年相応の田村正和。
妻が死ぬ話だとCMで分かっていて、わざわざ泣きたくないから見たくなかったのに(><)家族が観てるTVでチラチラ出て来る過去は楽しげで、そちらに引き込まれて結局最後まで観ちゃいました。(「筆で食べていく」笑 お馬鹿キャラだったのねお母さん)

若い頃の回想が、終戦やもう夫婦だった時代を先に見せておいて、子供に話す形でなれそめの出会いにまた戻るのも意外性があって良かったです。
そして別れと、運命の再会。
平行して妻の死と、それを受け入れるまでの葛藤が描かれ、タイトルにもなった
「そうか、もう君はいないのか」
のつぶやきのあと、ダンスホールでのプロポーズの思い出で締めて終わるのは、悲しくも華やかで素敵でした。まるで”いつまでも幸せに”暮らした「シンデレラ」の最後を見せてもらった感じ。
喪主が葬式に出たくないだとかは、いい年して恥ずかしい親ですけどねー。ねじはずれるほど愛されていたかと妻側から思えば悪くないかも。(セカチュー系駄目男の元祖だったのか城山三郎…)

そういえば、いわゆる心停止である「死亡」は描いていませんでしたね。
それよりも、定番の笑い話=思い出を分かち合う相手がいない。妻が弁当を買って電車に乗り遅れた、それがどこの駅だったのかがもう分からないことがとても悲しかったです。

若い頃が中村勘太郎というのも、恋愛ものでは手つかずの新鮮さがありました。真面目でお堅いのかと思ったら、結構大胆!(前田愛との熱愛報道も、良いタイミングだったかなー 笑)長澤まさみ→富司純子は…まあいいか。
だいたい「古畑任三郎」以外の田村正和は、すぐ若い女に惚れられていてどうかと思ってました。今回みたいに相応の年齢のお相手で愛妻家って良いじゃないですか。こういう田村正和ならもっともっと観たいです。
ああでも悲しいお話は観たくないのー(><)