。人間の医療ドラマで病気が3種出て来ると混乱しますけど、動物なら違い過ぎるので大丈夫ですね。そして、まさにそこが獣医の大変なところで、全て直せる獣医なんていないといわれて納得でした。対比も、大きいが故に治りにくい馬、小さすぎるが故に手術が困難な小さなマーモセット、そして身近な猫と上手い配置だったかも。

同様に、人間ドラマの配置も面白かったです。

息子のために、猫の手術費を払うものの結果が不満な父に、西村雅彦さん♪
その訴訟を請け負った弁護士が、ペットの急病で鳥取医師に頭を下げるしかなくなる皮肉。更には、息子の必死な看病が奇跡を呼んだことで西村さんも、会社での効率第一主義を考え直します。……と、ここまではまあベタ範囲内ですが。
何故かその猫のいる家族に、再婚の義母(紺野まひる) 確かにここで実母だと、息子の愛猫を助けるかどうかが父vs母になってしまいますよね。看病も母子一体の取り組みになりそう。でもなさぬ仲の若い母親は、不登校にも治療の判断にも一歩引いて。ただ、介護にくじけそうになった義息に、それだけはやり遂げなくちゃいけないと諭す。それって、彼女の再婚への覚悟にも聞こえて興味深かったです。

ドラマの最後、息子が「お母さん」って付け足すように呼んで笑うところも、ありがちながらとても自然にみることが出来ました(ただねー、2週間以上意識不明の猫、食事も出来ないのに別の医者で点滴してましたかとか。そもそも、原因になったラグの干し方は高層階であれはダメとか、ツッコミどころはありますが)

やっぱり家族ものの泣かせには弱いです。男の子が泣くとぶわっと可哀想になっちゃうし、弁護士さんが亡き息子(マーモセットはその息子の代わりなのよー!!)を想う場面ではもうもらい泣きだし。まさか獣医もので泣くとは思いませんでした。不覚。

本当は、馬を連れ治療費のカタに、鳥取医院で働くことになるつくしちゃんこそ、メインの人物なのですが特に印象なく。まあボチボチ活躍してもらいましょう(まさか、恋バナになる??) 馬の骨折が難しい治療で、馬も辛いだなんて常識ですよね。飼い主のくせにそんなことも知らない小娘、視聴者の視点の代表ということで仕方無いでしょうか。

手術の場面、医療ドラマでチームであたるのを見慣れているだけに、たった独りで(裸の足で機器操作しながら 笑)挑む姿は新鮮でした。大学vs開業医の難しさも出てきそう。どこまで話が広がるのか、楽しみです(西村さんはもう出演ないのかしらー)

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