満足満足、大満足!

 「サイトウアイを殺す」「***を殺す」
と、次々名前を指定しての殺人予告。
 謎が謎呼ぶ不可解殺人!
特命係がそれに関わるきっかけが「ヒマな部署」だからだったり、
「亀山の”元”彼女の美和子さん」
への電話だったりするところも、ツボをおさえていて嬉しい限り。

 犯人に接触したハズ、と行動を書き出すようにいわれた美和子さん。
 事細かに鹿手袋さんとデートだの電話だのしていたりしたら亀ちゃん落ち込むだろうなぁ。・・・って、そんな描写はちっとも出てきませんが。
 疲れて眠る美和子さんを気遣う亀ちゃん。いい人なのにねぇ・・。

 その亀ちゃんが見学している「遺族の会」。
先週に引き続き、理不尽に身内を失った遺族の癒えない哀しみを中軸に描いています。でも、 ただの美談にせず、
「お姉ちゃんみたいに怖がればいい」
ストーカー被害で姉を亡くした妹が、警察を世間を恨んでいる様子にはかえって共感と同情を覚えました。

 そうなると、彼女が連続殺人犯に襲われたなんて狂言じゃないかと思いたくもなるのですが、非情なことに本当なんですよね。
「俺の親切に礼も言わなかった」・・・って、そんなことで殺されちゃたまりませんが、折りも折り、お姉さんを殺された日の放心状態を非難されて呆然とする妹さん。
 哀しみにくれることすら許されなかった彼女に、何度も激励を送る亀ちゃん。
「君は間違ってない!」

 胸が熱くなりました。

 もっとも、犯人が名乗ったら即「キングチャイルド」と冠した対策本部看板を立てちゃったり(極秘情報じゃなくなるじゃん)、タクシー運転手に職務質問しながら名前も控えないなど、気になる部分はありました。
 タクシー会社での聞き込みだって、事務所のどこで当の犯人が聞いているか分からないのに。
 でも、トントンとクレーム葉書に繋がっていくテンポの良さで相殺かな。

 犯人と亀ちゃんが揉み合っている間、微動だにしない右京さん(^^;;;) 
出口を固めていた、のでしょうか。最後に取り押さえたのは右京さんなんだから、インテリといえどもさすがに警部殿です。

 そして、ラストも冒頭と同じ「遺族の会」。
 今度は重い口を開いて、ヒトをまた信じてみたいという妹さんの決意に暖かい拍手を送る特命や一課や美和子さんなのでした・・・・。
(ホント欲をいえば、この『青年の主張』が口数少ないか、警察ギャラリーは影ながら漏れ聞くぐらいにしておいてくれると照れなかったのですが。明るく終わらせたかった意図も分からなくはないです)