主人公が失明。

 冒頭で早速起きる、記事やCMで嫌でも目に入ってくるその設定が観客にとって唯一の『事件』かもしれません。
その後は、あーあーあーと、当事者にはともかく観てるこっちにはものすごく予測的中な展開で進んでいくわけですが、だからといって飽きる訳でもなく、何やら美男美女と移ろう日本の四季を愛でている間に過ぎていくという。
 静かな映画でした。

 妻の不貞。
とはいっても、ほとんど不可抗力。
それでも、事実と分かるや否や離縁を言い渡し、妻も即座に去っていく。
辛くても哀しくてもそこには武士という生き方に誇りを持つ者の美しさがありましたねー。最初噂を耳にしたときには、即座に、断固として否定する程の愛と信頼がありながら、ですよ。
(丁度、ドラマであたふたと見苦しい「今週、妻が離婚します」を観ているところだけに、潔さの際だつこと。)
 そして、妻の為の敵討ち。

 外聞が悪いから隠すとか、自分に都合がいいから黙っているといった見栄や意地ではなくて、自分で決めたことを守り通すために、全てを黙っているんです。
武士だから、と表現されていますけど…人としてかくありたい、夫にもこうあって欲しいと思いました。

 そして私がこっそり戻って来たときには…と思うと、果たして煮物の味で分かってもらえるかどうかは分かりませんが(^^;;;)

 脇では桃井かおりのおばさんと、下働きのおじさんが出色。開けっぴろげで庭の一部のような日本家屋も、登場人物の1人の様でした。