これはいいドラマ。そして杉咲花が可愛い!

 札付きの無職ヤンキー黒川森生(杉野遥亮)と、盲学校に通う弱視の赤座ユキコ(杉咲花)がひょんなことから知り合ってまずは友達に。ここから恋になるのかなw とりあえず黒川はもうベタ惚れですけども。

 棚からメロンパンを選ぶのも一苦労、外出に白杖は必須のユキコに世界はこう見えています、とぼんやりに切り替わる画面。クラスメートの視界もそれぞれ違って誰々はこんな風、教科書は拡大機を使い、写真はルーペで、スマホはこう使う等々、ユキコの暮らしを追うことで視聴者は、知らなかった視覚障害者の暮らしの端々に触れることになります。またRー1チャンピオン弱視芸人濱田祐太郎のコーナーまであって、啓蒙しつつもお勉強な堅苦しさにしたくなかった意気込みが伺われます。

 そしてユキコちゃんの笑顔もふくれっ面も可愛いんだこれが……。
 化粧だって慣れれば手探りでバッチリ、と導入部で見せてくれますが、そこだけじゃなくダボっと緩いながら色の綺麗なファッションに、常にピシッと切りたて染めたてのショートカットが似合うこと。そのうちに仲良しの姉イズミ(奈緒)が美容師と分かり、なるほど納得。父(岸谷五朗)と共に、定位置にものを整え、食事を用意し、雨なら迎えに行きと、家族の愛がユキコの暮らしを支えているんですね。

 そこに現れた黒川ですが、いや素直。
好きだから待ってる、好きだから点字ブロックや白杖についても知りたい! これもユキコに邪魔と、点字ブロックを塞ぐ放置自転車を、不良仲間とお片づけ。ちょっと前まで上に座り込んでたくせにねw  恋がダダ漏れ、でも誰もそれをからかわないんですよ。いいですね。
 そしてなんと、初対面で蹴り倒したユキコの方が立場が上w  
強くてカッコいいっす姐さん!ってこんな可愛い女の子相手にw  でも普段から避けられ怖がられ、家族とも不仲な黒川に、こんな近距離で接して、怪我を気遣ってくれる人いなかったんだろうとわかってくると切ないんです。
 黒川を探すユキコが道ゆく人に、
「顔に傷があって…でも怖くない、いい奴で」
と説明しているのを聞いて泣いちゃうんだもんなあ。そんなこと言われたことないんだろうなあ。
(また、そのユキコの近さを「積極的だなって」と口に出す素直さもナイスで、ただの怪我の確認、ただの誘導手段!とちゃんと説明できて良かったですよね)

 しかし、黒川を紹介された姉はドン引き。白杖が折れたユキコを助けてくれたと言われても、歴然と不良ですものねえ……。警察にも目をつけられて、自転車整理のはずがしょっ引かれてるし。高校は中退、バイトも採用にならない、無職(生活費はどこから?)
なので黒川が
「住む世界が違う」
と言い出すとき、家族と仲が良くて学校で勉強しているユキコの側が『普通の人』なんですって。これもまた、段々と視力を失って障害者になったというユキコにとっては久しぶりの、切ない分類なのでは 。

 20枚もの便箋に切々と綴った……んじゃ、ユキコが読めないと気づいて書き直してきた恋文は、ドンと一枚に一文字で
「恋、です!」
そんな真っ直ぐな気持ち、実ったらいいですよねえ。でも無職は困るなあ、どうにかならないかなあ。

 ヤンキー仲間に戸塚純貴、盲学校の全盲クラスメートに「ドラゴン桜」で虫大好きだった細田佳央太。あと黒川の因縁の喧嘩相手に鈴木伸之w   主演の「お茶にごす。」も始まった週になぜこんなヤンキーがかぶるゲストを!