山田裕貴がまたも教師とはいえ、ひと味違います。

 中学で酷いイジメを経験した高校生谷口(池田優斗)は、教師志望。
当時の自分を助けられる様な教師になりたい。しかし実際に目にするのは暴力教師や、意欲の空回り、逆に授業をこなすだけの屍……と、およそ憧れられない者ばかり。ところが「倫理」教師の高柳(山田裕貴)を発見?? 期待を大に教師になりたいと告げるも、返ってきたのは思っていたのとは少し違う言葉で肩すかしです。
曰く、悪い生徒を切り捨てていたら、いまに『いじめっ子を虐めてしまう』ことになる?
 受験の点数にはあまり貢献しない倫理、でも人生には倫理こそ必修科目なのだそうですよ、若人よ学べ。

 冒頭から教室で盛っているカップルと、覗く谷口w 下手くそながら性的描写、注意書き入れつつNHKも攻めてますよね。そこに入ってきた高柳先生は、怒るでもなくまず

「同意ですか?」

 ……時間と場所は間違っているとしても、同意の性行為自体は咎めないのです。教師としては超レア対応、実際問題筋が通ってますよね。同意大切。
相手の男は逃げ、堂々と残った女生徒いち子(茅島みずき)はそのまま高柳を誘い始め(谷口は覗き続けw)ますが、そこは塩対応。江戸遊郭の花魁を例に挙げ、教養もない誘惑に魅力はないのだときっぱり拒絶です。怒られるより性的魅力の否定が応えたか、高橋の気をひきたいか。倫理や花魁の本を読みあさりボールペン習字にも時間を割きだした女生徒は……。段々と、望まれたらいつでも寝る女でなくなっていきます。
 男性の不機嫌や沈黙が苦手だといういち子。同居男性に殴られて育ってきたからなのね……。愛想良くセックスに応じれば、喜ばれるからいいと思っていたけれど。自分の安売りはなんか違う??

 そして今までつるんでいた男どもが、断るいち子に力尽くでコトに及ぼうとしている現場から、一度は逃げた谷口でしたが。思い直して呼んできた高橋の第一声はまたも。

「同意ですか?」

 殴りかかる男子生徒を、殴り返すことのできない教師の立場では、諭すことしかできないわけですが。高橋の言葉には力がありました。
そして番組後にも、ポイントまとめ授業の様に『山田裕貴』が問いかけます。

「嫌われたくなくて、断れなかったことはありますか?」

 面白い切り口、これが考えるきっかけになって人生変わる子が本当にたくさんいるのかも。原作漫画にも興味がわきました。