王道ゾンビもの。

 今夜帰ったら……。
とプロポーズフラグをたてたまま、トンネル崩落事故でひとり閉じ込められてしまう主人公響(竹内涼真)
奇跡的に脱出するも、たった4日で街は無人に成り果てていたのでした。
 職場にたどり着けば、社長が隅でお食事中。社員をorz
血まみれでよろめき歩き人肉を漁る、いわゆるゾンビから逃げ惑ううち生存者と合流し、老若男女助け合って避難所である響の出身高校を目指すことになります。
 定番の流れ。なのに誰もあれをゾンビと呼ばないことが不思議です。
『病気なんですか?』
じゃないよw むしろ、噛まれてたらああなる、と響の傷を気にする根拠が「映画で観た」なのかもしれない程、ゾンビじゃないですか……。

 さておき、響が初殺人もとい初ゾンビ退治を体験しながら、たどり着いた避難所は無人で荒れ放題。恋人来美(くるみ 中条あやみ)の持ち物も床に。もう死んでいると言われても来美の無事を信じたい響は、二人の思い出の場所、校内の弓道場へ向かうのでした。
この時点で、トンネル脱出時の街と同様に避難所は無人無ゾンビ。都合がいいな、おい。実は講堂にびっしり全ゾンビ集まっていた様に、ある程度コントロールする方法があるということなんでしょうか。  

 走って追いかけてくるゾンビ群を、腕に覚えの和弓で次々と打ち抜きみんなを助ける響!頼もしい!
 皆がギスギスしたら缶詰料理で和ませ。階上で閉じ込められればカーテンを裂いて窓から逃げる機転。その下にもゾンビが集結するピンチは、救急車内の輸血パックを投げて、更にそれを射貫いてゾンビを遠ざける柔軟な発想と天才的射力! そして絶え間なく『諦めちゃだめだ!』と皆を鼓舞する、まさしくヒーローです。
襲い来るゾンビの中には、偵察に行ったまま戻らなかった宅配さん(鈴之介)も……。怯んだものの、女児を守って決意の矢を放つ響。はい、良かった助けられました~。

 そして助けを呼ぶ来美の無線を受信!生きていた……!

 正直、このテイストなら生きてるだろうなあと。
最後は指輪を渡してプロポーズで大団円、でしょう?? いいじゃないですか。 

 崩落からの自力脱出が既にツッコミどころですが、そもそもゾンビがいる世界。弓道の矢が頭蓋骨貫通しようが、百発百中だろうがそういうもの。と唱えながら観ていたんですよ。
しかしラストでずっこけましたorz
『絶対諦めない男』響が、粘って粘って来美を口説き落とした高校時代のエピソードが、何時間も何時間も、もう辞めたら?と呆れられながらも射続けて、ついに、とうとう!連続で!
 的 に 当 たっ た
だけだったんですよ。はあ? 

確かに弓道ってそうらしいですが、それではゾンビ退治時の命中率と矛盾しますw 女児越しにゾンビを射た場面、これで「俺を信じろ」とか良く言えたもんです。
 信じれば出来る!のなら、いっそミラクルに継ぎ矢(的中した矢に、次の矢が刺さってまるで一本になる)でもさせたら派手でイイじゃないですか! なのに、何故ここだけ地味リアルですか。いやーもう本当にがっかりです。

 こういうこと書くと『嫌なら観るな』勢が湧く昨今ですが、違うでしょ。ゾンビドラマに『ゾンビなんかいない』と文句つけるなら、そりゃ観るなですけども。ゾンビをやっつける主人公カッコいい~と、素直に思える様にちゃんと作ってくれ、と言ってるんです。

アーチェリーなら威力も命中率も高校部活にも十分なところを、わざわざ弓道にしたんでしょうにねえ(弓道着がカッコいいからかしらw ライフル射撃だと「アイアムアヒーロー」ですし)

 一行の内訳は警察官(大谷亮平)と、響の同窓生でもあるその部下等々力(笠松将)、老小説家(笹野高史)、引っ越し屋(マキタスポーツ)と部下ユン(キム・ジェヒョン)、介護士の母(安藤玉恵)とその娘、女子大生(飯豊まりえ)
 警察官ふたりは拳銃を所持。そこに響の弓。寡黙なユンも、実は拳法の使い手と実は戦闘力が高い一行でした。でも等々力は響を『裏切り者』と誹り、遺恨がありそうです。また小説家は噛まれたのを隠してる?? 封鎖地区に安全な場所は、救助は、来美を助けには行けるのか?
 ゾンビを見守る、怪しい研究者(滝藤賢一)は何者?

 主人は日曜の夜にゾンビドラマ斬新と喜んでいるので、観ますけど。もうツッコまないで済むといいなあ……。