ドラマでポン

女子高生が妊娠。

そう聞いただけで目に浮かぶのが、泣く母親怒る父親、白い目でひそひそする同級生。相手の男の親からはアバズレ呼ばわりされ……。
ところがこの映画、どれもナッシング。

妊娠検査薬が陽性になっても、ヒロインときたら軽やかに歩き続けます。
中絶するぞ！イヤ養子に出すぞ！と、どの決断も素早い素早い。で、「どうしよう」じゃなくて「こうするから」と、後から聞かされるんじゃ、両親も愁嘆場にする隙がないぞ。
っていうか、同居女性は’父の再婚相手’であって母親じゃないし。
「永遠の愛ってあるのかな？」
とパパに訊ねても、その人あなたのママと離婚してるからね？
なんかもう、見ていて自分の価値観が『普通の暮らし』がグラグラと揺れてしまいます。（飛行機でフライト中に見ただけに　って　笑）

養子に出す先も、フリーペーパーで探すんだよ。要らない自転車もらうんじゃないんだから、募集広告出す方も出す方だわ。
その広告主夫婦の豪邸を訪ねて、全然臆してないJUNO（そうそう、これヒロインの名前ね）はある意味偉いと思うけど、お行儀の使い分けが出来ないのは褒められたもんじゃない。
相手の生活を互いにうらやまない、さげすまない関係って、逆に棲み分けちゃっていて全く無縁な人種だってことなんでしょうか？？（そんな娘から赤ん坊もらうのが、不安じゃないって半端なく心が広いと思う）

で、そんなこんなに全く一ミリも関わらせてもらえない相手の男。
自分の子供でもあるのに……。
さらにその親になると、自分に孫が出来つつあることすら知らない様子。通常’敵’な立場とはいえ、ここまで情報圏外だと可哀想になるぐらいです。

そして里子に出す＝妊娠はなかったことにして復学　路線かと思いきや、どーんと腹出しながら堂々登校ですよ。近所も普通に歩いてますよ。
（そういう意味では、妊婦？ただの小太り？？と決めかねるメタボ子供はアメリカ多いけどねー）

この調子でラストまで、とにかく訳のわからない出来事とわからない決断が続いてくらくらしっぱなしでした。彼氏とヒロインは幸せそうなラストでしたけど、赤ん坊には恨まれそうです。
（追記：結局子供の父親とラブラブ交際。将来また受胎の可能性を考えると、そっちの方が兄弟で揉めそうな気がします。私は手放されたのにあんたは育ててもらったのね、とか逆とかー）
これが’リアル’として絶賛を浴びたそうですからUSA恐るべし。

「お父さんお母さん、行ってきマース！」
って、ええ？　ハチの核家族？？

蜂大学を無事卒業（笑）したとかいう主人公蜂が、就職活動をするところから話が始まります。
いろんな職業を主人公が知る間に、観客にも自然に蜂社会が説明されて……って、待ってよなんか変よ。、あの蜂の巣の中にはぎっしり戸建て住宅と工場がつまってるんですか？？
蜂も蝉もBUGで一緒くたのアメリカ子供は信じるぞー？？下手したら日本の子供も信じるぞー？？

でもそこだけ横に置けば、実に楽しい物語でした。
ハチの目から見た都会の中の公園。小さいハチからみた巨大な人間。
ハチはもちろん英語が分かり（笑）潰さずに助けてくれた女の子としげしげ会って話すようになる……そして訴訟に！！　アメリカだー（笑）
蜂蜜を搾取し、ハチを貶めたと告訴される有名人が（stingとか　笑）がみんな実名＆本人吹き替えで出演してるんだから嬉しくなっちゃいます。この辺、子供には全く意味無い、劇場に連れてきてる大人向けサービスですよね。

そして、人権ならぬ蜂権を獲得するも……って後の、生き甲斐が大事だとか力を合わせればなんでも出来るとかいうメッセージくさい展開はどこも驚くところないんですけど、画面が爽快で見入ってしまいました。
（だって飛行機の中で、他にすることなかったんだもん）

え？ここで終わり？　……って感じでレコード大賞受賞。

誰でも知ってる有名人、和田アキ子。デカイ、怖い、でも涙もろいのもバラエティで良く泣くんだから別に驚かないし。
どんなにダメダメ言われたって、結局売れたんだしー。めちゃテンション低く用事しながら見ちゃいましたよー。
もっと’でもそこがいい’って世間が思ってくれたきっかけを描いて欲しかったかな。
受賞のあと売れっ子になってから、意地悪アイドルに仕返しするところもやって欲しかったぞ（笑）

ただ曲の売り込みのために街角の小さなレコード（そう、レコード！）店の前で歌ったり、キャバレーで営業したりってのは、着うたやダウンロードとネットで売れたりする昨今では珍しい光景なんじゃないでしょか。

演じてる娘（青木さやか似）も歌は結構上手かったけれど、最後受賞の場面から切り替わってエンディングには現在のご本人が朗々と歌い上げる「あの鐘を鳴らすのはあなた」。やー全然違いました。当然だけど段違いで上手い。

で、お目当ての西村さんはその曲を作った阿久悠さん！
ハイネックに背広とはいかにもで「のだめカンタービレ」の先生の時みたいでしたね。髪型以外は！

授賞式でプロポーズ、出たー！！
でもそんな龍彦の妄想を
「怖いんだね、普通に言うの」
と淡々と斬るりっちゃん、良かったワ。そうだよね。若造がTV番組に応募して、カメラのあるところで告白しようとするのに似てる。普通に言え、普通に。
（そう思うと、道ばたで告っちゃった時点でヤッパリ立木サン有利だったのかな？）

最後はもっとぼかして終わるかと思っていたので、はっきり立木正午に軍配が上がって逆にビックリ。
も一つちょこっと驚いたのが、正午を見つけた楓が「ソレカラ一年」のブランクを全くないものとして語り出したトコロ。確かに立木さんは、死ぬまで好きだと言っていたけれどもサ。まだ私を好きなのか？と、確かめなくていいものか。もう誰か内縁の妻と住んでたりしたら大笑いだよね（イヤマア恋愛ドラマとしてソリャないでしょうけど）

先週可哀想なことになってた’ZUKAN'は無事に売れ、湘南で昔の部下に出会って新しい才能を見いだす仕事を立ち上げた正午。そこにあきらめてた想い人が自分から来てくれるなんて……どんだけ幸せなのか立木正午。でもそうか、主人公だもんね。

コレが楓さんを本当に主人公に、親が見合いシロシロうるさいだの同窓会でイヤな目にあっただのアラフォー的アプローチだったら理想のラストは違って来るかな……。
だって…家族には言えなかったけど…「立木さんの傍にいる」のはいいけども…夫婦生活を考えるとちょっとぞっとしない。ゴメンょマチャアキ。

えー、あの明太子もう食べられないー（＞＜）

美加も創志も、「ナイト＝ロボット」の納得早すぎ、と思いつつ。ナイト壊れそうですよ！！一億円もするのにメンテ無しで半年も保たないって、家電としてドウヨ！！
最終回に向けて「真実の愛」を競う展開にならず、ナイトは壊れて終わりなのでしょうか。
それって、死別した妻への愛が美化されるように（『生き別れに嫁いでも死に別れに嫁ぐな』っていうよね）、創志にとって永遠に超えられない壁が出来てしまう様なものなのでは。

それにしても、フランス修行3年は長いね！
パスポートがなくてもナイトなら海を泳いで渡ってこら……れないか（笑）