あれれ、最終回なのに響きませんでした。
妄想に生きるお姉さんの印象がガラッと変わることもなく、他の話とのつながりもなく。期待しすぎてしまいましたね。

 ヒロインは家事手伝い淑子(伊藤歩)40歳。
面前の男性にあれこれ問われ、はにかみながら語り続ける淑子ですが、どうやら半分妄想です。曰く街で声をかけられちゃって……が、パンの試食だったりw 妊婦で里帰り中の妹有紗(佐津川愛美)からは慕われ、自分も姉として世話を焼いている……と言う実際のところは、キモ姉で、親の命令でパシリにされる日々。
 なにしろ妹目線でも壁と会話する姉はかなりアブなく、母からしたらダメ娘。学業は優秀だったのに、どうしてこうなっちゃったのかしら……って、あれもだめこれも出来ないのねと、常に姉だけ否定して萎縮させてきたのに無自覚なんですね。搾取子が姉で、愛玩子が妹ってことなんでしょうか。
 折から街には妊婦を狙う連続暴行犯。妹さんもその被害にあっての事情聴取ならしいのに、自分の話を熱心に聞いてくれるからと
「あなたが、私の運命の男性(ひと)ですか?」
と、妄想が止まりません。こ、怖い。

 妹殺しの犯人が彼女なことは、すぐわかりますが。他の妊婦を襲っていたのも……全部淑子なんですか? 押さえ込んだリビドーの爆発ですか? 
女学校時代のシスターが、妙に教科書をいやらしく解釈する天才だったことを思い出しましたけどw それでもシスターは自ら未婚を選んだ存在。淑子は、家を出て男女交際の存在する世界に踏み出していけたのに。臨月で里帰りの妹と母がべったりで、淑子と母の関係がたいして描かれなかったことも物足りなかったですね。
それとも今回の母子は、淑子と愛猫かなw 箱入りムスメの愛猫スカーレットを自らに重ね、外に出しては心配して探し回る淑子の姿は鬼気迫りました。

 プチプチと、毎夜はげむ蚤とり。事件当夜の行動を聞かれて
「蚤とりを、していました」
と答える淑子。彼女にとって妊婦襲撃も、卵をとり頭を潰す蚤とりだったのでしょうか……。

妹さんの赤ちゃんはせめて生きていて欲しいですねえ。